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EARTHSHAKER、44MAGNUM、PRESENCEらが心斎橋BAHAMAへの感謝を音で捧げた夜

「JAPAN HEAVYMETAL FANTASY 2023 【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】」出演者たち。(撮影:西木義和)
約1年前2023年11月04日 4:06

10月29日に大阪・GORILLA HALL OSAKAでライブイベント「JAPAN HEAVYMETAL FANTASY 2023 【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】」が行われた。

このイベントは1980年代初頭から日本を代表するハードロック / ヘヴィメタルバンドを多数送り出し、2006年に惜しまれつつ閉店したライブハウス・心斎橋BAHAMAの開業60周年を記念した企画。当日は、同ライブハウスと縁の深い、EARTHSHAKER、44MAGNUM、PRESENCE、MARINO feat. YOSUKE MIYAKE、Gargoyle、に加え、ゲストで二井原実(LOUDNESS)が出演した。

トップバッターを務めたGargoyleは「HALLELUYAH」でライブをスタート。現在の正式メンバーはKIBA(Vo)のみだが、「BAHAMA STILLALIVE」にはKENTARO(G)、TOSHI(B)、KATSUJI(Dr)という過去に在籍したメンバーがヘルプとして参加し、全盛期と変わらない激しいパフォーマンスを披露した。MCでKIBAは「これから出られるバンドの皆さんを高校生ぐらいのときに観て、ヘヴィメタルを初めて知った。皆さんのおかげでGargoyleをやることができて、バハマのおかげでこうやって36年も活動できています」と語り、KENTAROは「初めてバハマに行ったのは10歳ぐらい。バハマに育てられたと言っても過言ではないぐらい」と口にするなど自分たちのホームであった心斎橋BAHAMAに思いを馳せた。

続いて登場したのはPRESENCE。白田“RUDEE”一秀(G)が急逝したことから、一度は出演を断念していた彼らだったが、イベントのオーガナイザーであるEARTHSHAKERの石原“SHARA”愼一郎(G)の「俺が弾く」という言葉を受けて参加を決断したという。強力なサポートを受けてステージに上がった彼らはSHIGERU(Vo)の「大阪、行くぜ!」というシャウトを合図に「Rock Drive」を轟かせ、目の前のオーディエンスを圧倒した。「RUDEEも観てくれていると思うよ。今日、ステージに立つことになれたんで、精神的にも状況的にも、この曲はやっぱりやっておきたい」。そんなSHIGERUの言葉から始まったのはバラードナンバーの「蜃気楼」。ミラーボールの光が美しい星空のような景色を生み出す中、SHIGERUの歌声とSHARAが弾くビブラートを効かせたギターソロがファンの感情を揺さぶった。

PRESENCEからバトンを受け取ったのは、EARTHSHAKERや44MAGNUMらとともに80年代初期に“関西3大メタルバンド”と称されたMARINO。この日は2022年9月に亡くなった大谷“RAVEN”令文(G)の後輩であり、元Terra Rosaの三宅庸介(G)を迎えて一夜限りの復活を果たした。「Midnight Believer」 で幕を開けた彼らのステージは、「Roll to Death」など1984年のデビューアルバム「TARGET」を中心としたセットリストで進行。吉田“LEO”隆(Vo)は「MARINO、復活しました! ステージに立てたのもこのイベントのおかげ。EARTHSHAKERのSHARA、本当にありがとう。天国のRAVEN、聞こえてるか? オマエの後輩、こんなすごいギター弾いてるぞ」とSHARAを讃える場面も。ラストナンバーに選ばれたのは、メンバーいわく「MARINOを結成して1曲目に作った曲で、いつもアカペラでやっている」という「Impact」。サビで吉田“LEO”隆が「強い!」と歌うと、オーディエンスが「インパクト!!」と返すコール&レスポンスも展開され、会場は一体感に包まれた。

