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NUANCE、神奈川県民ホールを“HOME”に!4人のお嬢様が繰り広げた熱く華やかな演奏会

「NUANCE HALL ONEMANLIVE "HOME"」の様子。
1年以上前2023年04月26日 13:03

NUANCEのワンマンライブ「NUANCE HALL ONEMANLIVE "HOME"」が4月22日に神奈川・神奈川県民ホールで開催された。

NUANCEは2017年に結成された神奈川・横浜発のアイドルユニット。横浜の商店街のイベントに出演したり、横浜の街を表現した曲を歌ったりと、地元との結び付きが強いローカルアイドルながら、サウンドプロデューサーの佐藤嘉風が生み出すポップかつエッジの効いた音楽や、エンタテインメント性の強いライブなど、独創性にあふれた活動が特徴だ。そんな彼女たちにとって神奈川県民ホールは憧れのステージであると同時に、過去最大規模のワンマン会場。NUANCEは昨年4月に新メンバー3人を迎え、その後12月に現在の4人体制になったばかりだが、この会場を“HOME”と銘打ち、今回も演劇パートを挟みつつの生バンドパフォーマンスを届けるという、こだわりの詰まったライブで観る者を楽しませた。

ライブを通して描かれたのは、“ドリーヌュ号”で世界中に音楽を届ける航海をするお嬢様4人が“HOME”である横浜に凱旋する物語。神奈川県民ホールのロビーではその空間を彼女たちが散らかした部屋に見立て、過去の衣装をはじめとするNUANCEのこれまでの活動における思い出の品々が展示された。ステージ上には横浜中華街を連想させる中国打楽器の銅鑼を中心にバンドメンバーの楽器が左右に広く並び、その前に置かれたソファや冷蔵庫、4つのドア、頭上で絢爛に輝くシャンデリアが、この場所がお嬢様たちの“HOME”の屋敷であることを表していた。

開演時刻を過ぎると、まずは俳優の近藤茶が演じる屋敷の案内人ならぬ“アヌュナイ人”が、芸人の寺田寛明とオジマアロー(ぎょねこ)扮する新米“アヌュナイ人”とともに観客の前に登場した。“アヌュナイ人”は観客と一緒に「おかえり!」と叫び、扉の中から現れる川井わか、蓮水恭美、稀咲妃菜、汐崎初音のお嬢様4人を迎えると、オルゴールの音色に合わせて1曲目「白昼ブランコ」を歌い始める彼女たちを優しく見守りつつ、「お待たせしました。いよいよ始まります! 『NUANCE HALL ONEMANLIVE "HOME"』」と宣言。U(Dr)、石川智(Per)、円山天使(G)、HIDEROW(Per, Tp)、ケイコローズ(Key)、前田サラ(Sax)、鈴木敬(Dr / Bentham)、辻怜次(B / Bentham)、しんいちろう(G)といった大所帯のバンドがアンサンブルを奏でる中、NUANCEは「Hello Hello Hello and Good bye」と繰り返し響かせたあと、ブギー調のナンバー「ルカルカ」で場内のテンションを一気に引き上げた。

目が覚めるようなトランペットとサックスの音色でスタートしたのは「ナナイロナミダ」。メンバーは観客を巻き込んでシンガロングを繰り広げ、ホール全体の空気を掌握するような力強いステージングを見せる。さらに代表曲の1つ「セツナシンドローム」や、横浜を舞台にした切ないラブソング「sekisyo」などがノンストップで畳みかけられ、4人の鮮やかな歌声とバンドが生み出す色とりどりの音色とともに会場が心地よい高揚感で満たされていった。

その後、お嬢様たちは“アヌュナイ人”に急かされつつ、演奏会のために“特急 元町・中華街行き”に乗車し、元町・中華街駅へ。ベージュから紺の衣装へと着替えた4人は疾走感あふれるサウンドに乗って、この公演のイメージソングであるポップなナンバー「特急 元町・中華街行き27分」を歌い、電車が発進するように1列になってステージ上を左右に往復。横浜の港を飛ぶカモメの姿を想起させる「KaMoMe」を経て、横浜中華街を題材にした「Ocha cha cha chinatown」を披露し、演劇のストーリーとリンクしたパフォーマンスを届けていく。「愛のパワー」と連呼するパワフルなナンバー「I know power」では、メンバーがボディビルのポーズのような振付を観客にレクチャー。オリジナル音源以上にロックなサウンドを奏でるバンドも含めて、会場全体に熱気と一体感をみなぎらせると、その流れを止めることなく、椅子を活用した振付が見どころの「ピオニー」、観客と一緒になって腕を掲げる「sky balloon」と続け、緩急の効いた幅広い表現力を見せつけた。

