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tuki.「サクラキミワタシ」はただの卒業ソングではない? / 粗品バンドのまっすぐな歌に救われる人が続出

再生数急上昇ソング定点観測
2か月前2024年03月08日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで2月23日から2月29日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、2月23日のMV公開から2週間で2200万回再生を突破したTWICEの「ONE SPARK」が1位に。ダイナミックなビートとファンタジックなシンセサウンドが印象的なダンスチューンで、MVは派手な照明や花火などインパクトが強い演出が施されている。

7位は卒業ソングの鉄板であるアンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」の、THE FIRST TAKEで公開された一発撮りパフォーマンス。この動画で彼女は、2023年度NHK全国学校音楽コンクールで2年連続金賞を受賞し、合唱日本一に輝いた大妻中野中学校合唱部の3年生たちと歌唱している。ちなみに卒業シーズンということで、ほかにも卒業ソングとして人気のレミオロメン「3月9日」も55位に上昇している。

25位にランクインしたのは、Adoの「Value」。MVはAppleの協力のもと、イラストからアニメーションまですべてがiPadで制作されている。Aメロで波線のように揺らぎながら歌うメロディが新鮮で、Adoの新しい引き出しが感じられる。

26位には、現在上映中の「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」の主題歌として書き下ろされた、Vaundyの「タイムパラドックス」が登場した。「ポケット」や「未来」など「ドラえもん」を想起させる歌詞が印象的で、染谷将太が出演しVaundyが監督を務めたMVも「ドラえもん」の世界観を感じさせる。YouTubeのコメント欄には映画を観た方からの賞賛のコメントも多い。映画を通してこの曲を聴くとどんな感動が待っているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。

29位に初登場したのはRADWIMPSの「正解」。これはもともと2018年にNHK総合で放送された番組「RADWIMPS 18祭」のために書き下ろされた曲で、発表から6年の間に卒業シーズンの定番曲として口コミで広まったのを受けて、2月に新録バージョンがCDリリースされた。YouTubeのコメント欄には「この曲を聴きながら、これから卒業式に行ってきます」や「昨日卒業式でした。この曲を聴いて『もう、あの日常はないんだな』と改めて思いました」など中高生からのリアルな声が寄せられた。

仲間と過ごした日々の思い出や、別れと旅立ちを連想させる卒業ソングが多くランクインした今週は、下記の3曲をピックアップ。

猫又おかゆ「ネコカブリーナ」

※YouTubeミュージックビデオランキング初登場35位

猫又おかゆは2月22日にYouTubeで、自身の生誕祭としてバーチャルライブを配信。ここでお披露目された「ネコカブリーナ」は、ピノキオピーが楽曲提供をした軽やかで中毒性の高いメロディが魅力のポップチューンとなっている。

個人的に惹かれたのは、歌詞と歌声だ。「みんな~ 自分 疑ってるかい?」という印象的なフレーズがあるように、この曲で彼女は「猫を被って生きることで、世間とうまく付き合っていこう」と呼びかけている。猫を被ることを「ファスナーつきの猫」「ファスナーつきの人」と表現しているのもシャレが効いていて面白い。どこか無機質な歌い方の彼女の声を聴いていると、「本当は繕わずにありのままの自分で生きたいと思っているのではないか?」なんてふうにすら思えてしまう。

MVの監督はテレビアニメ「ブルーロック」を手がけた渡邉徹明、総作画監督はテレビアニメ「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」の相音光が担当。さまざまな人気タイトルで活躍中の豪華アニメーター陣が作画を手がけている。ちなみに、渡邉はデビュー配信からの猫又おかゆのファンで、X(Twitter)にて彼が「デビュー配信から推している猫又おかゆさんのオリジナル楽曲ということで、バチクソに気合いを入れて制作しました!」とポストした通り、MVはファン目線が反映された熱のこもった力作に仕上がった。

tuki.「サクラキミワタシ」

※YouTubeミュージックビデオランキング初登場51位

現在15歳のtuki.は去年配信リリースした「晩餐歌」で瞬く間に注目され、同曲のストリーミング再生数は今年1月に累計1億回を突破した。今回のYouTubeミュージックビデオランキングには、去年11月に優里と歌った「晩餐歌」のコラボ動画が21位、去年12月に公開されたMVが現在3位にランクインしており、この曲のリスナーは今もとどまることなく増え続けている。

そんなtuki.がABEMAの恋愛番組「今日、好きになりました。卒業編2024」の挿入歌「サクラキミワタシ」のMVを公開した。今年の春、彼女自身が中学を卒業することもあってか、大好きな人や学校との別れを惜しむ描写がリアルな卒業ソングになっている。

MVのアニメーションを担当したのは「晩餐歌」のイラストに引き続き、「約束のネバーランド」の作画を担当した出水ぽすか。学校卒業を控えた主人公の女の子が、好きな人と過ごせる残り少ない時間を噛み締めるように過ごすという、歌詞の内容と見事にマッチした映像が、楽曲の魅力を引き上げている。

気になったのは、2分20秒以降のシーンだ。女の子が携帯を握りしめて、雨が降る夜道を傘を差さずに走っている。そして何かを目撃した瞬間、好きな人との思い出がフラッシュバックし、涙を流して膝から崩れ落ちる。次の場面で2人が対峙して、男の子が笑顔で話しかけるが、女の子は涙を流して首を振る。個人的には、男の子が事故や何かの不幸にあって亡くなってしまい、天国へ行く前に最後のお別れを告げているシーンに思えた。サビの「桜 君 愛し 泣いちゃってごめんね」のフレーズも、卒業して離れ離れになる寂しさだけでないのかもしれない、と考えれば考えるほど妄想が掻き立てられる。

3月1日には、tuki.と優里が歌った「サクラキミワタシ」のアコースティックバージョンのコラボ動画が公開されているので、MVと合わせてチェックいただきたい。

粗品「サルバドルサーガ」

※YouTubeミュージックビデオランキング初登場94位

4月17日にリリースされる粗品(霜降り明星)の1stアルバム「星彩と大義のアリア」の収録曲「サルバドルサーガ」のMVが94位にランクインした。同アルバムから先行配信されている「宙ぶらりん」に引き続きこの曲でも、粗品はギター&ボーカルを担当し、ベースに藤本ひかり(ex. 赤い公園)、ドラムに岸波藍(ex. セプテンバーミー)を迎えてスリーピースロックバンド編成でレコーディングに挑んだ。

粗品は「サルバドルサーガ」のMV撮影のために、伸ばしていた髪を切り、「R-1ぐらんぷり2019」優勝時に着用していたパジャマで撮影に臨んでいる。このことからも、いかにこれが彼にとって特別な曲であるのかがうかがえる。YouTubeのコメント欄には、人生に不安を抱えている人たちから「この曲を聴いて励まされた」という熱い声がたくさん投稿されている。

1番の「今、生きてる そんな自分を愛してる もっと褒めてくれ」というフレーズを聴くと、彼の自己肯定感と他者から認められたい気持ちを歌っているようにも受け取れるが、2番で「今、生きてる そんなあなたを愛してる 偉い偉すぎる」につながることから、この曲は粗品自身のことを歌っているだけではなく、今を懸命に生きている人たちに宛てた応援歌という側面も見えてくる。以前までの粗品の曲とは違ったシンプルなスリーピースのロックサウンドに乗せて、ポジティブな人生観をまっすぐに力強く歌うからこそ、この曲が聴く者の心に刺さるのだろう。

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