ハロー!プロジェクトのイベント「Hello! Project ひなフェス 2023」が、4月1、2日の2日間にわたり千葉・幕張メッセ国際展示場4ホールで開催された。この記事では2日目に行われた「つばきファクトリープレミアム ~浅倉樹々卒業スペシャル~」の模様をレポートする。
「ひなフェス」はハロー!プロジェクトのメンバーが総出演する春の風物詩的ライブ。今回の公演には、モーニング娘。'23、アンジュルム、Juice=Juice、つばきファクトリー、BEYOOOOONDS、OCHA NORMA、ハロプロ研修生ユニット'23、ハロプロ研修生が出演した。
昨日4月2日の夜公演は、つばきファクトリーの浅倉樹々が、グループおよびハロー!プロジェクトを卒業するメモリアルコンサートとして実施。公演はハロプロ研修生のフレッシュなパフォーマンスでスタートし、ハロプロ研修生ユニット'23、OCHA NORMA、BEYOOOOONDS、Juice=Juice、アンジュルム、モーニング娘。'23が立て続けに楽曲を披露した。
MCコーナーでは、つばきファクトリーを除く各グループのリーダーたちが登場。BEYOOOOONDSの一岡伶奈は「樹々ちゃんは私のことを『いちさん』と呼んでくれる唯一のハロプロメンバー。BEYOOOOONDSのパフォーマンスもよく見てくれていて、感想をくれるのでうれしいなと思っていました」と、にこやかに話す。「樹々ちゃんがワンちゃんに見える瞬間がある」と発言したJuice=Juiceの植村あかりは「今日の公演でも『樹々ちゃん!』っていっぱい呼びたい」と白い歯をこぼし、OCHA NORMAの斉藤円香は「私が研修生の頃、悩んでいたときに浅倉さんが優しくハグをして『大丈夫だよ』と慰めてくださった」と、浅倉とのエピソードを明かした。
今年の春ツアーをもってアンジュルムおよびハロー!プロジェクトを卒業する竹内朱莉は「樹々ちゃんってあったかい。人懐っこいし、かわいいんだよね」と顔をほころばせ、今年の秋ツアーでモーニング娘。'23およびハロー!プロジェクト卒業する譜久村聖は「樹々ちゃんをみんなで一緒に送り出すことができて本当にうれしい」と心境を明かす。譜久村が「『つばきファクトリープレミアム ~浅倉樹々卒業スペシャル~』始まります!」と声を上げると、清々しい水色の衣装をまとったつばきファクトリーの面々が登場。浅倉のメモリアルコンサートは、彼女たちにとっての記念すべきメジャーデビュー曲「初恋サンライズ」で幕を開けた。続けて南沙織のカバー曲「17才」、1stインディーズシングル「青春まんまんなか!」と結成当初からの“青春ナンバー”で会場にさわやかな風を送ると、約5000人の観客は発声禁止のライブの中でも盛大な拍手で応えた。
MCではまず、2021年加入の4人、2016年加入の3人のメンバーから順に挨拶。豫風瑠乃は「12人での最後のステージ、全力でがんばるのー!」、福田真琳は「今日は浅倉さんに髪型を決めていただいたので、“浅倉さんパワー”でがんばります」、八木栞は「12人最後のつばきファクトリー、皆さんの心に強く刻み込みたい」、河西結心は「12人体制の集大成を見せつけたい」と意気込み、秋山眞緒は「“つばき愛”を見せたい」、小野田紗栞は「最後までハッピースマイルでがんばります」、小野瑞歩は「樹々の歌声を胸に、楽しむぞ!」と気合いを見せる。
また、2014年10月にハロプロ研修生に加入し、2015年4月のつばきファクトリー結成からグループを牽引してきた浅倉は「活動初期の頃を意識して、長めのポニーテールにしました! 12人のつばきファクトリーを目に焼き付けてください!」とアピール。結成当初から浅倉と苦楽をともにしてきた初期メンバーもこれに続き、岸本ゆめのは「今日も熱くいきます!」、谷本安美は「樹々を目に焼き付けます」、サブリーダーの新沼希空は「皆さんとメンバーと最高の思い出を作りたい」、リーダーの山岸理子は「一瞬一瞬、楽しみたいと思います!」と決意を新たにする。ファンからの温かい拍手を受け、勢いに乗った彼女たちは、2ndシングルより「笑って」、3rdシングルより「春恋歌」、森高千里のカバー曲「私がオバさんになっても」、2ndアルバムより「愛は今、愛を求めてる」と、前向きで明るいナンバーの数々をパワフルにパフォーマンスし、ボルテージをますます上げていった。
