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チコハニ活動休止前ラストライブを笑顔で完走、CHiCOはファンの後押しを受け新たな道へ

「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『iは自由で、縛れない。』」の様子。
12か月前2023年04月10日 9:01

CHiCO with HoneyWorksのZeppツアー「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『iは自由で、縛れない。』」が、4月8日に愛知・Zepp Nagoyaでファイナルを迎えた。

2022年10月にリリースされた4thアルバム「iは自由で、縛れない。」を携えて全国4都市を巡ったチコハニ。ツアー直前の2月4日には、CHiCOがボーカリストとしてスキルアップするため活動休止することを発表しており、当面ユニットとしてのライブが観られなくなるとあって、ひと目でもそのステージを見届けようと多くのファンが会場に詰めかけた。中でもファイナルとなったZepp Nagoya公演は、フロアがひしめくほどの状態に。しかし活動休止前最後のライブにもかかわらず、3時間におよんだ公演は感傷的な雰囲気はほとんどなく、ポジティブなムード一色。政府の新型コロナウイルス感染症対策の方針変更に伴い、マスクを着用したうえでの声出しも可能となり、ステージ上のCHiCOをはじめとする演者と、フロアにいる観客の間で密なコミュニケーションが繰り広げられた。

フッとSEが止むと同時に、ツアータイトルの看板や標識、ガードレール、自動販売機など「iは自由で、縛れない。」のジャケットを再現したステージにチコハニバンドのOji(G)、中西(G)、宇都圭輝(Key)、Hiroki169(B)、AtsuyuK!(Dr)、あすきー(Manipulator)がスタンバイ。メンバーが各々のプレイスタイルをアピールするソロ回しでライブの幕が上がると、観客は赤く灯したペンライトを力強く振り上げて準備万端であることをアピールする。続けてステージの中央に堂々と佇むCHiCOのシルエットが浮かび上がり、「いくぞ、名古屋ー!」というシャウトが高らかに響いた。

CHiCOが前のめりになりながら、戦いの狼煙を上げるように「リベンジゲーム」を力強く歌い出すと、その声に応えるように観客も盛大にコールする。これを受けてCHiCOは「さあ、もっと行こうぜ!」「悔いのないように最後まで盛り上がっていけたらと思います」と幾度となく煽りながら、チコハニの十八番とも言える疾走感のあるパワフルなロックチューンはもちろん、小悪魔的な魅力を放つラブソング「ヒミツ恋ゴコロ」、コミカルな振付が楽しいポップチューン「それいけ!サラリーマン」など、これまでに発表してきたバラエティに富んだ楽曲を次々と熱唱。声色も表情も各楽曲の世界観に合わせて変幻自在に変え、デビューからこれまでの進化を見せつけた。

その成長ぶりが顕著に現れたのは、「iは自由で、縛れない。」の収録曲で固めた中盤のブロック。「鬼ノ森」では凛とした中にも儚さをはらんだ声が、深淵なサウンドスケープを描き出し、苦味のある恋愛模様を歌った「きっと別れるよ」「あなたは恋をしてない」では情感豊かなボーカルが、主人公の感情の機微を細やかに表現する。そんな“大人になったチコハニ”の音楽に、オーディエンスは真剣に耳を傾けていた。

その後、CHiCOは「8年間の活動があったからできた曲」「いろんな方に刺さる曲になったと思う」と「きっと別れるよ」「あなたは恋をしてない」についてしみじみと言及しつつも、「皆様の体力を持っていく怒涛のセットリストになってます……でもいけるよね?」とモードを変えることを予告。その言葉通り、「ヒカリ証明論」を皮切りにBPMの高いアップチューンが続き、オーディエンスもCHiCOとチコハニバンドの気合いの入ったプレイに呼応するように、ペンライトを振ったり、シンガロングしたり、ジャンプをしたりとそれぞれの形でライブを全力で楽しむ。

「みんなの声を借りて、やっとこの曲が完成します。高く拳を上げて、空に舞い上がる準備はできてますか?」。CHiCOのそんな宣言から続いたのはコロナ禍に突入した2020年2月にリリースされた「決戦スピリット」だ。今回のツアーまでは一度も観客とともに歌うことが叶わなかったこの曲を、CHiCOはファンと一緒に大合唱。その温かく一体感のある光景を前に彼女は「最高だね」と感慨深そうに口にしたのち、チコハニとしての活動休止を決めた思いを語り出した。CHiCOは「みんなを驚かせてしまった」と申し訳なさそうにしながらも、活動休止はレベルアップしてチコハニに還元するためと強調。「筋肉モリモリになって帰ってきますので、CHiCOとバンドメンバーの個々の活動を見守っていただけたらと思います」と微笑んだ。

「今の気持ちを全力で皆様にお届けします。新しいチャレンジ、いろんな気持ちを背負っていこうと思っているので、最後の2曲はこの曲を選びました」という言葉から披露されたのは、未来への思いを込めた「ハートの主張」「ハートの誓い」。マイクを力強く握りしめながら言葉1つひとつに思いを乗せるように歌うCHiCOの姿を、オーディエンスは一瞬でも見逃すまいと懸命に目に焼き付けていた。

ライブはこれで終わらず、CHiCOが去ると同時に「チコハニ」コールがライブハウスに響き渡る。熱烈なアンコールに応えて戻ってきたCHiCOとバンドメンバーは、1stシングルであり代表曲「世界は恋に落ちている」やコール&レスポンスが必須の「BGM」、「いつか会えた時には ただいまってきっと大声で!」と再会を誓う歌詞が印象的な「今日もサクラ舞う暁に」を全力で届けた。なお、東京公演までは「今日もサクラ舞う暁に」をもってライブは終了していたが、この日は「もう1回」のコールが巻き起こり、チコハニ初のダブルアンコールが実現。勢い余った中西がガードレールのオブジェに衝突するというコントのようなハプニングによって会場が笑いで包まれる中、いよいよライブはクライマックスへ。CHiCOの「最後にみんなと歌うなら」という言葉に続き、「ホーリーフラッグ」のイントロが響くと、予想外の1曲にどよめきにも似た歓声がフロアのあちこちから上がった。CHiCOはステージに運び込まれた旗を手に、歌詞につづられた前向きな言葉を噛み締めるように歌い上げ、自らを鼓舞するように「ゆけー!」と叫ぶ。すると観客も大声で歌い返し、CHiCOとチコハニバンドの新たな門出を笑顔で祝福した。

CHiCO with HoneyWorks「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『iは自由で、縛れない。』」2023年4月8日 Zepp Nagoya セットリスト

01. リベンジゲーム
02. 醜い生き物
03. プライド革命
04. ハンコウ予告
05. ヒミツ恋ゴコロ
06. カヌレ
07. それいけ!サラリーマン
08. 鬼ノ森
09. きっと別れるよ
10. あなたは恋をしてない
11. ヒカリ証明論
12. ウルフ
13. アイのシナリオ
14. 我武者羅
15. 決戦スピリット
16. ハートの主張
17. ハートの誓い
<アンコール>
18. 世界は恋に落ちている
19. BGM
20. 今日もサクラ舞う暁に
<ダブルアンコール>
21. ホーリーフラッグ

撮影:江藤はんな(SHERPA+) / NAKAMURA Yutaka

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