FOMAREが3月10日に全国ツアー「FOMARE "midori" RELEASE TOUR 2022-2023」の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演を開催した。
本ツアーはFOMAREが昨年10月にリリースしたメジャー1stアルバム「midori」を携え、昨年12月から4月にかけて行っているもの。FOMAREはワンマンの会場としては自身最大規模となる東京・Zepp Haneda(TOKYO)で、「midori」の収録曲を中心に全22曲を熱演した。
気合い十分の面持ちで登場したFOMAREは、みずみずしいサウンドのポップパンクナンバー「wave」でライブをスタートさせる。青春感のあるこの曲にぴったりのブルーの照明を浴び、3人は冒頭から気迫に満ちたパフォーマンスを繰り広げた。続く人気曲「Lani」でオーディエンスが力強くシンガロングすると、メンバーはその光景をうれしそうに見つめた。
オグラユウタ(Dr, Cho)が安定感のあるビートを刻む「Continue」では観客がハンズアップし、メロディックパンク調の「新しい歌」では、アマダシンスケ(B, Vo)の「よっしゃ来いや!」という言葉に応えるように、オーディエンスも負けじと体を動かして3人が奏でる音を乗りこなした。MCでアマダはコロナ禍で不安を抱えつつツアーを回り始めたことを吐露しつつも、「みんなの熱量が、その不安を安心に変えてくれました」と顔をほころばせた。
フロアが和やかなムードに包まれたところで、FOMAREはカマタリョウガ(G, Cho)のギターソロが冴える「Frozen」、清涼感のあるラブソング「君と夜明け」を披露した。オグラのドラムソロを合図に始まったのは「80%」。ステージ後方に用意されたスクリーンには、「midori」のジャケットを彷彿させるリリックビデオが映し出された。
FOMAREはテレビアニメ「ゴールデンカムイ」第3期のオープニングテーマで、疾走感のある「Grey」で一段とギアを上げる。その熱を保ったまま、真っ赤な照明演出がステージを彩る「5cm」をプレイ。間髪をいれずにアマダが初期曲「stay with me」を歌い始めると歓声が上がり、先ほどとは対照的な青いライトがメンバーを照らした。サブスクリプションサービスで解禁されていない「悲しいハッピーエンド」が披露されたところで、バラードが続くセクションへ。アマダはサブスクが台頭している世の中に対して感じている寂寥感やCDへの思い入れを語り、CDの気持ちになって歌詞を書いたという曲「CDケース」を感傷的に歌い上げた。
続けてTikTokで話題を呼び、バイラルヒットを飛ばしているほろ苦い失恋ソング「長い髪」が演奏され、場内は一層エモーショナルなムードに。その後、ミラーボールが星空のようにフロアを照らす中、FOMAREはロマンチックな「REMEMBER」を奏でる。序盤のメロディックパンク色の濃い楽曲とは異なる繊細なサウンドで、バンドの多角的な魅力を打ち出した。
そしてアマダは「コロナ禍でTikTokやサブスクに挑戦して、これが正解なのか不安な時期もありましたけど、みんなが受け入れてくれて今があります。でも俺らがマジでやりたいことは、ライブハウスでこういうふうに音楽を楽しむことです。今日で終わりにしたくないのでこれからもみんなでライブハウスシーンをつなげていきましょう!」と思いの丈を語った。
地元・群馬を大切にしているFOMAREはライブ終盤、「夕暮れ」「かぼちゃ列車」という群馬について歌った楽曲を並べ、地元愛をアピール。本編最後の楽曲「愛する人」ではツアー中に撮影された動画、写真、そしてFOMAREメンバーやツアーのゲストアーティストたちが直筆で書いた歌詞がスクリーンに映し出され、場内を感動的なムードに染め上げた。アンコールでは、メンバーが「HOME」「タバコ」を熱演。「あっという間に終わっちゃった」「帰りたくない」と名残惜しみつつ、ステージをあとにした。
なお、FOMAREは延期となっていたツアーの茨城・mito LIGHT HOUSEでの振替公演を4月13日に行う。
「FOMARE "midori" RELEASE TOUR 2022-2023」2023年3月10日 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト
01. wave
02. Lani
03. Continue
04. 風
05. 新しい歌
06. Frozen
07. 君と夜明け
08. 80%
09. 夢から覚めても
10. Grey
11. 5cm
12. stay with me
13. 悲しいハッピーエンド
14. CDケース
15. 長い髪
16. REMEMBER
17. 夕暮れ
18. かぼちゃ列車
19. 優しさでありますように
20. 愛する人
<アンコール>
21. HOME
22. タバコ