佐久間宣行プロデュースのアイドルグループ・ラフ×ラフの2ndワンマンライブが、8月11日に東京・品川インターシティーホールで開催された。ライブは昼夜2公演で、昼公演はトークを中心にした「9revengeリリースライブ~9人をもっと知ろう~」、夜公演はライブパフォーマンス中心の「ラフ×ラフ サマーリベンジ2023~真夏の大逆転祭り~」。メンバー9人はコントあり大喜利ありのにぎやかなステージを繰り広げ、ラフり隊(ラフ×ラフファンの呼称)を楽しませた。
昼公演「9revengeリリースライブ~9人をもっと知ろう~」ではメンバーそれぞれが担当カラーをあしらった浴衣姿で登場。普段はペンライトを持って歌う「9revenge」を浴衣に合わせた“扇子バージョン”で披露し、冒頭からスペシャルなパフォーマンスで会場を沸かせた。昼公演はこのあとも特別仕様が盛りだくさん。曲中に出題される大喜利にメンバーが即興で答えていく異色のナンバー「考える時間をください」も“カミングアウトバージョン”となり、曲中にはトークも展開された。「実はメンバーやスタッフに隠していた!私のヤバイ秘密とは?」というお題に対し、日比野芽奈が「私のケータイに入っている集合写真を自分だけ加工して投稿したことがあります」と告白すると、ほかのメンバー8人は騒然。齋藤有紗は「『R-1』に失敗して、そのままサンマルクカフェで30分1人で号泣しました」と「R-1グランプリ2023」予選敗退の裏側を明かした。続いての企画コーナー「YouTubeオモシロ顔選手権」ではスタッフがラフ×ラフのYouTubeから選りすぐったメンバーの面白い顔がランキング形式で発表され、藤崎未来の「激辛料理に驚いてコロッケさんになった時の顔」が1位に。バラエティ色の強い昼公演だったが、最後は「ワタシイロ光る」がアコースティックバージョンで披露され、さわやかに締めくくられた。
今年4月に行われた1stワンマンライブでは、開演直前に注意事項をアナウンスする影ナレの時間も「影ナレ選手権」と題して大喜利に挑んだラフ×ラフだったが、夜公演「ラフ×ラフ サマーリベンジ2023~真夏の大逆転祭り~」の影ナレではリーダー齋藤が「本当なら影ナレ選手権をやるはずだったんですが、本番前みんながテンパりすぎてなくなりました! すみません!」とアナウンス。異例の謝罪からスタートした夜公演は昼公演と同じく「9revenge」で幕を開け、9人はペンライトを持って激しく踊る本来のパフォーマンススタイルを披露した。続いて歌われたのは新曲「ラズベリーサイダー」。ラップを取り入れた新機軸のナンバーで、メンバーはラッパーのような仕草でフロアを煽った。
1stワンマンを終えたあとはさまざまなイベントに出演し、この夏には国内最大級のアイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIVAL」への初出場を果たしたラフ×ラフ。自己紹介を挟んで歌われたのは、「TIF」で初披露されたラフ×ラフ初のサマーチューン「サバ☆サマ!」だ。「TIF」でも多くのアイドルファンを騒然とさせた大喜利曲「考える時間をください」では「みんなが反対した3rdライブのタイトルは?」「嘘でいいのでお客さんを盛り上げてください」「ファンに大口叩いてください」の3題が出題され、9人はテンパりながらも必死に回答を導き出した。その後デビュー時の衣装に着替えたラフ×ラフは、佐久間プロデューサーが出演したミュージックビデオも話題の1stシングル「100億点」、ラフ×ラフのオーディション選考も務めた構成作家のオークラが作詞した「ちょっと闇落ち」とクールなナンバーを2曲連続で披露した。
デビューから半年足らずでまだまだオリジナル楽曲の少ない彼女たち。ライブ中盤には企画コーナーの時間が15分用意され、この時間に何をやるかは事前にメンバーによるプレゼン企画により決定された。9人のプレゼンの中から採用されたのは、リーダー齋藤自ら脚本に挑戦したオリジナルの長尺コント「敗者復活地獄オーディション」。齋藤扮する閻魔様と藤崎演じる赤鬼、夏目涼風演じる青鬼が、天国行きを望むアイドル6人を審査するという内容で、死んだアイドルたちは閻魔様を笑わせることができれば天国へ行くことができる。地獄オーディションに連行された日比野、高梨結、永松波留、林未梨、佐々木楓菜、吉村萌南が閻魔様が出す大喜利のお題に答えることに。閻魔様の笑いのジャッジは厳しく、皆ことごとく地獄に落とされるが、メルヘンな回答で閻魔様の顔をほころばせた吉村のみ天国へ。納得のいかないアイドルたちは徒党を組み、「ニッポン放送の賞レース2回戦で敗退してるお前がお笑いを語るなー!」という日比野の手痛いひと言で閻魔様を撃退。アイドルとして転生した6人と更生した閻魔様と鬼たちによって結成されたのがラフ×ラフだった、という奇妙なオチでコントは終了した。
