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斉藤朱夏、オーディエンスと“愛のやじるし”を向け合ったライブツアー終幕

斉藤朱夏(撮影:江藤はんな[SHERPA+])
約1年前2023年09月17日 14:07

斉藤朱夏が本日9月17日に神奈川・KT Zepp Yokohamaでライブツアー「朱演2023 LIVE HOUSE TOUR『愛のやじるし』」のファイナル公演を開催した。

斉藤は8月にリリースした3rdミニアルバム「愛してしまえば」を携えて、2019年11月に初のワンマンライブ「朱演 2019『くつひもの結び方』」を開催した“始まりの場所”である東京・Spotify O-EASTを皮切りに全国8カ所を回った。斉藤にとってこのツアーは、初のワンマンライブ以来、約4年ぶりとなる観客の声出しありの公演。赤い衣装を身にまとった斉藤がステージに姿を現し、「声、聞かせて」とオーディエンスに告げると、会場は大きな歓声に包まれた。

斉藤は2021年に作られたファンへのメッセージソング「声をきかせて」でライブをスタート。「出会ってくれてありがとう」という感謝のこもったフレーズにオーディエンスの声が重なり、相思相愛の互いへの思いが会場にあふれ返った。「横浜ついにツアーファイナルです! 今日もたくさん遊ぼうね!」と斉藤は笑顔を浮かべ、2019年の初のワンマンライブでも披露したデビューミニアルバムのリードトラック「くつひも」を当時と同じ2曲目に歌唱。4年間で一層研ぎ澄まされた歌声が伸びやかに響き渡った。

タオル回しによる壮観な景色が広がった「しゅしゅしゅ」を経て、披露されたのは「パパパ」。斉藤はアウトロでトランペットを手にするとキャッチーなメロディを1音1音大切に吹き、バンドメンバーと一緒に音楽を奏でた。斉藤は「今日はツアーファイナルですけど、たくさんの愛、朱夏にくれますか? 私もたくさんあげないとな。こんなにみんながいるから」とフロアを見渡す。そして「うれしいこと、楽しいこと、たくさん“はんぶんこ”していきましょう」と穏やかに述べ、カントリー調のナンバー「はんぶんこ」をアコースティックギターや鍵盤ハーモニカの音色に乗せて優しく歌い上げた。心地のいい空気が流れる中、斉藤はノスタルジックなメロディが印象的なナンバー「夏唄」で透明感のある歌声を響かせる。「セカイノハテ」では凛とした佇まいで「さあ一歩 切り拓いていけ」と力強いメッセージを観客に届けた。

全国8カ所を回ったツアーを振り返り、「たくさんの夏の思い出ができたんですけど、まだまだ思い出作りたいですよね?」と述べた斉藤。ここから彼女は間髪いれずにアッパーチューンを連投していった。「最強じゃん?」ではオーディエンスが全力で掛け声を飛ばし、「Your Way My Way」では斉藤の旗振りに合わせて一斉にジャンプ。さらに斉藤はピースサインを高々と掲げながら「月で星で太陽だ!」を晴れやかに歌い上げたあと、エネルギーを爆発させるように「イッパイアッテナ」を勢いよく披露した。

冒頭にドラの音が入っている「僕らはジーニアス」ではオーディエンス参加型のチャレンジ企画「ドラチャレ」を実施。オーディエンスから選ばれた2名がステージに上がり、ドラを持つ係と叩く係を担当するという企画だ。事前に観客に配布されている番号入りの用紙をもとにくじ引きが行われ、2名のチャレンジャーが舞台に登壇。オーディエンス全員の「僕らはジーニアス!」という掛け声を合図に、チャレンジャーは思い切りドラを叩き、「ジャーン!」という気持ちのいい音を響かせた。「僕らはジーニアス」をパワフルに歌い上げたあと、斉藤は「伝言愛歌」で好きな人に気持ちを伝えられない女の子の等身大の思いをキュートに表現。「no」というフレーズが連発するDメロではオーディエンスが一斉に手で“×”を形作り、「ゼンシンゼンレイ」では斉藤の「騒げー!」という言葉を合図にフロアが一層ヒートアップした。

