JUJUホールツアーが“ジュジュの日”に閉幕、コンセプチュアルに魅せた「The Water」の世界

JUJUのホールツアー「JUJU HALL TOUR 2025『The Water』」のファイナル公演が、10月10日の“ジュジュの日”に東京・東京国際フォーラム ホールAで行われた。

今年3月にリリースされた8枚目のオリジナルアルバム「The Water」を携え、全43公演にわたって開催された今回のツアー。JUJUはコンセプチュアルな世界観の中で「The Water」の楽曲をたっぷりと披露した。

人生を重ね合わせながら聴いてください

ポエトリーリーディングが印象的な、アルバムでも1曲目を飾るナンバー「The Water - Prelude」でライブがスタート。続く「こたえ」の間奏ではステージ前面を覆っていた紗幕が上がり、1音1音を噛みしめるように歌うJUJUの姿がオーディエンスの目に飛び込んだ。ドラマ主題歌として人気を博した「こたえあわせ」では総立ちの客席から手拍子が巻き起こった。

最初のMCでJUJUは「私たちは、生まれる前は母親のお腹の中で“水”に包まれていて、生まれたあとはステージや環境に合わせて、いろんな種類の“汗”や“涙”を流してきたと思います。今日はそんないろんな“水分”についての曲を歌っていきます。皆さんのこれまでの人生のあんなことやこんなことを重ね合わせながら、1曲1曲聴いてください」と、アルバムとライブに込めた思いを語る。その後はJUJUと親交の深い土岐麻子が提供したシティポップナンバー「春の嵐」や、「桜雨」「空」など季節感を味わえる楽曲が続いた。

“ジュジュの日”ならではの思いを持った「YOU」

「JUJUとしてライブを始めたのは2005年でした。人前が苦手でとにかく怖かったライブも、皆さんと出会えたことで大好きなものになりました。次は“皆といるからこそ感じられるThe Waterゾーン”です」とJUJUが語ったあとは「やさしさで溢れるように」でファンと大合唱を繰り広げる。「Bet On Me」は自身を鼓舞するような力強い楽曲で、バンドメンバーのグルーヴィな演奏に乗せてダンサーたちも華やかなパフォーマンスを展開した。「WATCH WHAT YOU BE」ではツアーグッズとして人気を博した“The 扇子”が客席で波打ち、会場の一体感を演出した。

「ぐらぐら」では衣装を改めたJUJUが「この店の階段は狭くて」で始まる歌詞とともに、セットの階段から登場。さまざまな窓や人影が映る背景の映像と合わせて観客の想像力をかきたてる。ストリングスが妖艶に響き、石成正人（G）のギターが激しく炸裂したクールなナンバー「幻火」のあとは、JUJU曰く“夜の湿り気ゾーン”である「愛の嘘」や「いいわけ」といった楽曲が披露された。

JUJUを育ててくれたすべての“あなた”へ贈るという「YOU」をファンへのプレゼントかのように“ジュジュの日”に届けたのち、本編最後にはアルバムでもラストナンバーとなった「The Water」を熱唱。客席の合唱とともに感動的なエンディングを作り上げた。

リクエストカバーアルバム＆ツアーを発表

アンコールで「ハリシア」「花」を歌ったJUJUは、2026年春にリクエストカバーアルバム「昭和洋楽 純喫茶JUJU『時間旅行』produced by 松任谷正隆」をリリースすること、このアルバムを携えたホールツアーを6月から10月に開催することを発表。“ジュジュの日”ならではのサプライズでファンを大喜びさせたあと、「どんなときでも、皆さんの口元に小さな歌があるといいなと思います」と言葉を添え、ドラマ「明日はもっと、いい日になる」主題歌となった最新曲「小さな歌」でライブを締めくくった。

このライブの模様は12月にWOWOWで放送予定。春にリリースされるカバーアルバムの楽曲リクエストは10月31日まで、特設ページにて受け付けている。

セットリスト

「JUJU HALL TOUR 2025『The Water』」2025年10月10日 東京国際フォーラム ホールA

01. The Water - Prelude
02. こたえ
03. ミライ
04. こたえあわせ
05. 春の嵐
06. 桜雨
07. 空
08. やさしさで溢れるように
09. Bet On Me
10. STAYIN' ALIVE
11. What You Want
12. WATCH WHAT YOU BE
13. ぐらぐら
14. 幻火
15. 一線
16. 愛の嘘
17. いいわけ
18. YOU
19. The Water
＜アンコール＞
20. ハリシア
21. 花
22. 小さな歌