音楽ナタリーでは“読書の秋”に合わせて秋の特別連載「アーティストの推薦図書」を展開。さまざまなジャンルの5組のアーティストにオススメの3冊を紹介してもらう。第5回目となる今回は超特急のハルが登場。“網羅するほど愛してやまないもの”として本を挙げ、グループのTikTokに本を愛でる動画をアップするほど読書好きな彼が挙げる作品とは?
「キリン」(KADOKAWA / 角川文庫)
山田悠介(著)
本を1冊と読んでこなかった僕が
「キリン」は僕が本にハマるきっかけになってくれた作品といっても過言ではないです。
高校生のときに友達にこの本を紹介されて読み始めたのですが、すごく面白くて、今まで本を1冊と読んでこなかった僕が2日で全部読むことができたのを覚えています。
天才を作りたい母親とその子供2人の物語が描かれており、山田悠介さんのストーリーの作り方、表現の仕方によって、だんだんと物語の世界に入り込んでいくと思います。騙されたと思って本が苦手な方も一度は読んでみてほしい作品なので、ぜひ読んでみてください。
「告白」(双葉文庫)
湊かなえ(著)
我が子を亡くした女性教師が終業式のホームルームである少年を指し示す。そこから1つの事件がいろんな観点で語られ、事件の真相に迫るミステリー作品です。湊かなえさんのデビュー作として有名であり、すごく楽しみに読みました。
期待以上の読み応えと物語の書き方に驚きを感じたのを覚えており、時間を忘れて本に没頭しました。現実ではありえないような展開がどんどん起き、次が気になってページをめくる手が止まらなくなると思うのでオススメです。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(早川書房)
フィリップ・K・ディック(著) / 浅倉久志(訳)
すごく考えさせられる最高の作品
この本はSF作品で、物語のあらすじは第三次世界大戦後の未来の世界。主人公が賞金稼ぎのため火星から逃亡してきた8体のアンドロイドを処理するというものです。すごく考えさせられる作品で、とにかく読んでほしいと思います。
この本の世界では、生物は無条件で保護を受けるが、人造人間は逃走すると廃棄という扱いになっており、その賞金が賞金稼ぎの生活の糧となる。そして主人公は人造人間を処理していく中であまりにも人間味のある人造人間と会い、人間と区別をつけられなくなってしまう。「人間とは何か。」「人間とアンドロイドの違いはなんなのか。」その問いがテーマになっており、すごく考えさせられる最高の作品です。
ハル(超特急)
9人組ダンス&ボーカルグループ・超特急のメインダンサー。2005年3月31日生まれ、熊本出身の18歳。2022年8月にグループに加入した。明朗快活な性格で、グループ最年少ながら堂々とした立ち居振舞いとバイタリティに満ちたパフォーマンスが持ち味。俳優としては、TBSほかで放送中のドラマ「君には届かない。」で初主演を務めている。特技はダンスとサッカー。