クボタカイが3月3日に東京・WWWで約1年ぶりのワンマンライブ「ロマンスを持ち寄って」を開催した。
クボタがバンドメンバーを従えてステージに現れると、声出しが解禁されたフロアからは歓声が上がる。彼は1曲目にイベントのタイトルともリンクする「ロマンスでした」をセレクトすると、アコースティックギターを弾きながら切ない心情を情感豊かに熱唱。次曲「Youth Love」ではパワフルなラップを届け、アーティストとしての振れ幅の広さを見せつけた。その後もグルーヴィな「ベッドタイムキャンディー2号」、アカペラから始まった「Wakakusa Night.」などメロウな楽曲が届けられた。クボタは初めて体感する声出しOKのワンマンに「すごいな、声ありって」と、観客の盛り上がりに驚いた様子でひと言。彼はフロアを眺めながら「もしも人生が映画だったら、この人生ってハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。ヒロインは誰で、どのくらいの値打ちがあるのか。そんな無駄なことを考えたりします。でも僕が生きた23年間をこのライブの短い時間に詰め込むので、みんなもそれぞれのロマンスを持ち寄って、重ねて、映画を見るみたいに見ていただけたら」と本公演のタイトルに込めたテーマについて語った。
ライブ中盤、クボタは「ここからはちょっとゆっくりやろうかなと思います」と話すと、シンプルな弾き語りのサウンドに、失恋の燻るような思いを乗せた「アフターパーティー」を歌唱。対照的に弾き語りにバンドのサウンドが重なっていく「せいかつ」では、オーディエンスがそのゆったりとしたグルーヴを浴びて気持ちよさそうに体を揺らした。クボタが「ここから後半戦。またヒートアップしていきましょう」と告げるとフロアから歓声が上がる。彼がファンキーなサウンドに乗せてキレのあるラップを繰り出す「MIDNIGHT DANCING」をプレイすると会場の熱気がヒートアップ。「TWICE」の曲中に「声が出せるらしいですね? 倍の熱量で返してもらえたらうれしいなと思います」と煽ると、フロアからコール&レスポンスが沸き起こるなど一体感のあるステージが繰り広げられた。
クボタは映画「サイド バイ サイド 隣にいる人」の主題歌「隣」を初披露したのち、ノイジーなギターサウンドが印象的なミディアムナンバー「僕が死んでしまっても」をパフォーマンス。そしてここまでライブを見守ってきたファンに「ありがとうございます。拍手にパワーと愛情を感じます。でも僕、返せるの音楽しかないから。これからもいろんな人生で心に傷や穴は増えていくだろうし、なんなら今もあるだろうし。それを少しでも埋められたら、僕は音楽をやって大成功だなと思います。できればこれからもずっと耳のそばにいさせてほしい」と呼びかけると代表曲の1つ「ピアス」を歌唱してライブ本編を終えた。
アンコールを受けて再びステージに登場したクボタはバンドメンバーを紹介しつつ、最新曲「夢で逢えたら」を披露。さらに万華鏡のような幻想的な光の中「MENOU」を歌い上げると、最後はオーディエンスと記念撮影をして約1年ぶりのワンマンを華やかに締めくくった。
クボタカイ「ロマンスを持ち寄って」2023年3月3日 WWW セットリスト
01. ロマンスでした
02. Youth love
03. ベッドタイムキャンディー2号
04. Wakakusa Night.
05. 春に微熱
06. エックスフレンド
07. 拝啓(Freestyle)
08. Sunset City
09. アフターパーティー
10. せいかつ
11. MIDNIGHT DANCING
12. ひらめき
13. TWICE
14. 博多駅は雨
15. 隣
16. 僕が死んでしまっても
17. ピアス
<アンコール>
18. 夢で逢えたら
19. MENOU