幕間、会場に流されたVTRでは「キャメリア ファイッ!」という、おなじみのライブ前の掛け声に始まり、つばきファクトリー結成5周年記念となった昨年のホールツアー、武道館公演、野外ワンマンライブ、生バンドをひっさげて行われたメジャーデビュー6周年記念ライブの様子が映し出され、これまで多くの現場経験を重ねてきた彼女たちの歴史と成長を垣間見せた。ピンクと黒を基調とした衣装に着替え、再びステージに戻ってきたつばきファクトリーは、「イマナンジ?」「意識高い乙女のジレンマ」「弱さじゃないよ、恋は」「低温火傷」と、切ない乙女心や恋心を表現した楽曲を中心に、しっとり歌い上げる。その後のMCではメンバーたちがこれまでの活動を振り返り、山岸は「これからも素敵な思い出を作っていけたら」と目を輝かせた。
コンサート後半は「ガラクタDIAMOND」「間違いじゃない 泣いたりしない」「アドレナリン・ダメ」と、12人体制になってからリリースされたアップテンポな曲で、メンバーと観客のテンションは加速度的に上がっていく。キラーチューン「今夜だけ浮かれたかった」で会場を熱くさせた彼女たちは、メジャー10枚目の最新シングルより、浅倉とメンバーとの“結びつき”をフィーチャーした「君と僕の絆 feat.KIKI」を披露。メンバー同士が肩を寄せ合い、グループから巣立っていく浅倉を優しく見守った。
アンコールでは、浅倉がネイビーを貴重としたシックなドレス姿で、グループに残るメンバーたちは自身のメンバーカラーの衣装という出で立ちで登場。浅倉は、自身がアイドルを目指すきっかけとなったというBuono!の楽曲「You’re My Friend」を、涙を浮かべながら歌唱した。
浅倉は両親、愛犬、歌唱指導やダンスの講師、スタッフ、ファンやメンバーへの思いを手紙にしたため、腰椎椎間板ヘルニアの治療のため活動休止していた期間を含めた自身のアイドル活動を振り返る。浅倉は「波乱万丈な活動期間だったと思いますが、ここまで応援してくださり本当にありがとうございました」と目をうるませて、感謝の言葉を噛みしめた。
初期メンバーの山岸、新沼、谷本、岸本に対しては「みんなは気づいてるかわからないけど、あの頃以上に、今、私を最年少のように甘えさせてくれるようになっているのがうれしい」と胸中を打ち明け、メジャーデビュー前に加入した小野、小野田、秋山には「この3人がいなかったら、正直ここまで続かなかったと思います。それぐらいグループを盛り上げてくれたし、何よりみんなのことを愛してくれてありがとう」と感慨深げに謝辞を述べる。さらに若手の河西、八木、福田、豫風には「後輩だからとか関係なく、つばきをどんどん引っ張っていってほしいです。よろしくね!」と声をかけた。最後に浅倉は「9年間、本当にありがとうございました! つばきファクトリーは最高を更新し続けるグループだし、絶対に楽しませてくれます。私には最高すぎる仲間たちと歩んだ経験、思い出が味方です。新しい環境、ソロになってもきっと大丈夫です。さようならじゃなくて、行ってきます! これからもお互いそれぞれの場所で椿の花を咲かせましょう」と晴れやかな表情で締めくくった。
浅倉の言葉を受けた豫風は「最初に会った浅倉さんはオーラがすごくて、そのキラキラに圧倒されました。浅倉さんがいるつばきファクトリーに入れてよかった」と、浅倉に駆け寄りハグをする。福田は「かわいらしい一面もあるのにしっかり芯がある浅倉さんが大好きです。浅倉さんの後輩になれて幸せで、誇りです」と胸を張った。八木は「浅倉さんはなんでも受け止めてくれる先輩。これからもご活躍を楽しみにしています」と浅倉に期待を寄せ、河西は「浅倉さんはこれからもずっと憧れの存在です」と涙ぐみつつ言葉を投げかけた。
