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King Gnuが5大ドームツアー完走「今日は伝説作りましょうよ」“100年後の未来”に刻む5万5千人の熱狂

King Gnu(Photo by Kosuke Ito)
約1か月前2024年03月26日 13:02

King Gnuの5大ドームツアー「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN」の最終公演が、3月23日に北海道・札幌ドームで開催された。

5万5000人の東京ドーム、“WE R SPECIAL”の高揚

1月の大阪・京セラドーム大阪公演を皮切りに、計9公演が行われた今回のツアー。2019年1月のメジャーデビューから約5年での5大ドームツアー開催は、バンドとしては史上最速の記録となる。用意されたおよそ38万枚のチケットが完売したため、最終公演は全国各地の映画館でライブビューイングも行われるなど大盛況の中で実施された公演のうち、この記事では1月28日に行われ、約5万5000人を動員した東京・東京ドーム公演の模様をレポートする。

開演を待ち望む無数のオーディエンスから自然発生的にクラップが沸き起こった東京ドーム。突然の暗転に場内の期待感が最高潮に高まったその瞬間、King Gnuの4人は「SPECIALZ」で熱狂の火蓋を切って落とした。開始早々ステージ上から放たれた圧倒的熱量の演奏に、広大な客席を埋め尽くす聴衆もそれぞれに歓喜の声を上げる。2022年11月に行われた初の東京ドーム公演が行われた際に、常田大希(Vo, G)は「子供の頃に憧れていたドームクラスのロックバンドを作ること」がKing Gnuの結成理由であることを明かしていた。スタジアムバンドとしての確かな力を持って“必然のステージ”で歌われる「WE R SPECIAL」のフレーズは、その場の誰しもの心を高揚させるパワーをたたえていた。

勢喜遊(Dr, Sampler)の威勢のいいカウントから2曲目の「一途」へ雪崩れ込むと、聴衆の心拍数を一気に引き上げるようなバンドアンサンブルを叩きつける4人。無数のレーザー光線が忙しなく広い空間を駆け抜けていく演出も、客席の興奮状態を加速させていく。圧倒的なテンションと集中力をもってオープニングパートを駆け抜けるKing Gnu。巨大なステージセットの至る所から炎柱やファイヤーボールが噴出した「STARDOM」では冒頭からオーディエンスの大きなシンガロングが響き渡ってドームの空気を震わせる。強い一体感を誰もが感じたその瞬間、ステージ上の巨大なビジョンにはツアータイトル「THE GREATEST UNKNOWN」の文字が掲げられた。

「今日はちょっと、伝説作りましょうよ」

2023年11月にリリースされた最新アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」を引っ提げて行われた今回のドームツアー。全21曲をシームレスにつないだこのアルバムの世界観が、ライブならではの響きやストーリー性をもって観客へと送られた。「MIRROR」「CHAMELEON」「DARE??」から「Vivid Red」へとつないでいく流れの中で井口理(Vo, Key)がクリアで繊細なボーカルを聴かせて内生的なムードを誘ったひとときを経て、この日最初のMCで井口は「ついにツアーも6公演目です。いいじゃん、東京。あったまってんじゃん!」と声を上げる。「俺らも、まさかここまで来られるとは思ってなかった。みんなのおかげでここまで来れてさ」とドームツアー実現の感慨を表明した彼は、この日の公演に収録が入っていることを伝えたうえで「みんなのいい顔が、でかい声が、揺れてる体が映像に残ってさ。100年後とか、誰も生きてないかもしれないけど……見知らぬ人が今日の映像を観て『こんな最高な日があったんだ』って思えるかもしれないじゃないですか。ちょっと夢あるでしょ? 今日はちょっと、伝説作りましょうよ。とにかく楽しんで。よろしく!」と呼びかけて大歓声を誘った。

そんなMCを経ての中盤、「硝子窓」で幕を開けたセクションでは、雄弁なアンサンブルを奏でるバンドサウンドとコンセプチュアルな映像、空間演出の融合が観る者の心を奪った。ピアノの前に座った常田が美しい旋律を奏でた「硝子窓」では新井和輝(B)の重たいベースの音が主人公の張り詰めた心情に寄り添うように響く。美しい光の演出に彩られた「泡」では、秘め事を漏らすようにミステリアスな井口のボーカルに3人の演奏が寄り添い、聴衆を心地よい揺らぎの中へと誘った。