続く44MAGNUMは真っ赤なライトを浴びながら登場し、広瀬“JIMMY”さとし(G)が弾く豪快なギターリフを口火に「I'm on Fire」でパフォーマンスを開始した。その後も、44MAGNUMはデビューアルバム「DANGER」、2ndアルバム「STREET ROCK'N ROLLER」、3rdアルバム「ACTOR」に収録されている初期の楽曲を披露。梅原“PAUL”達也(Vo)とSTEVIE(Vo)は横並びになって親子で熱唱し、エネルギッシュなMCでもオーディエンスを大いに沸かせる。パーキンソン病と闘うPAULは決して体調も喉の調子も万全ではないが、全身全霊の歌声を響かせてオーディエンスの心を震わせた。

イベントのトリを飾ったのはオーガナイザーであるSHARAが率いるEARTHSHAKERだ。今年デビュー40周年を迎え、最新アルバム「40」を携えて全国ツアー中の彼らが1曲目として鳴らしたのはバンド名を冠した「EARTHSHAKER」。イントロのギターリフが鳴るや否やフロアからは拳や腕が上がり、壮観な景色が広がった。貫禄をにじませたパフォーマンスの一方で、メンバーはMCで心斎橋BAHAMAの思い出話で盛り上がる。西田“MARCY”昌史(Vo)が「みんなが愛した80年代のジャパメタ。バハマがなかったら、バハマに出演したみんながいなければ、あんなムーヴメントは起こっていなかったんだから。ホント、すごいところだったと思います。SHARAがバハマのカウンターの中で焼きそば作っていたからね(笑)」と口にすれば、SHARAは「44MAGNUMのメンバーは、僕の焼きそばで大きくなったみたいなもん。また作ろうか?」と冗談を飛ばし、ステージ袖で観ている44MAGNUMのメンバーに視線を送る。ラストにEARTHSHAKERは「RADIO MAGIC」を観客とシンガロングして自分たちの出番を終えた。

鳴りやまないアンコールに応えて登場したのは、MARCYを除くEARTHSHAKERの面々。SHARAは44MAGNUMのJIMMYとゲストである二井原を迎え入れると、強力すぎる布陣でLOUDNESSの「CRAZY NIGHT」をプレイした。その後、メンバーが入れ替わり、出演バンドの全ボーカリストがそろい「多分、本能的に歌えるかなと思って選びました」という二井原の選曲でBon Jovi「Livin' On A Prayer」をカバーすることに。ハードロック好きであれば誰もが歌えるであろうこの曲が大合唱されたあと、二井原は「バハマ、どうもありがとう。バハマがないと俺たちは今、ここにいないと思います。そしてバハマがなかったら、今頃は日本のロック界は全然違った風景になったと思います。心より感謝します。バハマ、どうも、おおきに!」と口にした。

セットリスト

JAPAN HEAVYMETAL FANTASY 2023 【BAHAMA STILLALIVE 1963-2023】2023年10月29日(日) GORILLA HALL OSAKA

Gargoyle

01. HALLELUYAH
02. Dragon skull
03. 影王
04. 完全な毒を要求する
05. 死ぬこととみつけたり

PRESENCE

01. Rock Drive
02. She is an AMERICAN
03. ROCK ME
04. 蜃気楼
05. ROCK'N ROLL

MARINO feat. YOSUKE MIYAKE

01. Midnight Believer
02. Roll to Death
03. Break
04. Shake Down
05. Rising
06. Impact

44MAGNUM

01. I'm on Fire
02. No standing Still
03. I JUST CAN'T TAKE ANYMORE
04. Satisfaction
05. Last Train
06. The Wild Beast
07. STREET ROCK'N ROLLER

EARTHSHAKER

01. EARTHSHAKER
02. 記憶の中
03. HEY! Mr. JOKER
04. MORE
05. RADIO MAGIC

SESSION

01. CRAZY NIGHTS
02. Livin' On A Prayer

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