JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイト「ジョイオンプー」LINEスタンプ販売中

矢井田瞳&中田裕二、鰻重を食べて臨んだ初ツーマン

左から矢井田瞳、中田裕二。(撮影:鈴木友莉)
8か月前2024年02月22日 3:04

矢井田瞳と中田裕二の弾き語りツーマンライブ「ライブナタリー “矢井田 瞳 × 中田 裕二”」が2月19日に東京・新代田FEVERで開催された。2人がツーマン形式で競演するのは今回が初となった。

矢井田瞳

両手を大きく振りながら、笑顔で登場した矢井田。立ち位置に着くと彼女はすぐさま「かまってちゃん。」をスタートさせ、アコースティックギターのきらびやかな和音を満員のフロアに響かせる。中田とのこれまでの交流を振り返り「いろんなイベントで、出番が前後になったりすることが多くて。『あー! 中田さんお疲れ様です! お先です!』みたいなのを繰り返していました」と会場の笑いを誘った。矢井田は「私には中学2年生の娘がいるんですけど」と切り出し「一緒にニュースを観てたときかな、『なんで戦争なんてするの?』と聞かれたときにすごくドキッとして。どこかしらで戦争が起きていたり、本当に大変な世の中ですけど、どうか子供たちには可能性に蓋をすることなく、伸び伸びと空を羽ばたいてほしいし、どんどんいろんなことにチャレンジしてほしいな」と話す。そんなエピソードを歌詞に盛り込んだ楽曲「駒沢公園」が披露されると、ファンは優しいメロディにじっと耳を傾けた。

続いてスタートしたのは矢井田の代表曲の1つ「Over The Distance」。繊細なアルペジオに伸びやかなハイトーンボイスが重なり、壮大な世界が描き出される。ライブハウスには到底収まり切らない声量が観客の涙を誘った。続いて矢井田はHEATWAVE「雨の後、路は輝く」をカバー。フロアを沸かせたのち、手拍子に誘われながら「Look Back Again」「My Sweet Darlin'」を続けざまに演奏する。彼女の歌とともに歳を重ねてきたファンたちが「ダーリンダーリン!」と大合唱した。

中田裕二

中田のステージは軽快なトークで幕開け。「あいにく天気はじめじめしていて、2月なのに梅雨のような天気でございます。この不快な天気なのに、僕の歌って、すごくじめじめしてるんです(笑)。さらに不快指数が上がってしまうかも」と観客を笑わせたのち「ランナー」を届ける。中田は矢井田のステージを振り返り「ヤイコさん、素晴らしかったですね……。生ダーリンダーリン聴いちゃったね」とうれしそうに笑った。2人の仲睦まじい様子に、フロアの幸福度はどんどん増していく。「誘惑」が始まると2拍、4拍でアコースティックギターのボディを「ポンッ」と叩く中田。スネアのように響くその音が聴く人の体を自然と揺らす。甘くグルーヴィな歌声がこだましたのち、中田は「43歳ですよ、今年で」と照れ笑いをしながら熊本民謡「五木の子守唄」をカバー。歳を重ねたからこその渋さ、深さ、さらには曲中で異音を鳴らしたドリンクカウンターに「大丈夫?」と声をかける余裕を見せつけた。

未発表の新曲と、それに続く「Deeper」「ただひとつの太陽」は技巧的なギターフレーズを交えつつエレアコで披露され、場内はさながらジャズクラブのような様相を呈す。そして話題は楽屋のケータリングの話に。「ナタリーさんの景気がいいのか、ちょっとわからないんですけれども、皆さん信じられますか?」と切り出した中田は「鰻重が出たんですよ!」と暴露。この日一番の大歓声がここで巻き起こった。椿屋四重奏の楽曲「シンデレラ」が披露されたのち、中田は「正体」の伴奏に乗せて「ナタリー!」「鰻ありがとう!」「おいしかったよ!」と声を上げ、さらに冒頭の歌詞は「アナゴと比べるなら 天と地の差がついたな」に変えて届けられた。ラストナンバー「MIDNIGHT FLYER」を歌い上げた中田は、ステージをあとにする。

矢井田瞳&中田裕二

アンコールに応えて、再び姿を現した2人。矢井田は鰻重について「ちょっとプレッシャーも感じなかった? お前らわかってるやろな、みたいな(笑)」と口にして「ピシっと背筋を伸ばしながら、いただいた鰻重でした」と笑った。2人が1曲目に選んだのは坂本九「上を向いて歩こう」。矢井田が歌う力強い主旋律に、中田の哀愁漂うコーラスが重なる。タイプの異なる2人の声が心地よく混ざり合ったのち、中田が「ぜひヤイコさんの声で聴きたい」とリクエストしたノラ・ジョーンズ「Don't Know Why」のカバーがスタート。2人はアコースティックギターで美しいアンサンブルを奏でながら、英詞を自由自在に歌いこなす。終始和やかな空気に包まれたこの日のライブは、石川さゆり「ウイスキーが、お好きでしょ」のカバーで色気たっぷりに幕を閉じた。

セットリスト

「ライブナタリー “矢井田 瞳 × 中田 裕二”」2024年2月19日 新代田FEVER

矢井田瞳

01. かまってちゃん。
02. Ring my bell
03. 駒沢公園
04. Over The Distance
05. 雨の後、路は輝く
06. Look Back Again
07. My Sweet Darlin'
08. アイノロイ

中田裕二

01. ランナー
02. 誘惑
03. 五木の子守唄
04. 新曲
05. Deeper
06. ただひとつの太陽
07. シンデレラ
08. 正体
09. MIDNIGHT FLYER

矢井田瞳&中田裕二

01. 上を向いて歩こう
02. Don't Know Why
03. ウイスキーが、お好きでしょ

関連記事

「中田裕二 LIVE in the DARK tour 2024」告知ビジュアル

中田裕二、福岡&東京でプラネタリウムライブ開催

2か月
松室政哉とコラボアーティスト。

松室政哉の2年ぶりアルバムリリース決定、MORISAKI WINとのコラボ曲先行配信

3か月
中田裕二

中田裕二、千ヶ崎学&sugarbeansとトリオでビルボードツアー

3か月
左からむらきゃみ、矢井田瞳、加納。

矢井田瞳、Aマッソ単独ライブの劇中歌を書き下ろしていた

3か月
矢井田瞳

デビュー25周年の矢井田瞳、アニバーサリー企画第1弾で全28公演の全国弾き語りツアー開催

6か月
中田裕二

中田裕二の新アルバム「ARCHAIC SMILE」は作詞作曲、演奏すべて1人で担当

7か月
「世紀のうた・心のうた -服部良一トリビュート-」ジャケット

ジャケットには若き日の姿、服部良一トリビュートアルバムのタイトル決定

9か月
「ライブナタリー “矢井田瞳 × 中田裕二”」告知ビジュアル

矢井田瞳と中田裕二、ライブナタリー企画で弾き語りツーマン

10か月
服部良一

服部良一トリビュートアルバムに小西康陽、スチャダラパー、曽我部恵一、真心ブラザーズ、矢井田瞳ら

10か月