椎名林檎、サプライズ登場

「2 Μ Ο Я Ο」「Vinyl」の流れの中で勢喜と常田が聴かせた遊び心あふれるソロにオーディエンスが熱狂し、ひとつのハイライトが生まれたところで、King Gnuは観客へビッグサプライズを贈る。轟音のアンサンブルと花火や炎のド派手な演出に誘われてスポットライトを浴びたのは椎名林檎。想定外のゲストの登場に、ドームには割れんばかりの歓声が湧き上がった。2組が「W●RK」を投下するやいなや場内の熱はさらに高まり、圧倒的な存在感と華やかな佇まいをもって歌声を響かせる椎名と常田のバイタリティに満ちた声の重なりがオーディエンスを高揚させる。曲を歌い終えた椎名がさっそうとステージを去ったあとも4人は「):阿修羅:(」で勢いを加速。舞台上から放たれるカオティックなアンサンブルに聴衆もクラップで応戦する、凄まじい熱量の交歓が興奮のムードを作り上げた。

逆光の照明演出が4人の姿をドラマチックに浮かび上がらせた「逆夢」を経て、「Slumberland」でトラメガを手にした常田が「踊れ!」と声を上げると、会場中がハンズアップと歌声で彼の声に応じる。この曲を機に、バンドが曲数を重ねるたび熱狂を増幅させていくような盛り上がりに包まれたライブ後半。ドライブ感あふれる演奏の上、井口の瑞々しい歌声が空間を満たした「Sorrows」ではオーディエンスがクラップで曲を彩る。エッジーかつパワフルなサウンドが飛び交う中、「飛べ!」の声に反応した観衆の歓喜の狂乱によってドームの一体感が決定付けられたのは「Flash!!!」。確かな熱を受け取った井口は、曲を終えるなり「最高!」と声を上げた。

「楽しんだもん勝ちだよ! このあともよろしくね!」。井口のフレンドリーな呼びかけが会場のムードを和ませたMCを経て、「BOY」でライブはクライマックスへ。ステージサイドのビジョンには“ちびっ子King Gnu”の4人がのびのびと演奏する姿と“今”の4人の姿が交錯するように映し出され、軽やかな高揚感と笑顔を誘う。「雨燦々」で井口が「歌おう!」と声を求めると、両手を挙げて揺れる客席からは美しく大きな歌声が。そしてバンドは「三文小説」をここで送り、4人の気迫に満ちた演奏、渾身の歌声に誰もが息を呑むひとときをもってライブ本編を締めくくった。アルバムのラストと同じ「ЯOЯЯIM」が流れる中でステージを去る4人の姿にエンドロールが重なる光景を目の当たりにした聴衆は、このラストシーンを惜しみない拍手で彩っていた。

「俺らの音をかき消してよ。俺たちもっと大きい声で歌うからさ」

スマートフォンのライトを灯してアンコールを求める客席のアクションに応えてステージに戻ると、4人は「年々願掛けみたいなことが増えてくる」という井口のひと言をきっかけに、それぞれの“願掛けエピソード”を明かしていく。まるで楽屋での4人の会話に参加しているような砕けたムードのひとときがオーディエンスを和ませると、常田は「アルバムのツアーだから普段と違う始まり方と終わり方をしたんだけど、アンコールはKing Gnuを代表する2曲をやります」と予告した。

「この2曲ってさ、大勢で歌うことを考えて作ったわけよ。今日、たくさん歓声もらったんだけど、その10倍くらいの声でみんなで歌いませんか? 俺らの音をかき消してよ。そうしたら、俺たちもっと大きい声で歌うからさ。ここにいる5万5000人、限界まで歌って、全部のエネルギーを置いていって。明日からまたお仕事がんばってください」。常田がそう言うと、井口も「やろう。いこう!」と続く。そしてプレイされた「Teenager Forever」「飛行艇」では、常田の熱く思いのこもった呼びかけへのアンサーとばかりに、5万5000人が全力の熱狂と歓声で4人が放つ音に身を委ねる。ダイナミックかつ圧倒的な演奏力とカリスマ性に満ちた統率力をもって、オーディエンスのボルテージを最高潮まで引き上げて大団円を迎えると、井口は轟音の中で「Thank you!」と叫び、その表情に確かな充実感をにじませていた。

セットリスト

「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN」2024年1月28日 東京ドーム

01. SPECIALZ
02. 一途
03. 千両役者
04. STARDOM
05. MIRROR
06. CHAMELEON
07. DARE?? 
08. Vivid Red
09. 白日
10. 硝子窓
11. 泡
12. 2 Μ Ο Я Ο
13. Vinyl
14. W●RKAHOLIC
15. W●RK
16. ):阿修羅:(
17. δ
18. 逆夢
19. IKAROS
20. Slumberland
21. Sorrows
22. Flash!!!
23. BOY
24. SUNNY SIDE UP
25. 雨燦々
26. 仝
27. 三文小説
28. ЯOЯЯIM
<アンコール>
29. Teenager Forever
30. 飛行艇

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