ライブ中盤に展開されたのは、新米“アヌュナイ人”の2人とお嬢様たちによるコント。メンバー1人ひとりをフィーチャーしたネタでホール内が笑いで包まれ、MCを挟まない怒涛のライブによってヒートアップしていた会場の空気が一旦穏やかになるも、純白の衣装にチェンジしたNUANCEがパフォーマンスを再開させると、再び客席に興奮が渦巻く。グルーヴィなファンクサウンドにアレンジされた「under the moon」を皮切りに、アッパーチューン「FlatRat」や、ジャズのテイストが漂うサウンドにラップを乗せた「ハーバームーン」が間髪をいれずに披露されるという、息もつかせぬ展開に観客は夢中に。「雨粒」では神秘的に光るシャンデリアの下、メンバーがステージ中央のソファに腰掛ける。ボサノバ風のアコースティックサウンドをバックにしっとりとした歌声を響かせたかと思えば、4人は曲の中盤からバンドの轟音に包まれながら迫真の歌とダンスを披露。その勢いを保ったまま「highlight」「last a way」を情感たっぷりに歌い上げた。

三三七拍子を挟んだリズム、妃菜が鳴らすヴィブラスラップなどがお祭り騒ぎのようなムードを作り出す「カレハ舞ウ」の間奏では、メンバーがステージ前方に置かれたターンテーブルの上へ。回転するメンバーに向けて新米“アヌュナイ人”の2人が左右から花吹雪を舞わせ、ライブを華やかに彩った。さらにキラーチューンである「タイムマジックロンリー」「ミライサーカス」が連続でパフォーマンスされ、場内の盛り上がりは最高潮に。4人がバンドメンバーや“アヌュナイ人”役の3人を紹介した流れで「そして最後は、今日来てくれたお客さん!」と笑顔弾けさせながら叫ぶと、きらびやかな銀テープが客席に降り注いだ。

盛大な演奏会を終えたお嬢様たちは、屋敷のソファでテンション高く乾杯し、夜遅くに大はしゃぎ。落ち着く気配のない騒ぎに堪忍袋の緒を切らした“アヌュナイ人”から説教を受けたあと、1人ひとりドアを開け、自分の部屋に戻って眠りについた。しかし、屋敷全体が寝静まったことを表すように照明が暗転すると、4人はドアからの向こうからそっと姿を現し、「wish」を歌い始める。観客がステージ上に広がる光景に見とれ、感動的なムードに浸る中、続いて初期曲「Love chocolate?」も歌唱。バンドを除くメンバー4人のみの編成で優しい歌声を響かせた。

曲が終わると4人は再びドアの向こうへと姿を消し、華やかに繰り広げられた“ドリーヌュ号”とお嬢様たちの物語はここでひと区切り。NUACEは開演から2時間以上が経ったタイミングでこのライブ初のMCを始め、観客に感謝の思いを伝えつつ、1人ひとり感想を口にする。昨年4月に恭美、妃菜とともにグループに加入した初音は「みんなに支えられて今日までがんばってこれたから、うれしい……」と涙で頬を濡らした。初音からもらい泣きした妃菜は「こんなに大きなホールに立てるなんて、何年か前の自分は想像してなかったので、もう人生終わってもいいやってくらい幸せ(笑)。本当に幸せです」と胸に広がる充実感を噛み締めつつ「もっともっとビッグになりたいので、いろんなところに行きたいので、一緒についてきてください!」と観客に呼びかけ、恭美は涙を堪えながらも「大きなステージで歌うことが夢だったんですけど、今日その夢が叶いました。でも、ここに立って、もっと夢ができました。みんなの顔を見ていたら、恭美がここに立つだけじゃなく、みんなを幸せにしたい、みんなの夢を叶えたいと思いました」と柔らかな笑顔を見せた。

4人の中で唯一のオリジナルメンバーであるわかは「ただがむしゃらに走ってきた日々とか、何気ない時間とかも、今日につながってたんだって、振り返って気付くことができました」と感慨深い様子で言葉を紡ぐと、卒業していったメンバーの名前も口に出して仲間への感謝の思いを言葉に。彼女が「今日ここに立つって決断した自分に、ナイス!って言ってあげたいなと思います」と話すと、その姿を称えるように温かな拍手がこだました。

挨拶を終え、再びバンドメンバーをステージに迎え入れたNUANCEは、最後にもう1曲披露。客席通路に降り、ファンと笑顔で視線を送り合いながら「君待ち商店街」を歌唱した。全27曲におよぶ壮大なライブをやり遂げ、惜しみない拍手と歓声を贈られた4人は、ライブの出演者たちと横1列になって手をつなぎ、客席に向かっておじぎ。なぜかメンバーではなく、オジマアローが感極まって涙するひと幕に場内の空気が和んだが、それほどに大きな充足感がステージと客席の双方に満ちていた。

NUANCE「NUANCE HALL ONEMANLIVE "HOME"」2023年4月22日 神奈川県民ホール セットリスト

01. 白昼ブランコ
02. ルカルカ
03. ナナイロナミダ
04. テキーラサンライズ
05. セツナシンドローム
06. ai-oi
07. sekisyo
08. サーカスの来ない街
09. 特急 元町・中華街行き27分
10. KaMoMe
11. Ocha cha cha chinatown
12. I know power
13. ピオニー
14. sky balloon
15. under the moon
16. FlatRat
17. sanzan
18. ハーバームーン
19. 雨粒
20. highlight
21. last a way
22. カレハ舞ウ
23. タイムマジックロンリー
24. ミライサーカス
25. wish
26. Love chocolate?
27. 君まち商店街

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