夏川椎菜が4月17日に千葉・市原市市民会館でライブイベント「LAWSON presents 令和5年度 417の日」を2部制で開催した。この記事では夜公演の模様をレポートする。
「417の日」は夏川が2017年より“417の日”である4月17日に地元の千葉で行っている恒例のイベント。夏川は毎年イベントの企画および脚本を手がけ、YouTube番組やカラオケ大会などさまざまなテーマでユニークなステージを届けてきた。今回のテーマは“ひとりミュージックレインフェスティバル”。「ミュージックレインフェスティバル」はミュージックレイン所属アーティストによるイベントで、昨年8月に約5年ぶりに実施される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になった結果、出演者のスケジュールの都合がつかなかったことからやむをえず開催中止に。昨年の「ミュージックレインフェスティバル」の開催は叶わなかったが、夏川は「417の日」でミュージックレインのアーティストの楽曲を15曲歌唱した。
ミュージックレインの事務所を模したセットに、ヘッドフォンを装着した夏川がウキウキとした様子で登場。夏川は先輩であるスフィアの楽曲「HIGH POWERED」を元気いっぱいに歌い、「やっぱりスフィアさんの『HIGH POWERED』っていい曲だなあ! 5年前の『ミュージックレインフェス』でTrySailでカバーしたんだよね。懐かしい! そういえば今年の『ミュージックレインフェス』ももうすぐだけど、カバーとかできるのかな? 楽しみだなー!」と目を輝かせた。夏川は「あれ? なんかたくさんの人がいる! うちの会社ってこんなに社員さんいましたっけ?」とヒヨコ群(夏川ファンの呼称)を見渡し、「なるほど、皆さんはミュージックレインの研修生なんですね」と納得。「改めまして、私、ここの所属声優で、夏川椎菜って言います! よろしくお願いします」とはつらつと挨拶した。
夏川は「皆さん、いいタイミングでいらっしゃいましたね! もうすぐミュージックレインのアーティストが一堂に会する『ミュージックレインフェス2022』が開催されるんですよ! 夏川もすごく楽しみにしていて。あのパソコンの中に最新の台本があるはず!」と事務所のパソコンを指差し、「今ちょうど偉い人が誰もいないし、ちょっとのぞいちゃいません?」と企む。しかし夏川がパソコンから見つけたのは「全スタッフに緊急連絡。開催予定だった『ミュージックレインフェス2022』ですが、中止することになりました」という開催中止のメールだった。夏川は「えー、もったいない! こんなにいいセトリなのにお蔵入りってこと? 研修生の皆さんにも見てほしかったなあ……」と落胆。がっくりと肩を落としながらも「あと1時間くらいあるな……」と時計を見てつぶやき、「よし! 皆さんちょっとだけお時間いただいてもいいですか? 研修生の皆さんにミュージックレインの楽曲を少しでも知っていただくために、ミュージックレインフェス、1人でやり切ります!」と高らかに宣言した。
“ひとりミュージックレインフェスティバル”を始めた夏川は、さまざまなロックナンバーを勢いよく連投。自身の楽曲「クラクトリトルプライド」を熱唱したあと、寿美菜子の「black hole」をエモーショナルに歌い上げて客席にシンガロングを巻き起こす。そしてCHICO with HoneyWorksの「プライド革命」で芯の強い歌声を響かせた夏川は、豊崎愛生の軽快なロック曲「オリオンとスパンコール」を朗らかに歌い上げた。夏川は「寿さんの曲は、『save my world』と迷って。『save my world』はレコーディングを見学させてもらったんですよ。機械なのかというくらい正確な寿さんのハモリを聴かせてもらった思い出があって、その曲も歌いたいたかったんですが、迷った結果『black hole』を選択させてもらいました。寿さんの曲は『black hole』も含めて英語の歌詞がいっぱいあるのよ。私今回『black hole』が一番難しかった!」と選曲のエピソードを話し、「“ロック”というくくりだけで、こんなにカラフルな曲が集まるのかと。ミュージックレインのアーティストは本当に個性豊かで、声質もさまざまなので、どの曲を歌おうか迷いました」と笑顔を浮かべた。
