君島大空とQUBITが出演するライブイベント「[1×1]~MUSIC MAGAZINE BEST ALBUM 2023」が2月7日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にて開催された。
オープニングアクトはHana Hope
音楽専門誌「ミュージック・マガジン」2024年1月号に掲載された特集「ベスト・アルバム2023」にて、ロック(日本)部門1位に輝いた君島大空とJ-POP / 歌謡曲部門1位を獲得したQUBITが競演した本イベント。さらにオープニングアクトとしてJ-POP / 歌謡曲部門2位のHana Hopeも出演し、Yellow Magic Orchestra「Cue」のカバーや新曲「leave me blind」など5曲を披露して会場にさわやかな風をもたらした。
バンドの新たな一面を提示したQUBIT
先攻を務めたのはDaoko(Vo)、永井聖一(G / 相対性理論、TESTSET)、鈴木正人(B / LITTLE CREATURES)、網守将平(Key)、大井一彌(Dr / yahyel、DATS、Ortance)からなるQUBIT。ステージのスクリーンにオープニング映像が映し出される中、白いシャツで統一した5人は永井のギターのカッティングを合図に「Big Mouth」でライブをスタートさせた。大井の性急なビートに導かれて曲が目まぐるしく展開する中、Daokoはキュートに歌い上げる。続く「G.A.D.」も緩急に富んだ楽曲で、網守の華麗なピアノソロが彩りを添えた。
ライブ開始以降、息をつく暇もないほど超絶技巧のアンサンブルを聴かせるQUBIT。そんな中で異彩を放ったのが「Distance Dance」だ。この曲はアイドルポップのように始まりながら突然重低音が響き渡るベースミュージックへと変貌。Daokoはロリータボイスと低音ボイスを使い分けてシアトリカルでゴシックな世界観を生み出す。そこから昨年12月開催の初ライブで披露した「Netizen Baleriac」へとなだれ込むと、バンドはダンサブルかつサイケデリックな楽曲で観客を陶酔させた。
ライブ後半は“QUBIT版シティポップ”とも言える「Neon Diver」やアニメのミュージックビデオがスクリーンに映し出された「Mr.Sonic」、Daokoのラップが炸裂する「Beautiful Days」と続く。最後は2月21日にリリースされる新曲「コンタクト」でバンドの新たな一面を提示してみせた。
メンバー同士で火花を散らした君島大空
この日の君島大空は、西田修大(G / Ortance)、新井和輝(B / King Gnu)、石若駿(Dr / Answer to Remember、CRCK/LCKS、SMTK)を引き連れた合奏形態で登場。メンバーがステージに横一列に並び、君島はステージの右端に陣取って「都合」でライブの幕を切る。「散瞳」で互いに一歩も引かない重厚な演奏がぶつかって火花が散ったあと、「回転扉の内側は春?」で君島はギターからキーボードに楽器をチェンジして甘いメロディを耽美に歌い上げた。
君島のメロウな魅力を存分に味わえる「19℃」、ボイスチェンジャーを使用してモダンなポップセンスを垣間見せる「˖嵐+ ̊ˑ༄」などを経て、「遠視のコントラルト」でライブは後半戦へ。この曲では絡み合う2本のギターサウンドと石若のドラムソロが観客の視線を釘付けにした。続く「No heavenly」ではグランジロックを彷彿させる歪んだギターサウンドがオーディエンスを圧倒し、ラストは「c r a z y」が届けられた。
鳴り止まぬ拍手に応じてステージに戻った君島は「QUBITがアンコールをしていいって言ってくれたんで」と語り、観客の笑いを誘う。しかし「沈む体は空へ溢れて」の演奏がスタートすると場内の雰囲気は一変。ギターノイズが渦巻く轟音のシューゲイザーサウンドでフロアを飲み込み、深い余韻を残してステージをあとにした。