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サニーデイ・サービスがダンスを披露、瀬戸内で撮影「メキシコの花嫁」含むカン松監督MV公開

ほりゆうじ「ジェラシー・オブ・カリビアン」ミュージックビデオより。
約1年前2023年09月01日 12:05

サニーデイ・サービスの楽曲「メキシコの花嫁」のミュージックビデオがYouTubeで公開された。

「メキシコの花嫁」は昨年11月にリリースされたアルバム「DOKI DOKI」の収録曲。MVの監督は現在公開中の映画「ドキュメント サニーデイ・サービス」と同じく、カンパニー松尾が手がけた。松尾によるサニーデイのMVは「ノー・ペンギン」「家を出ることの難しさ」に続いて3作目となる。

このMVは松尾がサニーデイのツアー密着中に惚れ込んだという姫路のシンガーソングライター・ほりゆうじの楽曲「PASSENGER~トイレを借りに来ただけの男~」「ジェラシー・オブ・カリビアン」のMVを含めた3部作のうちの1作。松尾が「setouchi hitomebore series(瀬戸内一目惚れシリーズ)」と呼ぶこれらの作品は瀬戸内の海辺で撮影されており、ほりを主人公にした淡い恋物語が描かれている。

「メキシコの花嫁」と「ジェラシー・オブ・カリビアン」のMVにはサニーデイの3人も出演し、ダンスを披露する。このシーンの撮影を曽我部恵一は「砂浜で、海辺のカフェの大きな窓ガラスに自分たちを映しながら踊りました。ここはもっとこう、などと言いながら、四人のおじさんたちは遅れてきた青春映画の中にいたようです」と振り返っている。

なおサニーデイは明日9月2日より全国ツアー「サニーデイ・サービス TOUR 2023 第2部」を開催する。

曽我部恵一 コメント

こんにちは、曽我部です。

カンパニー松尾監督によるMV三部作<setouchi hitomebore series(瀬戸内一目惚れシリーズ)>が公開になりました。

松尾監督の思いが横溢するこの三部作は、ぼくらの「メキシコの花嫁」に加え、友人のシンガーほりゆうじくんの「ジェラシー・オブ・カリビアン」と「PASSENGER~トイレを借りに来ただけの男~」からなるものです。
内容は観ていただくとして、どんなふうにこの作品が出来上がったか、少しだけ綴らせてください。ぼく自身の備忘録としても。

ある日、ハマジム(監督の制作会社)のオフィスで松尾監督が「サニーデイの『メキシコの花嫁』のMVを撮りましょう」とぼくに言いました。
「いいですね。撮りましょう撮りましょう」とぼくが返すと、次に監督は少々小声になって真面目な顔で「で、実はですね」と、これは誰にも言ってないすごい儲け話があるのです、というような調子で言ってくるので、ぼくも真面目な顔になり、「はい…」と監督に顔を近づけたのです。

すると松尾監督は神妙な面持ちのまま、「でね、曽我部さん。この『メキシコの花嫁』と同じ予算とスケジュールと座組みでもう一本ほりゆうじさんの『ジェラシー・オブ・カリビアン』のMVが撮れるんです。撮れちゃうんです」とぼくの目を見つめておっしゃいました。
ぼくは最後に付け加えられた「撮れちゃうんです」という言葉の静かな迫力に押され、「…はい!」と答えました。

松尾監督はサニーデイのドキュメンタリーの密着中に機材車の中で田中くんが爆音プレイするほりゆうじくんの最新作『FORMATION X』(このCDのライナーノーツは田中が書いています)に魅せられ、この姫路に住む40代シンガーソングライターの大ファンになっていたのです。
監督曰く、サニーデイとほりくんがどちらのMVにも出る2本の連作になるとのこと。初めての方法で、ぼくはワクワクしました。

そんなわけで瀬戸内ロケのスケジュールが決まっていきました。青い空と海と広い海岸線、それが監督の求めるところでした。あと、そう、かわいい女の子。
「女の子、どうするんですか?」と何気なく聞いてみると、監督はやっぱりプロっぽくない人を求めているようでした。

ある日、中国地方でのライブの帰り道にぼくの車に同乗していた監督が「この辺にロケで使えそうな本場メキシコっぽいタコス屋さんがあるから寄ってみます」と、街なかで車を降り、テクテクとそのお店まで一人で歩いて行きました。ぼくが車で待っていると、しばらくして監督が戻ってきました。
「なかなかいい雰囲気で、撮影もさせてくれそうです」
「よかったですね!」とぼく。
「でね、曽我部さん。店員さんでかわいい女の子がいたんですよ、ハーフでね。映像にも興味あるって言ってます。ちょっと一緒に観に行きませんか」
監督はなんとこの短時間にロケ場所に加え、主演の女の子もゲットしていたのです。カンパニー松尾の凄さを改めて思い知らされた夜でした。

撮影当日、その主演のレイナさんはとても素敵で、ビシッと決めたほりくん(撮影に向けて走り込みなんかをしたらしい!)もカッコよく、ぼくらもメキシコっぽい衣装に身を包んだり、ニセジョニーデップになってみたり、そしてなんと言っても最高のお天気で、思い返すとなんだか瀬戸内を舞台にした映画のワンシーンに自分がいたような錯覚を覚えます。

ダンスシーンがあるので、完璧に覚えてきたというほりくんにぼくら3人はレクチャーを受けました。
砂浜で、海辺のカフェの大きな窓ガラスに自分たちを映しながら踊りました。ここはもっとこう、などと言いながら、四人のおじさんたちは遅れてきた青春映画の中にいたようです。
そこにレイナさんが来て、5人全員で踊ってみると、やっぱりレイナさんのダンスのグルーヴは全然すごくって、おじさんたちは「お~~~~~~~」と低く感心したりして、少々いましろたかし先生の漫画の一場面のような感じの、純であけっぴろげな気持ちよさが全てを包んでいました。
すべてに松尾監督のマジックがかかったような1日でした。

そうそう、途中から2本の連作のはずだったMVは、いつの間にか「三部作」になるようでした。

そんなふうに出来上がったMV三部作<setouchi hitomebore series(瀬戸内一目惚れシリーズ)>です。
楽しんでいただけたら幸いです。

ps
カンパニー松尾監督作『ドキュメント サニーデイ・サービス』はまだまだ全国で公開中です。ぼくたちはと言えば、これからまた全国を回るツアーに出ます。
街のどこかで、会えたら嬉しいですね。

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