「ベイビーテルミー」を元気いっぱいに届けたあと、斉藤が「楽しい時間はあっという間ということで……」と公演が終わりに近づいていることを告げると、ライブを終わらせないとばかりにフロアに“×”のマークが広がる。斉藤は「これも不思議とこのライブハウスツアーでできたものです。自然にできたコール&レスポンスだなと思います。たぶんきっとこれからもずっとやり続けるコール&レスポンスだよね。すごいな、本当に」と新たなサインの誕生に顔をほころばせた。「少し私の話をしてもいい?」と斉藤は話を切り出し、「実は数カ月前、ミニアルバムを出したりこのツアーを始める前に、私は歌と向き合うのがとても苦しかった時期がありました。歌と向き合うのが怖くて、『自分の歌ってなんだろう? 自分のステージってなんだろう?」と、とても苦しくて逃げたくなる瞬間がたくさんありました」と声をしぼり出す。さらに「私は自分の心の奥底にある気持ちを音楽に乗せて君にいつも届けています。だからこそ自分の気持ちをメロディに乗せて歌を歌ったときに、向き合い方がわからなくて、こんな状況で君と会うことができないなと思いました」と葛藤を明かしつつ、「けど、ミニアルバムがリリースされて、みんなが1曲1曲大切に聴いてくれました。ライブをしてみて、もともとあった楽曲、新しく生まれた5曲に対して、こうやって私は歌に向き合えばいいんだなと思いました。それに気付かせてくれたのは、ここにいる君です」とオーディエンスに感謝の思いをまっすぐに述べた。

「こんなにも夏の終わりを寂しいと思ったのは初めてかもしれません。まだまだ今年の夏、もっと続いていってほしい。寂しい。まだまだ君と遊びたい。そんな気持ちになれたのも、毎年君がたくさん遊んでくれるおかげです。来年も君と夏を一緒に過ごしたいんだけど、いい?」と観客に問いかけた斉藤。割れんばかりの大きな拍手を受けた彼女は「そのために私は未来に向かって、まっすぐ前を向いて走っていきたいと思います。強く笑えないこともあるかもしれないけど、君のために強く強く強く、これからも一緒に笑っていきましょう」と思いを伝え、「ひまわり」を歌唱した。オーディエンスの温かな合唱が響き渡ると、斉藤は「もっともっと聞かせて」と何度も求める。じっくりと会場を見渡しながら彼女はその声を大切そうに受け止め、「たくさんの声を聞かせてくれて、本当にありがとう!」と満面の笑顔を浮かべた。ラストナンバーは最新ミニアルバムの表題曲「愛してしまえば」。温かなメロディに乗せて、斉藤とオーディエンスは「愛してしまえば 世界は変わるのさ」「All you need is love!!」と、ありったけの愛をフロアに響かせた。

最後に斉藤は「愛のやじるし」というツアータイトルについて「ここにいる君が自分のことを愛して、大切な仲間、家族、友達、そんな大切な人のことを愛してほしいなという気持ちで付けました。1人ひとりの矢印がたくさんいろんな方向に向いたらいいなと思いながら」と述べ、「自分には想像もできなかったこの言葉だったんですけど、自然とこの『愛のやじるし』が自分のところに飛んできました。こんなことがあるんだなと思いながら、全8カ所回らせていただきました」と振り返る。そして「今日も最強になれましたか? そうだよね、だってうちらって」「最強じゃん!」と恒例のコール&レスポンスを繰り広げ、「また遊ぼうね!」と告げてステージを去って行った。

斉藤朱夏「朱演2023 LIVE HOUSE TOUR『愛のやじるし』」2023年9月17日 KT Zepp Yokohama セットリスト

01. 声をきかせて
02. くつひも
03. しゅしゅしゅ
04. パパパ
05. はんぶんこ
06. 夏唄
07. セカイノハテ
08. 最強じゃん?
09. Your Way My Way
10. 月で星で太陽だ!
11. イッパイアッテナ
12. 僕らはジーニアス
13. 伝言愛歌
14. ゼンシンゼンレイ
15. ベイビーテルミー
16. ひまわり
17. 愛してしまえば

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