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Creepy Nutsと竹原ピストルがツーマン、“東京ドームの地下”で熱演繰り広げる

Creepy Nutsと竹原ピストル。(撮影:高田梓)
2年以上前2023年05月13日 4:06

Creepy Nutsと竹原ピストルのツーマンライブ「ライブナタリー “Creepy Nuts × 竹原ピストル”」が5月10日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催された。

Creepy Nutsと竹原はイベントで共演経験はあるものの、ツーマンライブを行うのは「ライブナタリー」が初。2組の記念すべき初ツーマンを観ようと TOKYO DOME CITY HALLには双方のファンが集まり、その多くが福本伸行描き下ろしのイラストを使用したオリジナルグッズを身に着けていた。竹原もそのうちの1人で、オリジナルTシャツを着てステージに現れると「弾き語りですので座ってのんびり聴いてください」と、興奮のあまり立ち上がったオーディエンスに優しく声をかける。準備を整えた竹原は「おーい!おーい!!」でライブを開始。地面を踏みしめながら「LIVE IN 和歌山」をエネルギッシュに弾き語ると、オーディエンスはその気迫あふれる演奏にじっと耳を傾けていた。静けさをたたえた雰囲気から一転、血気盛んな「みんな~、やってるか!」では景気のいいムードがホール中を満たした。チューニングをし、タオルで額の汗を拭った竹原は「ポツンとした寂しげな曲です」と前置きして野狐禅「カモメ」をセルフカバー。「あっかんべ、だぜ故郷」では繊細かつ力強いアコギの音色に、シリアスなポエトリーリーディングを重ねた。

吉田拓郎への尊敬の念を込めて「落陽」をカバーしたのち、竹原がハーモニカを吹き鳴らすと、勘の鋭いファンから歓喜の声が。そんな期待の声に「プレッシャーだな」と反応しながらも、竹原は「Amazing Grace」でダイナミックな歌声を轟かせ、観客の心を震わせた。続いて、この時期ぴったりの春の歌「東京一年生」「全て身に覚えのある痛みだろう?」が畳みかけられると、温かなムードがホール全体を包み込んだ。

ライブ終盤に披露されたのは、20年近く前、竹原自身が“東京一年生”だった当時のことを綴ったという「例えばヒロ、お前がそうだったように」。強烈なメッセージとストイックな演奏が観る者の心を大きく揺さぶった。パフォーマンスの余韻に浸るオーディエンスを前に竹原は「普段のらりくらりと歌っている人間ですから、自分がどこを歩いてるかわからなくなってしまうんですけど、Creepy Nutsさんとのライブとか、先々の予定が入っていると安心できるんですよね。またCreepy Nutsさんと共演できるよう、正しい方向に歩いて行けるようにがんばっていきます」と宣言。「噂が間違っていなければ、次の曲はCreepy Nutsのお二人が気に入ってくれているみたいなんですけど、違ってたら恥ずかしいな」と照れ笑いしつつ、「カウント10」でパワーみなぎる歌声を放ち、最後は自身が最近書いたという未発表のポエム「アンチヒーロー」で出番を終えた。

Creepy Nutsのライブは近年の楽曲を多数盛り込んだセットリストで進行。街のざわめき、扉がきしむ音が織り交ぜられたSEが流れたあと、アッパーチューン「2way nice guy」が華やかな幕開けを飾る。竹原とは対照的にR-指定が「俺らのライブは全身で楽しんでください」と煽ると、オーディエンスは心地よさそうに体を揺らした。ライブ定番の「よふかしのうた」では観客が一斉にハンズアップする中、「ナタリーに手を引かれて出向いた東京ドームの地下」というこの日ならではのリリックがR-指定から放たれると、場内はさらなる盛り上がりを見せた。

以前、竹原のライブを観て強い衝撃を受けたというCreepy Nuts。R-指定は「福岡の四次元でご一緒させていただいて、2人とも無言のまま福岡の街を4周くらいしたよな」、DJ 松永は「竹原さんのライブは食らったよな。語彙をなくす体験だった。Rが『日本語っておもろいな……』って言ってて」としみじみと語った。気合いを入れ直すかのように腕まくりをしたR-指定は、自身のラップスタイルを表現した「耳無し芳一Style」で不穏なトラックに乗せて矢継ぎ早にラップ。己のスキルを遺憾なく発揮したあと、今度は、DJの世界大会「DMC WORLD DJ CHAMPIONSHIP FINALS 2019」バトル部門で優勝経験のあるDJ 松永が卓説したプレイを見せつけた。クールなダンスチューン「dawn」や、ストーリー性のある「友人A」などバラエティ豊かな楽曲が次々とパフォーマンスされる中、場内ではファンの声援がそこかしこで飛び交う。R-指定とDJ 松永は観客の声出し解禁の喜びを噛み締めつつ、「かつて天才だった俺たちへ」や「のびしろ」といった代表曲も惜しみなく披露。終盤のMCでは竹原のポエム「アンチヒーロー」に言及し、R-指定が「ここはあえて同じラッパーという目線で言わせてください。あんなヤバいバースかまされたらうずきますよ」と絶賛した。竹原のパフォーマンスにまたしても大きな刺激を受けた2人は、ラストソング「生業」でCreepy Nutsの生き様をステージに刻みつけた。

ナタリーストアでは5月17日までイベントグッズが販売されている。

「ライブナタリー “Creepy Nuts × 竹原ピストル”」2023年5月10日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

竹原ピストル

01. おーい!おーい!!
02. LIVE IN 和歌山
03. ギラギラなやつをまだ持ってる
04. みんな~、やってるか!
05. カモメ
06. あっかんべ、だぜ故郷
07. 落陽(原曲:吉田拓郎)
08. Amazing Grace
09. 東京一年生
10. 全て身に覚えのある痛みだろう?
11. あ。っという間はあるさ
12. 例えばヒロ、お前がそうだったように
13. Forever Young
14. カウント10
15. アンチヒーロー(朗読)

Creepy Nuts

01. 2way nice guy
02. 堕天
03. よふかしのうた
04. 耳無し芳一Style
05. dawn
06. 友人A
07. Madman
08. 15才
09. かつて天才だった俺たちへ
10. サントラ
11. Bad Orangez
12. のびしろ
13. 生業

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