「セットリストを組むうえでミュージックレインの曲をいろいろ聴いてたら、『この単語多いな』というのが見つかりまして。そんな共通点同士で結んでみました」と告げ、夏川はここから“月メドレー”を展開した。まずは夏川も出演しているアイドルプロジェクト「IDOLY PRIDE」より、ミュージックレイン3期生の相川奏多、橘美來、夏目ここな、日向もか、宮沢小春が所属する月のテンペストの「月下儚美」を披露。凛とした佇まいで月のテンペストの流麗な振付を再現し、儚くも美しいこの曲を歌い上げた。熱いコールが沸き起こったスフィアの「MOON SIGNAL」を経て、夏川はまとう空気を一変させて高垣彩陽のオリエンタルなバラードナンバー「月のなみだ」をしっとりと歌唱。TrySailのメンバーとして一緒に活動している雨宮天の「月灯り」では透明感のある歌声を切なく響かせた。「月下儚美」の振りコピについて、夏川は「褒めて! めっちゃがんばった! せっかく後輩の曲を歌わせてもらうんだったら、先輩としてカッコ悪いところは見せられないなと思って」と胸を張る。「MOON SIGNAL」については「スフィアさんのライブに行かせてもらっていたので、『MOON SIGNAL』を自分で歌う日がくるなんて思っていなかったですし、皆さんの『MOON SIGNAL』コールを受けることができるなんて、本当に光栄でございます」と感慨深げに語った。
続いて夏川は「ミュージックレインに恋の曲が多いので、“恋”メドレーをお届けしたいと思います」と述べ、HoneyWorks meets TrySailの「センパイ。」とハコニワリリィの「キョリ感」をキュートに歌唱。そして昨年夏川の主催イベント「CONNECT LITTLE PARADE 2022」で競演したhalcaの「君だけ」と、monaの「17歳」を天真爛漫に届けた。ここで夏川は「“恋”メドレーなのに、あの人の曲がないのかっていう!」と話を切り出し、「これからこのステージ上で行われることはレギュレーション違反です」と宣言。「みんなで愛を叫びましょう!」とヒヨコ群を煽り、ピンク色の法被とペンライトを装備した。麻倉ももの「Fanfare!!」の音源が流れると、夏川はここぞとばかりにすさまじい勢いでペンライトを振り回してキレのあるオタ芸を披露。この曲では麻倉のファンに徹してヒヨコ群を先導し、会場に割れんばかりの“MOMOコール”を巻き起こす。さらに「伝えよう! 大好き!」と愛をぶちまけた夏川は、「ももちゃん! ももちゃん!」とこの会場にいないはずの麻倉の名前を叫び、「私にはももちゃんが見えました。あのへんにももちゃんがいる」と客席に向かって手を振った。
“ひとりミュージックレインフェスティバル”を心ゆくまで楽しんだ夏川は、事務所のパソコンの中から「ボツ演出案 参考映像」というファイルを見つける。「何?」と夏川がファイル名をクリックすると、「エントリーナンバー417、千葉県出身、14歳の夏川椎菜です。戸松遥さんの『Baby Baby Love』を歌います」という音声が会場に流れた。夏川は「昔のオーディション映像が……! 何しようとしてたの! 油断も隙もないんだから」と慌てふためきながらも、「10年前の映像かあ。懐かしいな。この頃は何もできなくて歌も下手くそだったし。合格できたのは奇跡だよね」と感慨深げ。そして「今の夏川で聴いてもらおうかな! アーティスト番号0007、千葉県出身、26歳、ミュージックレインの夏川椎菜です。戸松遥さんの『Baby Baby Love』を歌います」とオーディションを再現し、思い入れのある楽曲「Baby Baby Love」を生き生きと歌い上げた。
最後に夏川は「皆さん、研修生役お疲れ様でした! 『417の日』、今年も無事開催できてよかったです。本当にありがとうございます」と挨拶し、「ミュージックレインのスタッフさんたちもたくさん動いてくれて協力してくれて、『面白いね』と言ってくれたので、やってよかったなと思いました」とコメント。そして「『ミュージックレインフェスティバル2022』は中止になってしまったんですけど、また機会があったら、ミュージックレインのアーティストさんってすごい人たちばかりなのでヒヨコ群の皆さんに観てほしいなと思います。スフィアさんのファンの方々とか、皆さんが一堂に集まるわけですから、皆さんに夏川のことも知ってもらいたいなと思っています。ミュージックレインがこれからもたくさんの人に愛されたら、夏川もうれしいです」と声を弾ませたあと、「夏川としては今日のこの公演を観て、皆さんがヒヨコ軍兼ミュージックレイン箱推しになってくれたらうれしいなと思います!」とミュージックレイン愛を述べてイベントを締めくくった。
夏川椎菜「LAWSON presents 令和5年度 417の日」2023年4月17日 市原市市民会館 セットリスト
01. HIGH POWERED(スフィア)
02. クラクトリトルプライド(夏川椎菜)
03. black hole(寿美菜子)
04. プライド革命(CHICO with HoneyWorks)
05. オリオンとスパンコール(豊崎愛生)
06. 月下儚美(月のテンペスト)
07. MOON SIGNAL(スフィア)
08. 月のなみだ(高垣彩陽)
09. 月灯り(雨宮天)
10. センパイ。(HoneyWorks meets TrySail)
11. キョリ感(ハコニワリリィ)
12. 君だけ(halca)
13. 17歳(mona)
14. Fanfare!!(麻倉もも)
15. Baby Baby Love(戸松遥)