mayuのニューシングル「むさぼる / カラフル」が本日4月28日に配信リリースされた。
前作から3年3カ月ぶりの新作となる「むさぼる / カラフル」は、ポップにオルタナティブな要素が加わった、mayuの新しい一面を感じさせるバンドサウンドの作品。んoonのベーシスト・積島直人が編曲およびプロデュースを担当し、レコーディング、ミキシングはKikagaku Moyo、ツバメスタジオの君島結が手がけた。
mayu「むさぼる / カラフル」収録曲
01. むさぼる
02. カラフル
積島直人(んoon)コメント
私は、普段Amazonで猫関係の服を買い漁りながら、んoonというバンドで詩や曲を書きベースを弾いている。ある日、いつもの通り「猫柄 つなぎ」といったキーワードでAmazonを徘徊していると、突然mayu氏から、編曲の依頼をしたいという丁寧な長文のテキストとともに、二曲のデモと歌詞がおくられてきた。
ファイルを開くと、そこには雰囲気偏重の造語で構文がグリッチした歌詞と、それらを絶妙にマスキングするような掠れた肌理をもった歌が入ってた。端的に言うと、丁寧な依頼メールに比して、詩と音の組み合わせがちょっと変だった。
そして不思議なもので、少しの変さの疑惑はどんどんと大きくなり、曲のすべてが変に支配されたように思えてきた。
そんなこんなで今回(そもそも自分にとってほぼ初めてのことだが)の編曲のテーマは変となった。※「編曲は変曲である」といったシグルイ風の語呂合わせは冗談は断固として書かない。
ただ、取り掛かるうちに発覚するのだが、この変というキーワードは往々にして中々にややこしいものだった。
基本的に他者から指摘されて、初めて気づく領域=変を、曲中に構造的に仕掛けに組み込めるかというと、結果的に不可能だった。
自分の変さがどのように変かがわからないからだ。猫柄のつなぎを検索しているのは猫が好きで、好きな猫柄のつなぎをライブで着たいからであって猫柄のつなぎを着ることが変と思われるからではない。この構造はおそらくはmayu氏も同じで、自分の詩や曲が変だとは思っていないだろう。
となると、最終的にどうなったか。結局、お互い自分を変と思ってない同士、当たり障りなくそれぞれ変さを眺めながら、精一杯音楽を通してやり取りを行うという方式により、変の変さをメタ構造として担保するという形に収まった。
多分そんな視(聴)点で聴いていただけると幸いです。