JUJUのライブツアー「ジュジュ苑スペシャル『スナックJUJU 2023』~47都道府県出店!! “あのママ”がJUJU20周年を勝手に前祝い全国ツアー~」が10月28日に沖縄・那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場にて千秋楽を迎えた。
「魅せられて(エーゲ海のテーマ)」で開店
「スナックJUJU」は会場を大きなスナックに見立て、“ママ”に扮したJUJUが、事前にリクエストを募り選ばれた昭和歌謡のカバーを中心に披露するライブシリーズ。今回のツアーは「“あのママ”がJUJU20周年を勝手に前祝い全国ツアー」というサブタイトルの通り、来年でデビュー20周年を迎えるJUJUをママが前祝いするという形で開催され、約半年にわたって行われた53公演のチケットはすべて完売した。この記事では、10月21日に行われた神奈川・神奈川県民ホール公演の模様をレポートする。
スタンド看板にバーカウンター、そしてベロア生地の赤い椅子。この日の神奈川県民ホールのステージには、昭和の残り香漂うレトロなスナックが広がっていた。そこへ楽器隊とコーラス隊が登場し、少し遅れて「カランコロンカラン」というドアベルの音とともにママが姿を現す。日暮れも過ぎた18:00、「スナックJUJU」の開店だ。ママがジュディ・オング「魅せられて(エーゲ海のテーマ)」、久保田早紀「異邦人」と往年の名曲を立て続けに歌い上げると、会場はたちまちノスタルジックな雰囲気に。ホールを埋め尽くした観客はハンドクラップを鳴らしながら、その歌声を堪能した。MCでママは「本日はお忙しい中、このお店に足をお運びいただき誠にありがとうございます」と挨拶し、「私、歌手のJUJUさんによく似てると言われるんですけど、まったくの別人です。あれはJUJUさん、私はママです」と説明。そして「ここはスナックです。力を全部抜いて楽に過ごしてください」と告げて、観客をリラックスしたムードに導いた。
お悩み解決やユーミンカバーも
その後ママは“お酒が進む曲”として、もんた&ブラザーズ「ダンシング・オールナイト」、堀江淳「メモリーグラス」、内海美幸「酔っぱらっちゃった」を連続で歌唱。艶やかな歌声がしっとりと響き渡り、観客はホール中に満ちていく芳しい空気に文字通り酔いしれた。真っ赤な照明の中、カウンター前の椅子に腰掛けて歌われたのは井上陽水「リバーサイド ホテル」。この曲ではダンサーが妖艶かつしなやかな舞いを見せ、観客の視線を釘付けにした。大橋純子「たそがれマイ・ラブ」ではママがステージの中央に立ち、四方八方から降り注ぐライトを一身に浴びた。
ライブ中盤にはJUJUのライブでも定番となっているコーナー「今月のユーミン」へ。「ママの忘れられない思い出」というテーマで選曲した松任谷由実「私を忘れる頃」を歌唱し、優しく切ない歌声を届けた。また今回のツアーでは、JUJUがかつてライブで行っていたデュエットコーナーが復活。この企画は観客の中からデュエット相手を決めて、実際にステージで歌唱してもらうというもので、今回は事前に応募した希望者の中からくじ引きとじゃんけんでデュエット相手を決めていく。選ばれたのはハットとメガネ姿の男性・kouさん。彼はデュエット相手に選ばれるとスタッフに誘導され舞台裏へ。その間ママは寄せられたお悩みに答え、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」、大橋純子「シルエット・ロマンス」、イルカのカバーでも知られるかぐや姫「なごり雪」を歌唱。ミラーボールやスモークなどさまざま舞台演出とともに情感たっぷりの歌声を届けた。
デュエット、メドレー、そして最後は
