でんぱ組.inc空野青空、明るい門出でありがたきー！空でつながる別々の星へ

でんぱ組.incの空野青空が、1月10日に神奈川・CLUB CITTA'、1月13日に空野の地元である富山の富山MAIROで行われたワンマンライブ「蒼い彗星、宇宙を駆ける ～空野青空卒業公演～」をもってグループを卒業した。2公演のうち、この記事ではCLUB CITTA'公演の模様をレポートする。

笑顔の絶えない卒業公演

初期メンバー成瀬瑛美が卒業した2021年2月、天沢璃人、小鳩りあ、高咲陽菜、愛川こずえとともにでんぱ組.incに加入した空野。2013年から地元富山でアイドル活動を始め、2016年よりソロアイドルとして活躍していた彼女は、でんぱ組.incと同じディアステージに所属するARCANA PROJECTとの兼任メンバーとして活動を続けてきた。豊富なアイドル経験と天真爛漫なキャラクターでグループの進化に大きく貢献した空野だったが、「『どちらのチームでも完璧な自分でいたい』という自分のこだわりと、『楽しいことを共有してみんなで幸せに』という自分のモットーを改めて考えたときに、大好きなグループだからこそ、笑顔で一番自分が楽しめるときに卒業する。という選択もひとつのゴールだなと、思いました」と、でんぱ組.incからの卒業を決意。この空野の思いの通り、CLUB CITTA'公演は、終始笑顔の絶えない晴れやかなステージとなった。

空野がでんぱ組.incとして最初に歌ったミュージカル調のナンバー「プリンセスでんぱパワー！シャインオン！」でライブは華やかに幕を明け、満員すし詰めのフロアは2曲目の「でんぱっていこーぜ!!」で早くも異常な盛り上がり。観客をクールダウンさせつつの自己紹介では、相沢梨紗が「今日はみんな全力であおにゃんを愛する準備できてますかー？ 私も今日はめちゃくちゃおっきな愛であおにゃんを包み込みたいと思います！」と観客に呼びかけたり、天沢が「昨日ネイルサロンに行って『明日、推しのアイドルが卒業するんです～』と言ってあおにゃんネイルにしてきたんで、今日はみんな楽しんでいくぞー！」とスカイブルーに塗ったネイルをアピールしたりと、メンバーそれぞれ思い思いに空野への愛情をぶつける。古川未鈴は「今日は髪をひさしぶりに下ろそうと思ってたんですよ。それであおにゃんに『どうしようかなあ』と言ったら『あ、ツインテールで』ってソッコーで言われました。結局あおにゃんオーダーのいつものツインテールでーす！」と2つに結んだ髪を振り回した。

でんぱ組.inc、永遠に続いていくにゃー!!

「それじゃあ皆さんいきますよー！ せーの、ギャギャギャースー！」という古川のかけ声でライブは再開。「でんぱーりーナイト」「MIKATAせずにはいられないっ！」「でんぱせいばぁ☆」「ちゅるりちゅるりら」と新旧のナンバーを織り交ぜながら進行していく。アッパーチューンの連発でフロアは興奮状態となったが、かせきさいだぁと木暮晋也のトーテムロックコンビによる2011年発表の「くちづけキボンヌ」では一転、メロウなラブソングで優しいムードに。これに感極まってしまったのか、高咲は「みんな楽しんでるかー！」と煽りながらも涙を流してしまう。最年少の涙に歳上メンバーたちは「がんばって言ってくれたんだねー」とほっこりしつつ「そろそろ宇宙に旅立つ時間だ」「私たちでんぱファミリーの力で、地球をいっちょ救っちゃいますか！」と、ここから「愛が地球救うんさ！だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」「太陽系観察中生命体」「ギラメタスでんぱスターズ」「惑星★聖歌 ～Planet Anthem～」と宇宙規模のナンバーを連投。さらにARM（IOSYS）とMOSAIC.WAVが提供した秋葉原系電波ソングの真骨頂「オーギュメンテッドおじいちゃん」へとつなげられ、でんぱ組.incが紡いできたカオティックな世界観を凝縮したような濃密な時間が流れた。

8人は「このメンバーで一緒に歌いたかった曲をやるライブができてうれしい」と喜び合ったが、ライブはいよいよ大詰め。空野の関東ラストステージ最後のブロックに用意されたのは、2012年の「でんぱれーどJAPAN」以来でんぱ組.incの代表曲と言えるナンバーを数多く作り上げてきた玉屋2060%（Wienners）の楽曲群だ。「ONE NATION UNDER THE DEMPA」「衝動的S/K/S/D」「プレシャスサマー！」と続き、最後は「でんでんぱっしょん」へ。空野は「ついに最後の曲が来てしまいました。これからもでんぱ組.inc、永遠に続いていくにゃー!!」と叫び、おなじみのリボンを使ったパフォーマンスで完全燃焼した。

