常日頃よりゼロからイチを生み出す作業に従事しているアーティストたち。そんな彼らにとって創作の源になっているものとはなんだろう? そんな疑問を探る本コラム。第3回では作詞家、プロデューサーとして活躍するいしわたり淳治に、長年の“創作のお供”を紹介してもらった。
音楽制作において欠かせない、あなたの「創作のお供」は?
「Rollbahn」ポケット付きメモLと「FRIXION BALL Slim 0.38(Blue)」。
いつから愛用 / 活用していますか?
かれこれ10年以上はこのセットを持ち歩いている。棚に使い終わったこのノートがずらりと並んでいて、読み返すと自分の歴史のよう。黄色の紙に印刷された0.5mmの方眼が、文章もイラストも図も描き込みやすく、ページを切り離すのも容易で、とにかく使い勝手がよく、便利。気分で表紙の色を変えるのも楽しい。思いついたことや教えてもらった美味しい店や新しく知った知識や仕事の打ち合わせのメモまで何でも書き込んで使っている。
ペンは色々試したけれど、結局このペンがいちばん扱いやすく、インクの色は青がベスト(黒のインクで書いた文字は後から読み返したときになぜか少しどれもつまらない文章に感じてしまうから不思議)。
その「創作のお供」に向けてひと言伝えるとしたら?
気に入っているので廃番にならないでください。
音楽制作(レコーディング、作詞、作曲、編曲 etc.)において一番大切にしていることを教えてください。
音楽を作るために日々を暮らすのではなく、自然に日々を暮らしている中に音楽を作る時間がある、という姿勢は大切にしています。あくまで一人のごく普通の人間として、何を感じて、それをどう表現するか、みたいな部分が大切なことだと思うので。
いしわたり淳治
1977年生まれ、青森県出身の作詞家 / 音楽プロデューサー / 作家。1997年にロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビューし、全楽曲の作詞を担当する。2005年のバンド解散後は、Superfly、Little Glee Monster、SMAP、関ジャニ∞、矢沢永吉らの作詞、チャットモンチー、9mm Parabellum Bullet、flumpool、ねごと、NICO Touches the Walls、GLIM SPANKYらのプロデュースを手がける。現在までに700曲以上の楽曲制作に携わり、数々の映画、ドラマ、アニメの主題歌も制作。執筆活動も行っており、著作に20万部発行の短編小説集「うれしい悲鳴をあげてくれ」、エッセイ「次の突き当たりをまっすぐ」「言葉にできない想いは本当にあるのか」がある。2021年からは新ユニット・THE BLACKBANDのメンバーとしても活動中。