山口冨士夫が“山口冨士夫グループ”としてバンド活動を再開した1983年の未発表のライブ音源を収めたライブアルバム「渋谷屋根裏 1983」が9月13日にリリースされる。
山口は1967年にザ・ダイナマイツのギタリストとしてデビュー。1969年に村八分を結成し、日本のロックシーンに多大な影響を与えた。1980年代初頭には裸のラリーズに一時在籍し、1989年にTEARDROPSとしてメジャーデビュー。TEARDROPS解散後はソロ活動を展開していたが、2007年に体調を崩し、2013年8月に64歳でこの世を去った。今年で没後10年を迎えた。
山口冨士夫グループは山口、青木真一(ex. 村八分)、青木正行(ex. 外道)、小林秀弥(ex. TOO MUCH)からなるバンド。ライブアルバムには1983年4月に東京にあったライブハウス・渋谷屋根裏で行われたライブの音源が完全収録される。さらに同時期の未発表音源からカバーを中心にセレクトしたCDが同梱される。なおこの時期のライブ音源は2016年に発表されたライブアルバム「JUMP SO HIGH 1983-1986」に1曲が収録されたのみで、当時のライブ活動再開直後の演奏がまとまった作品は「渋谷屋根裏 1983」が初となる。
山口は渋谷屋根裏でのライブ前に「60年代後半から70年代の雰囲気で。みんなだって表面ばっかり舐めてきただろ? もっと深く行こうぜ」と発言。村八分などでの活動を経て、自身の好きなブルースやR&Bをバンドで深く追求することを示唆するこの言葉の通り、本作ではニューウェイブやフュージョンが主流の80年代において時代錯誤とも言えるスタイルのバンド演奏を楽しめる。披露曲は当時リリースされたばかりのEP「RIDE ON!」の4曲、1stソロアルバム「ひまつぶし」から2曲、山口が愛したソウルシンガーのオーティス・レディング「That's How Strong My Love Is」のカバー、マイク・ブルームフィールド&アル・クーパーによる「フィルモアの奇蹟」のアレンジを取り入れたレイ・チャールズ「Mary Ann」のカバーなどのほか、当時の新曲にしてライブでのみ演奏された未発表レゲエナンバー「雨だから」も収録される。さらにレゲエアーティストのピーター・トッシュによるカバーアレンジを採用した「Johnny B. Goode」、モダンブルースなアレンジでの「誰かおいらに」などを含む全22曲が2枚組CDに収められる。なお初回限定盤には未公開フォトを使用したポストカード3枚セットが付属する。
山口冨士夫「渋谷屋根裏 1983」収録曲
DISC 1
「1983年4月26日、渋谷屋根裏」
01. Rock Me
02. 酔いどれ天使
03. ひとつ
04. ブンブン
05. That's How Strong My Love Is
06. Mona
07. Mary Ann
08. No Song
09. Mustang Sally
10. Little Red Rooster
11. 雨だから
12. からかわないで
13. rock n roll medley
DISC 2
「1983年10月9日、千葉ダンシングマザース」
01. Johnny B Goode
02. In The Midnight Hour
03. Love Me Do
04. んッ!!
05. 誰かおいらに
「1983年12月30日、原宿クロコダイル」
06. Twist And Shout
07. Gloria
08. My Girl
09. Jump So High