常日頃よりゼロからイチを生み出す作業に従事しているアーティストたち。そんな彼らにとって創作の源になっているものとはなんだろう? そんな疑問を探る本コラム。第8回にはソングライターとしても多くのアーティストから信頼を置かれている吉澤嘉代子の“お供”を聞いた。
音楽制作において欠かせない、あなたの「創作のお供」は?
歌集です。制限がある中で生まれる言葉の組み合わせかたや情景の描きかたにいつも影響をうけてきました。制作中はすぐ手に取れる場所に置いて、煮詰まるたびにうんうん唸りながら本をひらきます。
いつから愛用 / 活用していますか?
中学生の頃に短歌に出会ってからずっと大好きです。眠れない夜にはお守りのように心の中で唱えていました。短歌の魅力を知るきっかけとなった歌人の穂村弘さんと「ルシファー」という歌を共作させていただいたとき、私の中の少女が泣いて喜んでいるのを感じました。
その「創作のお供」に向けてひと言伝えるとしたら?
いつもお世話になっております。いつまでもあなたのファンです。
音楽制作(レコーディング、作詞、作曲、編曲 etc.)において一番大切にしているものを教えてください。
書き手として、欲望のままに言葉を突き詰めること。ときめきの灯を見失わないように、どんなときも心ここにありたい。一切の妥協も許してはいけない。誰かが許しても、自分だけは決して許してくれないのだから。なんちゃって。
吉澤嘉代子(ヨシザワカヨコ)
1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場街で育ち、16歳から作詞作曲を始める。2010年11月にヤマハ主催のコンテスト「"The 4th Music Revolution" JAPAN FINAL」に出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。2013年6月にインディーズ1stミニアルバム「魔女図鑑」でCDデビューを果たす。日本クラウン、ヤマハミュージックアーティスト、ヤマハミュージックパブリッシングの3社が合同で設立した新レーベル「e-stretch RECORDS」の第1弾アーティストとして、2014年5月にメジャーデビュー。2017年5月に初のシングル「月曜日戦争」、10月に2ndシングル「残ってる」、2018年6月に3rdシングル「ミューズ」をリリースした。2023年に映画「アイスクリームフィーバー」の主題歌として書き下ろしたシングル「氷菓子」を、11月に「青春」をテーマにした2部作の第1弾EP「若草」を発表。2024年春には第2弾となるEP「六花」をリリース予定。