星は別々になっても、空はつながっていますから

メンバーがステージを去ると、フロアからは「あおにゃん、卒業、おめでとうー！」というアンコール代わりの声が上がる。このコールを受けてステージに登場したのは、でんぱ組.incではなく、空野が所属するもう1つのグループ・ARCANA PROJECT。空野の晴れ舞台に駆けつけた桜野羽咲、相田詩音、花宮ハナ、天野ひかるの4人は、でんぱ組.incの衣装を着た空野とともにARCANA PROJECTの楽曲「たゆたえ、七色」のパフォーマンスを披露した。空野は「でんぱ組.incという星を離れて、私が帰る星の住人たちを連れてきました！」と4人を紹介。その後でんぱ組.incのメンバーも合流し、相沢は「これからはそれぞれの星で。星は別々になっても、空はつながっていますから。みんなだよ。ここにいるみんなもつながってますからね。みんなで一緒にもっともっと素敵な未来を作っていきたいと思います！」とメッセージを伝えた。そして「大好きな仲間たちと一緒に次の曲を」と、2組そろってでんぱ組.incの「あした地球がこなごなになっても」を歌う。12人の特別編成によるドラマチックなパフォーマンスが観客をさらなる感動に導いた。

ARCANA PROJECTのメンバーを送り出すと、でんぱ組.incはさらにもう1曲、「あおにゃんの門出にふさわしい曲を」と新たな季節の始まりを歌う「STAR☆ットしちゃうぜ春だしね」を披露。明るくライブを締めくくり、メンバーとクルーが用意したスカイブルーの花束を小鳩と高咲から受け取った空野は、「最後にあれがやりたい！」とメンバー横1列で手をつなぎ、マイクを通さない地声で「ありがとうございましたー！」と元気いっぱいに挨拶し、「ホントにありがたきー！ みんな大好きー！」と満面の笑顔でステージをあとにした。

地元富山で卒業式、涙の「ORANGE RIUM」斉唱

本日1月13日の富山公演は、空野が見たい組み合わせのカップリングユニットによるカバー曲やレア曲などを含む、よりカオスでバラエティに富んだ内容に。終盤には送辞や答辞を読み上げる卒業式も行われた。その後の“「ORANGE RIUM」斉唱”では満員の富山MAIROがウルトラオレンジで明るく照らされる中、思わず涙を流してしまうメンバーが続出。アンコールの最後に歌われた「千秋万歳！電波一座！」では空野がアイドルとしての夢「客席にダイブしたい」を叶えるべく、アヒルのボートに乗り込んでファンの頭上へ。「取り乱しました」と明るくカオスにでんぱ組.incとしてのラストステージを終えた。

本日の富山公演を終え7人体制となったでんぱ組.incは、4月から5月にかけて東名阪の3都市を回るライブツアー「We need the DEMPA TOUR 2024」を行う。

セットリスト

でんぱ組.inc「蒼い彗星、宇宙を駆ける ～空野青空卒業公演～」2024年1月8日 CLUB CITTA'

01. プリンセスでんぱパワー！シャインオン！
02. でんぱっていこーぜ!!
03. でんぱーりーナイト
04. MIKATAせずにはいられないっ！
05. でんぱせいばぁ☆
06. ちゅるりちゅるりら
07. くちづけキボンヌ
08. 愛が地球救うんさ！だってでんぱ組.incはファミリーでしょ
09. 太陽系観察中生命体
10. ギラメタスでんぱスターズ
11. 惑星★聖歌 ～Planet Anthem～
12. オーギュメンテッドおじいちゃん
13. ONE NATION UNDER THE DEMPA
14. 衝動的S/K/S/D
15. プレシャスサマー！
16. でんでんぱっしょん
＜アンコール＞
17. たゆたえ、七色 / ARCANA PROJECT
18. あした地球がこなごなになっても / でんぱ組.inc & ARCANA PROJECT
19. STAR☆ットしちゃうぜ春だしね

ツアー情報

でんぱ組.inc We need the DEMPA TOUR 2024

2024年4月20日（土） 東京都 LIQUIDROOM
2024年4月21日（日）大阪府 BIGCAT
2024年5月18日（土）愛知県 伏見JAMMIN'