Summer Eyeのバンドセットツアー「Summer Eye Sound Syndicate 2024 EARLY SUMMER TOUR『予感』」の東京公演が6月12日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。
京都、愛知、東京の3カ所で行われた本ツアー。浜公氣(Dr)、ぱるぷんて(B)、牧野琢磨(G / NRQ)、おじまさいり(Syn / neco眠る)、佐藤剛志(Perc)がバンドメンバーとして参加し、Summer Eyeこと夏目知幸とともに“Summer Eye Sound Syndicate”としてライブを繰り広げた。
浜とぱるぷんてがビートを刻み始めると夏目はステージを降り、フロアに設置されたカウンターの上を動き回る。気持ちよさそうに体を揺らしながら、ハンドマイクで「求婚」を歌い上げた。観客が掲げたドリンクカップに夏目が乾杯するたび、大歓声が巻き起こる。曲中で夏目が「カモン!」と呼びかけると「結婚しようよ!」というレスポンスが届けられた。
夏目が電子トランペットを吹いてスタートしたのは「双六」。フロアに独特の浮遊感が漂う中、「すき焼き食べたいんだ!」というピースフルなフレーズを歌いながら夏目はステージへ移動する。「そしてSUKIYAKIを歌う!」とシャウトした彼は「上を向いて歩こう(英題:SUKIYAKI)」の一節を歌唱。観客も一緒になって歌い、場内はとてつもない幸福感に包み込まれた。
ステージの中心に立ち、ギターを構える夏目。絶妙に気の抜けた音色が響き、南国感あふれる趣で「大吉」が届けられる。牧野のギターソロがフロアを沸かせたのち、「えっちだった」という歌詞が意味深に繰り返された。「白鯨」を経て、夏目は「QUATTRO、すごく好きな箱です。前やってたバンドで10年前に『AFTER HOURS』ってアルバムを出したときにここでレコ発をやってるんですよ。10年経ってね、また俺のことが好きな人と一緒に過ごせる……最高です!」と喜びを伝える。
「真実の愛に気付いた2人の曲をやります!」という夏目の言葉で始まったのは「生徒」。深いディレイのかかったボーカルがフロアをぐるぐると回り続ける。続いてカーネーション「Edo River」のカバーが披露され、場内は突如クールな雰囲気に。佐藤のボンゴがアンサンブルに彩りを加え、心地よいビートが観客を踊らせた。そのまま間髪いれず「三九」がスタートすると「何も考えてなかった」というフレーズがだんだんとファンを陶酔させていく。曲の終盤では「I want you」でコール&レスポンスが巻き起こり、夏目は「両思いだね!」とうれしそうに叫んだ。
「三九」という曲名の通り、ライブ翌日に39歳の誕生日を迎えた夏目。場内に祝福の声が飛び交い、おじまから39歳の抱負を聞かれた彼は「ノー抱負人間です。ろくなことないよ! 目標とか持っても」と語る。佐藤が「成長チャンスだよ」と口にすると、夏目は「急に代理店みたいなこと言い出して! 怖い怖い」と笑った。糖分補給のためフィナンシェを食べる夏目を、おじまが「え! 口の水分持ってかれてないかな?(笑)」と心配する一幕も見られた。
夏目が「みんなも今日成長して帰ろうぜ!」と高らかに叫び、ライブは後半戦へ。「水坑」「湾岸」「失敗」が畳みかけられたのち、彼は「俺が俺のために作った1stシングルです」と口にして「人生」を披露。シャカシャカと刻まれるシェイカーと、揺らぐような響きを持ったシンセサイザーの音色がアンニュイな雰囲気を作り出す。夏目はシャウトにも似た威勢のよい声で「飲まれろ!」を連呼し、場内のボルテージを急上昇させた。
アンコールの拍手に迎えられてステージに姿を現す6人。「尊敬するパンクバンドの、すげえいい曲!」という夏目の曲振りで、THE BLUE HEARTS「すてごま」のカバーが届けられる。熱いバンドサウンドを響かせてライブの幕を閉じたかと思いきや、再びこだまするアンコールの声。夏目が観客に曲のリクエストを求めた結果、ラストナンバーはこの日2度目の「求婚」に決定した。夏目は今後もライブ予定がたくさんあることを匂わせたのち、「全部来た人には100円あげまーす!」と叫ぶ。フロアのど真ん中に移動した彼は360°の喝采を浴びながら歌唱し、万雷の拍手に包まれつつ姿を消した。
「Summer Eye Sound Syndicate 2024 EARLY SUMMER TOUR『予感』」東京公演 2024年6月18日 渋谷CLUB QUATTRO
01. 求婚
02. 双六
03. 大吉
04. 白鯨
05. 生徒
06. Edo River(原曲:カーネーション)
07. 三九
08. 甘橙
09. 水坑
10. 湾岸
11. 失敗
12. 人生
<アンコール>
13. すてごま(原曲:THE BLUE HEARTS)
<ダブルアンコール>
14. 求婚
Photo by Yuki Sato(Sugar-Man)