そうこうしているうちに、先ほど選ばれたデュエット相手kouさんがお店に到着する。ママとともにスナック談義に花を咲かせるなど和やかな時間が流れたあと、2人は中西保志「最後の雨」でデュエット。スナックでよくこの曲を歌っているというkouさんは、時折ママと視線を絡ませながら、ややかすれた切ない歌声をホールに響かせる。最後にはママとハグを交わし、それを見た観客は温かい拍手を送った。ライブ終盤、ママは横浜という地にちなんだ青江三奈「伊勢佐木町ブルース」から山口百恵「プレイバックpart2」へと続け、さらに本田美奈子「1986年のマリリン」、アン・ルイス「あゝ無情」、中森明菜「DESIRE -情熱-」をメドレー形式で畳みかける。「DESIRE」のサビでは「はーどっこい!」というかけ声が一斉に上がり、会場はスナックならではの一体感と熱気に包まれた。そして最後にママは降りしきる金の紙吹雪の中、ちあきなおみ「喝采」を歌唱。昭和の名曲を総ざらいするかのようなラインナップで、「スナックJUJU 神奈川店」の営業を終えた。
閉店時間を迎え、看板の灯りが消えてもアンコールを求める拍手は鳴り止むことがない。そんな観客の期待に応えて姿を現したのはママ……ではなくJUJUだった。観客の熱い思いに誘われて会場に駆けつけたという彼女は、自身のオリジナル曲「PLAYBACK」を披露し、本編とは異なるアッパーな雰囲気で会場の空気を盛り立てていく。そしてラストにJUJUは「Bet On Me」を勢いよくパフォーマンス。華々しいフィナーレとともに「スナックJUJU 2023」の神奈川公演は閉幕を迎えた。
なおJUJUは11月1日にアルバム「スナックJUJU ~夜のRequest~ 『帰ってきたママ』」をリリース。本作には今回のツアーで披露した楽曲も多数収録される。また2024年2月17日には東京・東京ドームにて「ソニー銀行 presents ジュジュ苑スーパーライブ スナックJUJU 東京ドーム店 ~ママがJUJU20周年を盛大にお祝い!! 一夜限りの大人の歌謡祭~」が行われる。本公演にはゲストとして小田和正、鈴木雅之、NOKKOも出演。チケット情報などは公演の特設サイトにて確認を。
セットリスト
「ジュジュ苑スペシャル『スナックJUJU 2023』~47都道府県出店!! “あのママ”がJUJU20周年を勝手に前祝い全国ツアー~」2023年10月21日 神奈川・神奈川県民ホール
01. 魅せられて(エーゲ海のテーマ)(原曲:ジュディ・オング)
02. 異邦人(原曲:久保田早紀)
03. ダンシング・オールナイト(原曲:もんた&ブラザーズ)
04. メモリーグラス(原曲:堀江淳)
05. 酔っぱらっちゃった(原曲:内海美幸)
06. リバーサイド ホテル(原曲:井上陽水)
07. たそがれマイ・ラブ(原曲:大橋純子)
08. 私を忘れる頃(原曲:松任谷由実)
09. 時の流れに身をまかせ(原曲:テレサ・テン)
10. シルエット・ロマンス(原曲:大橋純子)
11. なごり雪(原曲:かぐや姫)
12. 最後の雨(原曲:中西保志)
13. 伊勢佐木町ブルース(原曲:青江三奈)
14. プレイバックpart2(原曲:山口百恵)
15. メドレー(1986年のマリリン、あゝ無情、DESIRE -情熱- / 原曲はそれぞれ本田美奈子、アン・ルイス、中森明菜)
16. 喝采(原曲:ちあきなおみ)
<アンコール>
17. PLAYBACK
18. Bet On Me
公演情報
ソニー銀行 presents ジュジュ苑スーパーライブ スナックJUJU 東京ドーム店 ~ママがJUJU 20周年を盛大にお祝い!! 一夜限りの大人の歌謡祭~
2024年2月17日(土)東京都 東京ドーム
OPEN 15:00 / START 17:00
<出演者>
JUJU
ゲスト:小田和正 / 鈴木雅之 / NOKKO