続く秋山は「樹々はまっすぐで尊敬できるところがいっぱい。樹々がくれた愛をしっかり守っていける人になれるようにがんばります」と目標を掲げ、小野田は「樹々とはオーディションのときから『絶対一緒にグループに入ろうね』と言ってて、有言実行できたね。一緒に活動できたことを誇りに思います」と誇らしげな表情を浮かべる。小野は「樹々は全部をあったかく包み込んでくれて、本当に救われていました。これからはお友達としてよろしくお願いします! いってらっしゃい!」とエールを送る。浅倉に感謝を伝え切れていなかったと語る岸本は「樹々ちゃんを信頼してるからこそ、任せっきりになっていた部分がありました。これからは樹々ちゃんの代わりになれるぐらい自分が引っ張っていかなきゃなと思います。8年間一緒に活動してくれて、ほんまにありがとう!」と笑顔を見せた。
ここまで涙をこらえていた谷本は言葉に詰まりながらも「オーディションから一緒で、ずっと同じ道を歩いてきた樹々が卒業するのは、やっぱりさびしい。これからも1人のファンとして応援していたいと思います」と大粒の涙をこぼす。新沼は「樹々ちゃんは強くて可憐で、椿の花言葉にふさわしい女性。『隣に並びたいな』と思いながら、いつも背中を追ってました。“浅倉樹々”というアイドル像を貫いていてカッコいい。おばあちゃんになっても仲よくいれたらいいなって思います」と浅倉に微笑みかけた。そして山岸は「最初はお互いに壁があって、あまり話してなかったから、こんなに仲よくなるとは思わなかった。この先、不安なことがあったら私に相談してほしいし、私も相談したい。これからの道を心から応援してます。ありがとう!」と感謝を伝えた。
ラストは1stアルバムより、多幸感あふれる「ハッピークラッカー」で大団円。浅倉とメンバーたちは会場に明るい笑顔の花を咲かせ、ステージをあとにした。
なお浅倉は4月から動物専門学校へと進学し、学業と両立しながらのソロ活動を目指す。また今回の公演で披露した「You're My Friend feat.KIKI」が、本日4月3日に配信リリースされた。
「Hello! Project ひなフェス 2023」2023年4月2日 幕張メッセ国際展示場4ホール セットリスト
01. 青春Beatは16 / ハロプロ研修生
02. 女で地球は回ってる / ハロプロ研修生ユニット'23
03. ヨリドリ ME DREAM / OCHA NORMA
04. ウチらの地元は地球じゃん! / OCHA NORMA
05. 求めよ…運命の旅人算 / BEYOOOOONDS
06. 夢さえ描けない夜空には / BEYOOOOONDS
07. この世界は捨てたもんじゃない / Juice=Juice
08. GIRLS BE AMBITIOUD!(10人ver.) / Juice=Juice
09. ぶっ壊したい / アンジュルム
10. 愛すべきべき Human Life /アンジュルム
11. Happy birthday to Me! / モーニング娘。'23
12. What is LOVE? / モーニング娘。'23
13. 初恋サンライズ / つばきファクトリー
14. 17才 / つばきファクトリー
15. 青春まんまんなか! / つばきファクトリー
16. 笑って / つばきファクトリー
17. 春恋歌 / つばきファクトリー
18. 私がオバさんになっても / つばきファクトリー
19. 愛は今、愛を求めてる / つばきファクトリー
20. イマナンジ? / つばきファクトリー
21. 意識高い乙女のジレンマ / つばきファクトリー
22. 弱さじゃないよ、恋は / つばきファクトリー
23. 低温火傷 / つばきファクトリー
24. ガラクタDIAMOND / つばきファクトリー
25. 間違いじゃない 泣いたりしない / つばきファクトリー
26. アドレナリン・ダメ / つばきファクトリー
27. 今夜だけ浮かれたかった / つばきファクトリー
28. 君と僕の絆 feat.KIKI / つばきファクトリー
<アンコール>
29. You're My Friend feat.KIKI / つばきファクトリー
30. ハッピークラッカー / つばきファクトリー