コントを挟んでのライブ後半は、歌いながらさまざまな問題を解いていく佐久間プロデューサー考案の“テストソング”「君がNo.1」からスタートした。曲中、ステージ背後のスクリーンに「この読み方を答えよ『御御御付け』」「次の単語の意味を答えよ『church』」とクイズが出題され、メンバーがその場で答えるという即興性と知性が問われる楽曲だが、ここではYouTubeでもバカ回答を連発している夏目が大活躍。「始まるまでは『当たっちゃったらどうしよう』と思って逆に心配してたんですけど、こんなのわかるわけないじゃん!」と安定したバカっぷりでラフり隊を笑わせた。
さらにこの日はもう1曲、初披露の新曲が用意されていた。それはメンバー9人がそれぞれ自分の過去と未来に宛てた手紙をもとに作詞されたバラード「Re:Myself」。ラフ×ラフのメンバーオーディションに参加したことで大ききく変わった運命、ネガティブな思いを抱えていたそれまでの自分、ラフ×ラフとしての歩みを始めた今見据える未来図。9人の思いがちりばめられた歌詞をメロディに乗せて歌ううち、メンバーの目には自然と涙があふれた。パフォーマンス前のVTRの時点で号泣していた佐々木は「こうやって9人で集まれたことがホントに奇跡だなって思って……みんなの前で歌えてうれしいな、幸せだなって思いました」と声を震わせた。
最後は「ワタシイロ光る」でさわやかに締めくくられ、ライブは終了となったが、フロアからはすぐに「ラフ×ラフ!」とアンコールを求める声が上がる。これを受けて再登場したラフ×ラフはモータウン調の軽快なナンバー「laughing!」をパフォーマンス。そして1人ひとり、2ndワンマンを終えた感想を伝えていく。リーダー齋藤は大勢のラフり隊が集まるフロアを見渡しながら「この景色が見れていることに幸せを感じています。きっとこのメンバーとラフり隊の皆さんじゃなかったらこんな気持ちにならないんだろうなと思うと、メンバーにもラフり隊さんにも出会えてうれしいなって改めて実感しました」と思いを述べつつ「個人的にうれしかったことは、佐久間さんにコントを褒められたことです。『でも長いけどな』って言われましたけど」と大喜び。「佐久間さんを武道館に連れていくまで、地道に駆け抜けていきたいと思います」と、1stワンマンで立てた目標「日本武道館で佐久間Pと一緒に『100億点』を踊る」に向け改めて誓いを立てた。
コメントを終えると齋藤は突然、「サヨナラ!」と1人ステージを離れてしまう。戸惑うメンバーをよそに、齋藤は手紙を手にして再登場。1stワンマンでメンバーからもらった“表彰状”へのお返しに手紙を書いてきたという。齋藤は「ちょうどラフ×ラフのオーディションから1年くらいが経つけど、こんなに仲よくなれて、お互いを応援し合えるグループになれたことが本当にうれしいなと思っています。これからもみんなの夢が叶えられるようにがんばっていこうね。本当に1人ひとりが大好きです。いつもありがとう」と全員へ向けた手紙をその場で読み上げ、1人ひとりに宛てた手紙を手渡した。メンバー皆が涙に濡れて収拾がつかなくなり、齋藤は「あの人を呼ぶしかない! あの『まつも to なかい』にも出演したお笑いの鬼才・佐久間宣行さんでーす!」と佐久間を呼び込む。「嘘だろ!? あ? いやいや嘘だろ! 待ってくれよ」とボヤきながらステージに現れた佐久間は「お前ら今日で解散するの? 信じらんないくらい泣いてるんだけど」とメンバーをイジりつつも、「面と向かっては言えないからお客さんのほうを向いて言いますけど、ずいぶんパフォーマンス力も上がって、あと何よりかわいく仲よくなって」とメンバーを評価。そして「俺も早く武道館で『100億点』踊りたいんで。正直テレビで『100億点』を踊ってというオファーは4、5回来てるけど全部断ってるの。それはお前らと武道館で踊るためだから。(客席に向けて)皆さんが俺を武道館に連れてってくださいよ」と発破をかけた。佐久間に背中を押された9人は最後にもう一度、本編で歌われた新曲「Re:Myself」を披露。満面の笑顔でステージを終えた。
なおこの公演は当日生配信されており、Rakuten TVでは8月18日23:59まで昼夜2公演のアーカイブ映像が視聴できる。
ラフ×ラフ 2ndワンマンライブ 夜公演「ラフ×ラフ サマーリベンジ2023~真夏の大逆転祭り~」2023年8月11日 品川インターシティーホール セットリスト
01. 9revenge
02. ラズベリーサイダー
03. サバ☆サマ!
04. 考える時間をください
05. 100億点
06. ちょっと闇落ち
~コント「敗者復活地獄オーディション」
07. 君がNo.1
08. Re:Myself
09. ワタシイロ光る
<アンコール>
10. laughing!
11. Re:Myself