THE 2×KOTORIがフルスロットルで挑んだひさびさのツーマン「これを機にいっぱいやりたい！」

THE 2とKOTORIのツーマンライブが11月16日に東京・UNITにて開催された。この企画はライブナタリー主催で実施されたもの。ライブナタリーのスタッフがTHE 2のツーマンライブ企画「HAKKE YOI 2023」を鑑賞し、そのライブパフォーマンスに圧倒されたこと、THE 2に対バン希望のアーティストを聞いたところ、彼らの口から真っ先にKOTORIの名が挙がったことがきっかけとなり実現した。

KOTORI

先攻を務めたKOTORIがオープニングナンバーとして選んだのは、10月にポニーキャニオンより配信リリースされた「秘密」。4人はミディアムテンポのロックナンバーでじわじわとオーディエンスのテンションを引き上げつつ、冒頭からバンドの最新のモードを示す。その後KOTORIはみずみずしいサウンドの「Blue」、ブラストビートが光る「涙があふれそう」とパワフルな楽曲を連投。クラウドサーファーの波を生み出してフロアを熱気で満たした。

アクセル全開の様子の横山優也（Vo, G）は「今日は飛ばすぜ。知ってたら全部歌ってもらって大丈夫です！」と息巻く。しっとりとした雰囲気の冒頭とパワフルなサビの高低差が印象的な「RED」では、横山の言葉を受けてオーディエンスが力強くシンガロングした。

歪んだギターフレーズが唸る「高鳴る胸に鐘を鳴らせ」を経て、KOTORIはキラーチューンを連発。新芽のようなフレッシュさが漂う「ジャズマスター」が放たれると、オーディエンスは思い思いに疾走感のあるメロディを乗りこなした。続けて「今日も仕事お疲れ様！」と横山がねぎらったあとに披露したのは応援ソング「素晴らしい世界」。バンドは観客に代わって日頃のうっぷんを晴らすように全身全霊のパフォーマンスを披露し、場内の温度を上昇させる。演奏中にはスーツ姿のオーディエンスが楽しげな表情でクラウドサーフするひと幕も。ここまでライブハウス映えする楽曲を多く演奏してきたKOTORIだが、次に演奏したのは壮大なサウンドの「We Are The Future」。先ほどまでの熱血な雰囲気とは一転、スケール感のある「We Are The Future」を穏やかに奏でて、バンドのさまざまな表情を見せつけた。

MCでは横山が「THE 2とはけっこう長い間一緒にやってなかったですね。これを機にいっぱいやりたい！」とアピールした。その後KOTORIは初期曲「19歳」を披露。幾度となく演奏していることを感じさせない、フレッシュなパフォーマンスを披露してファンを沸かせた。

さらにこの日初めてUNITのステージに立ったKOTORIは、ライブハウス名にちなんで「unity」でバンドのグルーヴを炸裂させる。続けて安定感のあるビートが印象的な「1995」を畳みかけ、最後にメロコア色の濃い「遠き山に陽は落ちて」をドロップ。14曲の演奏を駆け抜け、颯爽とステージをあとにした。

THE 2

後攻のTHE 2はまず「GO 2 THE NEW WORLD」で無骨なロックサウンドを鳴らしてウォームアップ。そのまま青春パンク全開の「ニヒリズム」へつなげると、古舘佑太郎（Vo）が強靭なボーカルでフロアを沸かせた。先の2曲とは異なり、湿り気を帯びた質感の「土砂降りの雨が降った街」が奏でられると、場内はセンチメンタルな雰囲気に。それを引き継ぐように、THE 2は心地いいリズムの「急行電車」で甘酸っぱいムードを漂わせた。

MCで古舘は本公演が年内最後のライブであることを明かす。続けて「俺ら今年はいろんなことがあったのよ」とメンバーの脱退が続いたことやサポートメンバーへの感謝などを述べた。その後THE 2はギターのトレモロが胸に沁みる「東狂」でパフォーマンスを再開。場内には古舘のハイトーンボイスが切なげに響いた。シーズンムード漂う「FALL FALL FALL」では、古舘が「金木犀の匂いを嗅ぐと何故か、 君にまた会えるような気がして」という歌い出しで、一瞬でオーディエンスを曲のエモーショナルな世界観に引き込んだ。

この日の対バンについて、古舘は「KOTORIとは何回か対バンして、飲んだこともあって。あとこの前はリハスタでたまたまKOTORIが隣だったんですよ。そのときに『ツーマンしようよ』と盛り上がったんだけど、そこからお互い誘わずの期間が続いていて（笑）。だから今日はナタリーさんがきっかけを作ってくださったおかげで、KOTORIと対バンできてめっちゃうれしいんですよ」と喜んだ。

ライブ終盤は、四つ打ちのリズムや明るいギターのメロディがキャッチーな「SとF」、ロマンチックな歌詞の「ケプラー」を経て、人気曲「ルシファー」の演奏へ。しかしなぜか森夏彦（B）が高らかに歌い出し、古舘が勢いよくツッコミを入れる。場内の和やかなムードは、改めて古舘がこの曲を荒々しく歌唱し始めた途端に一変。オーディエンスのシンガロングが響き渡り、場内にさらなる熱気が充満した。本編最後にバンドはダンサブルなキラーチューン「恋のジャーナル」をプレイし、フロアを活気で満たす。さらにアンコールで彼らは「ナイトウォーク」「DAY BY DAY」とノリのいいリズムの楽曲を連投。ラストスパートを駆け抜けるようにエネルギッシュなパフォーマンスを披露して本ライブを終えた。

セットリスト

「ライブナタリー“THE 2 × KOTORI”」2023年11月16日（木）UNIT

KOTORI

01. 秘密
02. Blue
03. 涙があふれそう
04. RED
05. 高鳴る胸に鐘を鳴らせ
06. ジャズマスター
07. 素晴らしい世界
08. We Are The Future
09. トーキョーナイトダイブ
10. Masterpiece
11. 19歳
12. unity
13. 1995
14. 遠き山に陽は落ちて

THE 2

01. GO 2 THE NEW WORLD
02. ニヒリズム
03. 土砂降りの雨が降った街
04. 急行電車
05. 東狂
06. FALL FALL FALL
07. SとF
08. ケプラー
09. ルシファー
10. 恋のジャーナル
＜アンコール＞
11. ナイトウォーク
12. DAY BY DAY