乃木坂46の遠藤さくらが、1st写真集「可憐」の発売を記念してメディアの取材に応じた。
「本当に私ですか?」
彼女の22歳の誕生日である10月3日に刊行された「可憐」は、開放感のある沖縄や、遠藤の地元である愛知・名古屋で撮影が行われた。海辺やプールではしゃぐ姿やおいしそうに食事を頬張る姿など、遠藤の飾らない魅力を切り取った写真の数々が印象的な作品で、遠藤は初の水着およびランジェリーカットの撮影にも挑戦した。
ファンにとっては待望の初写真集だが、刊行が決まった際に遠藤自身が抱いたのは「本当に私ですか?」という感想だった。「同期からも写真集を出しているメンバーが多いけれど、私はそれを楽しみにしていた側。話が回ってくること自体がびっくりという感じでした。当初はうれしさよりも緊張や不安がありました」と振り返った遠藤。しかしながら制作は彼女がレギュラーモデルを務める雑誌「non-no」のチームが手がけるとあり「安心しきって、全部お任せして」撮影に臨んだという。
初めてのおにぎり
特に印象深かったのは沖縄での撮影初日だったと言い、遠藤は「自分が写真集を撮るということに慣れていなくて、緊張したままカメラの前に立っていました。黄色いワンピースでのカットや、水着のカットもそうなのですが、ドキドキが伝わるようなカットがいっぱい残っているので……見るたびに当時の気持ちを思い出せます」と振り返る。一方で、写真集の中には無邪気に笑い、撮影を楽しむ遠藤の表情も満載。「食べているカットが多くて(笑)。天ぷらだったり、沖縄ではステーキも食べましたし、あとは古民家でおにぎりを握りました」とページをめくりながら、遠藤は「食べることも好きなのですが、こんなに無邪気においしそうに食べるんだなって、新しく発見できました」と思いを語る。古民家で遠藤が握ったおにぎりは、きれいな丸型。この形の理由を問うと、彼女は「おにぎりを作るのが初めてだったんです。1人暮らしになっても、おにぎりを作る機会ってあまりなくて。意外と作るのが難しくて、丸い形になりました」と答え「おいしかったし、うれしかったです。自分で握って食べるって、こんなにうれしい気持ちになるんだなって思いました」と笑顔を見せた。
「“可憐”って、女の子にとってはすごく憧れる、女性らしい言葉。まだ私は可憐になれていないし、こんなに素敵な言葉を私の本のタイトルにしてもいいのかなってすごく悩んだけれど、私も可憐な女性になりたいなと思ってこのタイトルを選びました」と、「可憐」という写真集のタイトルについての思いを語った遠藤。「可憐」という言葉を「すごく優しくてまっすぐな人」というイメージで捉えているという彼女に「憧れの“可憐な女性”は?」と聞くと、「一番近い人だと母親です。私の母親はすごく優しいんです。心が広いなと感じる出来事が多くて。それでいてかわいらしい部分もたくさんある。私の中では、可憐というと母をイメージします」という答えが返ってきた。
「やっぱり乃木坂46が好きだな」という思い
乃木坂46は、今年も恒例となっている夏の全国ツアーを開催。「この夏はツアー。グループで過ごした夏でした」と振り返る遠藤は「三期生、四期生、五期生だけで回るツアーは初めてだったので、みんないろんな気持ちを抱えてこの夏を過ごしていたと思います」と続けた。“世代交代”のツアーを終えて彼女が感じたのは「やっぱり乃木坂46が好きだな」という思い。「メンバーは変われど、中にある空気感や、優しい、あったかい部分って全然変わらないなって。その場所に今自分がいられることがすごく幸せだし、メンバーに対しての尊敬の気持ちがまた強くなりました」と遠藤は語り「私って先輩らしくないんじゃないかなと思うことが多くて。言葉でうまく伝えることもできないし、今まで自分が見てきた立派な先輩のようにはなれていないかもしれないけど……程よく遠くから見守りつつ、乃木坂46にとっての力になれたらいいな」と、後輩の五期生への思いを明かした。
「やっぱり乃木坂46が好き」と思いを新たにしたからこそ、今遠藤の胸の中にあるのは「今の私は個人としてやりたいことがあまりない」という思いだという。「機会があればお芝居だったりいろんなことに携われたらという気持ちはもちろんあるんですけど、やっぱり今はグループにいたいなって。乃木坂46のメンバーとしてできることをしていくのが、自分のできることなのかなと思ってからは、もっとライブをがんばりたいとか、歌番組にもっと出て名前を広めたいとか、そういう気持ちのほうが大きいですね」。柔らかな語り口の中に確かな意思を感じさせる言葉で、遠藤は取材を締めくくった。