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XIIX「もっとカッコよくなる」確信を得たライブツアー、androp内澤崇仁も駆け付け祝福

左から須藤優(XIIX)、内澤崇仁(androp)、斎藤宏介(XIIX)。(Photo by Viola Kam[V'z Twinkle])
約1年前2023年10月26日 3:04

XIIXの全国ツアー「XIIX LIVE TOUR『XIIX』」の東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演が、バンド結成日である10月20日に開催された。

さらに進化を遂げた5人編成のステージ

XIIXは3rdアルバム「XIIX」を携え、今年8月に斎藤宏介(Vo, G)と須藤優(B)の2人編成とサポートメンバーを加えた5人編成の2部構成となるツアー「2&5」を開催。新作の世界をさまざまなアプローチで表現し、各地のオーディエンスを楽しませた。今回のツアーは「2&5」と同じく岡本啓佑(Dr)、粂絢哉(G)、山本健太(Key)を迎えた5人編成によるステージを展開。通常のバンドスタイルの範疇にはとどまらない、さらに進化を遂げたパフォーマンスを繰り広げた。

開演時刻を迎え、ステージ上方に設置された横長のLEDスクリーンにはろうそくの灯火のようなモチーフが映し出される。メンバーが順番にスタンバイし、スクリーン内のモチーフがXIIXのロゴに変化した瞬間、1曲目「シトラス」が始まった。鮮やかな演出で一気に惹き込まれたオーディエンスは、息の合ったハンドクラップで5人の演奏を盛り上げる。「E△7」の穏やかなリズムでじわりと会場の熱量を上げたあと、「ユースレス・シンフォニー」では斎藤と須藤がお立ち台に上がって会場を見渡し笑顔を見せた。温かなムードから一転、「Vivid Noise」では攻撃的なアンサンブルで客席を圧倒。間奏では5人それぞれがソロを披露し、卓越したスキルを見せつけた。

バンド名を冠したアルバムのリリースツアー、そしてバンドの記念日の公演というこの日のステージに向け、斎藤が「最高なライブにならないわけがないと確信しております。皆さんですげえところまで行きましょう!」と力強く宣言したあとは「おもちゃの街」「Fantome」を芳醇さを増したアレンジで披露。激情がほとばしるボーカルとアンサンブルが印象的な「次の朝へ」のあとは「タイニーダンサー」を高らかに鳴らした。

来年の記念日は「どうしましょう?」

中盤のMCでは斎藤が今から4年前、バンド名を「10月20日だし」という理由でXIIXに決めた当時を振り返りつつ「それが特別な日になって……ミュージックビデオを公開したり、ライブにゲストを呼んだりと『何かしたい』という楽しい悩みができて」と、これまでの“XIIXの日”の歩みを語る。今年の10月20日には、8月に開催した「2&5」で披露した「うらら」のライブ音源を配信リリースしたXIIX。斎藤は「カッコいいよね?」、須藤は「勢いがあっていいよね」と聴きどころをアピールしつつ、2人は来年の記念日の企画について「だんだん首が絞まっていきそう(笑)」「どうしましょう?(笑)」と、早くも頭を悩ませていた。

「XIIXとは何か、を1つのライブで表現したいと思っています。ここから先はXIIXのもっと深いところへ潜っていこうと思います」という斎藤の言葉に続いては、斎藤と粂のツインギターイントロから「魔法の鏡」へ。ステージ後方のLEDスクリーンに投影された映像演出とあいまって、混沌とした世界へオーディエンスを誘う。「アカシ」「月と蝶」が疾走感たっぷりに披露されたあとは、ステージ上方のLEDスクリーンがゆっくりと降下した。前方を覆う形になったところで映し出された満天の星空の中、須藤が「4:43 AM」を披露する。柔らかくも力強い音色はそのまま「曙空をみつけて」へとつながり、斎藤はハンドマイクを握って歌声を重ねた。ステージ後方には暁の空を映し出した映像が加わり、2人の美しいハーモニーに彩りを添えた。

「まばたきの途中」で会場に穏やかな空気をもたらしたあと、続く「正者の行進」ではステージに運び込まれたフロアタムを斎藤と須藤が向かい合って叩き、勇壮なリズムで会場の空気を変化させる。「No More」に続く「うらら」では斎藤がムービーカメラマンからカメラを受け取り、須藤とともに自由自在にステージを飛び回りながらメンバーやオーディエンスの様子を撮影して沸かせた。最後に披露された楽曲は「あれ」。5人は時折リラックスした表情も見せつつ、パワフルなロックサウンドを奏でた。

アンコールにサプライズゲスト・内澤崇仁

アンコールの手拍子に応えて再びステージに現れた5人は、最初に「フラッシュバック」をパフォーマンスした。間奏では斎藤が音頭を取り、メンバーの演奏とオーディエンスのハンドクラップで“合奏”するひと幕も。その後のMCでは、斎藤が本編中にギターが壊れるというハプニングがあったことを振り返りつつ、観客の盛り上がりに「悲しい気持ちが和らいでいるのは皆さんのおかげです」と感謝する。その傍らで須藤も「こういうのは厄落としだから……」と慰めていた。

最後に斎藤は「特別な日を決めて活動するのもなかなかいいなと思っています。もっともっとカッコよくなっていくんじゃないかという確信めいたものがあります」と今後のさらなる前進に意欲を見せ、その言葉を示すように「All Light」を演奏。ラストは「スプレー」を披露し、ライブを締めくくった。

サポートメンバーを送り出し、これでライブが終了かと思いきや、斎藤は「XIIXの日なので、ちょっとおまけをやってもいいですか?」と観客に呼びかけて大歓声を起こす。2人に呼び込まれてステージに現れたのは、「魔法の鏡」の作詞を手がけた内澤崇仁(androp)だ。喜ぶオーディエンスを前に、3人はこの曲について語り合う。「その節はありがとうございます、遅くなってしまって……(笑)。いろんな方向性が考えられたから悩んでしまって」と作詞の過程を振り返った内澤は、XIIXに対して持っていた“線対称”というイメージを“鏡”というモチーフに落とし込んだと話す。斎藤はそんな内澤とのコラボレーションを「XIIXがすごいところまで行くための“自己紹介”の最後のアルバムで、その第一歩目を手伝っていただけた」と振り返り、感謝の思いを明かした。

そして3人は「魔法の鏡」を、アコースティック形式でパフォーマンス。オリジナルとは異なる味わいのアレンジで、曲や歌詞に込めた思いをそれぞれが表現した。

なお本ツアー終了後には、2024年3月に約1年ぶりの自主企画対バンライブ「Eleven Back vol.2」が行われることが発表された。詳細は後日アナウンスされる。

セットリスト

「XIIX LIVE TOUR『XIIX』」2023年10月20日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. シトラス
02. E△7
03. ユースレス・シンフォニー
04. Vivid Noise
05. おもちゃの街
06. Fantome
07. 次の朝へ
08. タイニーダンサー
09. 魔法の鏡
10. アカシ
11. 月と蝶
12. 4:43 AM
13. 曙空をみつけて
14. まばたきの途中
15. 正者の行進
16. No More
17. うらら
18. あれ
<アンコール>
19. フラッシュバック
20. All Light
21. スプレー
22. 魔法の鏡

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