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BE:FIRST×オーケストラが見せつける7人の成長 / Eveのひさびさのボカロ曲、回収の仕方がすごい

再生数急上昇ソング定点観測
約1年前2024年03月22日 9:05

YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで3月8日から3月14日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。

文 / 真貝聡

まずはこの週の初登場曲の振り返りから

この週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、2位にTHE FIRST TAKEで披露されたCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が初登場した。1位は先週に続き「Bling-Bang-Bang-Born」とテレビアニメ「マッシュル-MASHLE- 神覚者候補選抜試験編」のコラボMVで、同じ曲が1位2位を独占。それだけでなく、なんとウィークリーグローバル楽曲チャートでも1位を獲得し、リリックの通り、世界の“一番上”に登りつめる快挙を成し遂げた。

Creepy Nutsの公式チャンネルは3月18日にCreepy Nutsの魅力を全編英語で紹介する映像、3月19日に「Bling-Bang-Bang-Born」の英訳リリックビデオを公開していて、世界一になってからも海外のリスナーに積極的にアプローチしている。

23位には、LE SSERAFIMの3rdミニアルバム「EASY」の収録曲「Smart」が登場。MVは楽曲の雰囲気を反映させた異国情緒あふれる仕上がりになっていて、ビタミンカラーの衣装を着たメンバーのダンスを観ることができる。

28位は現在公開中の映画「恋わずらいのエリー」の主題歌であるNiziUの「SWEET NONFICTION」。恋に臆病な女子高生の心情を繊細に表した、かわいくてポップな楽曲だ。3月9日に神奈川・横浜アリーナにて開催された「DayDay. SUPER LIVE 2024」初日公演で初披露されて話題になった(参考:PerfumeとNiziUの相思相愛コラボライブついに実現、12人編成ダンスに感極まって涙)。

35位には、ZEROBASEONEの日本デビュー曲「ゆらゆら -運命の花-」が初登場。恋に落ちた瞬間のときめく気持ちを、ポップなサウンドに乗せた楽曲となっている。彼らはこの曲で初めて日本語の歌詞に挑戦しており、YouTubeのコメント欄には「発音が完璧」と称賛の声が多かった。

58位は、グローバル展開を目指して全編英語詞で制作されたIMP.の「FLOW」。艶っぽい歌唱やコーラスなど、7人の多彩なスキルを堪能できる。国内のみならず世界で支持されている日本のアーティストの楽曲から、K-POPアーティストによる待望の日本デビュー曲など、多種多様な楽曲がランクインした今週は、下記の3曲をピックアップ。

BE:FIRST「Gifted -Orchestra ver.-」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場13位

BE:FIRSTのデビュー曲「Gifted」をオーケストラアレンジした「Gifted. -Orchestra ver.-」が13位にランクインした。“生オーケストラ”と“ダンスパフォーマンス”という異色の組み合わせによる撮影が行われたのは、世界的指揮者のサー・サイモン・ラトルが「世界最高のホールの1つ」と評した神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールだ。

演奏にはディレクション、アレンジ、オーケストレーションまで手がけているチェロ奏者の徳澤青弦を含むストリングス27人と、ピアノ1人、パーカッション3人、ホーン5人の計36人が参加し、70本のマイクを使って録音された。さらに、ソニーの360立体音響技術「360 Reality Audio」を採用したことで、生演奏に囲まれているかのような、没入感のある立体的な音場を味わえる。

最高の音質と演奏が楽しめるのはもちろんだが、ここで注目するべきはやはりBE:FIRSTの7人だろう。どの瞬間を切り取っても画になる表現力豊かなダンスと、重厚なオーケストラの音圧にまったく引けを取らない美しく力強い歌声。自分たちの原点であるデビュー曲を圧倒的なまでに進化させることで、2021年から3年の間でメンバーがいかに大きく成長したのかを彼らはまざまざと見せつけているのだ。

Eve「Glorious Day feat. 初音ミク」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場27位

「ポケットモンスター」と初音ミクがコラボした企画「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」。ポケモンの持つ“タイプ”が18種類あることになぞらえて、18名のボカロPによる「ポケモン」公式ゲーム音源をサンプリングした楽曲とミュージックビデオが数カ月にわたって公開されてきた。その第18弾となる「Glorious Day」を作ったのは、ボカロ曲を公開するのは2021年の「群青讃歌」以来2年半ぶりとなるEveだ。

Eveが「歴代チャンピオン達へのリスペクトとポケミクという素晴らしい企画のアンセムになってほしいという願いを込めて作りました」とコメントしている通り、この曲には「ポケモン」シリーズの歴代チャンピオン戦のBGMが随所に盛り込まれており、また「ポケットモンスターX・Y」のカルネ、「ポケットモンスターブラック・ホワイト」のアデクなど歴代チャンピオンのセリフが歌詞に踏襲されている。「ポケモン」をプレイしたことがある人なら、聴けば思わず胸が熱くなるだろう。

「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」の特設サイトでは昨年9月から、クリエイター6名の描き下ろしによる、初音ミクがポケモントレーナーに扮した18タイプのイラストと設定資料が公開されていたが、「Glorious Day」のMVには18タイプのポケモントレーナー初音ミク&相棒ポケモンがすべて登場。曲においてもMVにおいてもここまでの一連の流れを回収する内容になっていて、この企画を追ってきたリスナーたちを感動させている。

ちなみに「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」は当初は18弾で終わる予定だったが、追加楽曲が制作されることが決定。sasakure.UKが新曲を作っているとのことなので、続報を楽しみにしておこう。

DECO*27「ルーキー feat. 初音ミク」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場88位

“ミクの日”の3月9日に公開されたDECO*27の「ルーキー」は、彼がこれまで表現してきた音楽の集大成でありつつ同時に、ラストの「さあ 新章しゃきん!」というフレーズからもわかるように新しいフェーズへ突入したのを感じる楽曲となっている。

冒頭はリズミカルで心地のいい四つ打ちで始まるこの曲。1分8秒からは「ヒバナ」のようなハードロック調に変わって、1分53秒から「おじゃま虫」を彷彿とさせるポップなエレクトロサウンドに転換していく。

MVのディレクション / キャラクターデザイン / イラストは、DECO*27の「ゾンビ」「ブループラネット」も手がけたDMYM/No.734が担当した。楽曲のテーマが“デジタルタトゥー”ということで、MVに映る初音ミクの肌には「GHOST」や「Love calendar(ラブカレンダー)」など過去曲のタイトルがタトゥーとして彫られていて、楽曲や映像を通してDECO*27というアーティストのドラマが凝縮されている。

先述した新しいフェーズとは具体的にはなんなのか。1つは今回、DECO*27たっての希望でMVディレクターのDMYMが先にビジュアルイメージを作り、それを膨らませて楽曲を作るという、新しい試みに挑戦していることだろう。そしてもう1つ、初音ミクの調声にも大幅な変化が見られるのもポイントだ。DECO*27がX(Twitter)で「ずっと挑戦者でありたいという気持ちを込めて『ルーキー』書きました」とポストとしているように、彼自身の新しい魅力を開拓した楽曲に仕上がっている。

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