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仲間とファンに恵まれたフォーリミ、コラボあり未完成の新曲披露ありの「YON FES」大団円

「YON FES 2024」2日目公演の様子。(撮影:ヤオタケシ)
4か月前2024年06月24日 6:01

04 Limited Sazabysが主催する野外イベント「YON FES 2024」が6月22、23日に愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で開催された。この記事では2日目公演のレポートを掲載する。

Crossfaith / プッシュプルポット

雨が降ったり止んだりと不安定な天候になった2日目公演。前説コーナーにはフォーリミに加えKEYTALKの小野武正(G, Cho)も登場し、「1、2、3、『YON FES』!」のかけ声とともに幕を開けた。SKY STAGEには活動休止を挟んで2年ぶりの出演となるCrossfaithが登場。バンドはサークルモッシュ、タオル回し、ウォールオブデスを発生させ、朝のモリコロパークを熱気で満たして健在ぶりを見せつける。Koie(Vo)は「YON FES」出演オファーを活動再開の発表とほぼ同時にもらったことを説明しつつ「その感謝の気持ちを込めて『YON FES』をブチ壊したいと思います」と宣言。その後Crossfaithがフォーリミの「monolith」をカバーし、GEN(B, Vo)が歌唱するひと幕も。バンドはここから自身の楽曲「Monolith」を続けるという粋なセットリストで場内を沸かせた。「YON FES」初出演のプッシュプルポットは、山口大貴(Vo, G)が「1年前、対バンツアーに呼んでもらったわけ。そのツアーのゲストバンドの中で一番カッコよかった。だからこのステージに立ってる」と語る。彼らは「YON FES」出演の喜びを爆発させるように「笑って」や「最終列車」を愚直に演奏した。

go!go!vanillas / Chilli Beans.

雨がしとしと降りしきる中、go!go!vanillasはリハーサルでフォーリミの「Warp」をカバーし、GENが飛び入り参加して観客を沸かせた。本番でバニラズは、四つ打ちのリズムと陽気なメロディが印象的な「カウンターアクション」、ライブでおなじみのナンバー「平成ペイン」をプレイ。牧が「俺の仲間の大切な祭りだからまだまだいかせてもらってもいいですか?」と気合いを入れ、バンドはファンク調の「平安」、人気曲「エマ」を演奏して場内をピースフルなムードで満たした。この日、紅一点のChilli Beans.はエレクトロサウンドに砂糖菓子のように繊細な歌声が重なる「aaa」、チルアウトムード漂う人気曲「lemonade」などで観客の体をゆらゆらと揺らす。アンニュイなナンバー「105」や軽やかなリズムが刻まれる「シェキララ」を経て、Maika(B, Vo)が「『YON FES』ありがとうございました! 最後に新曲やって帰りたいと思います!」と前置きし、チリビは「Mum」でUKロックを彷彿とさせるサウンドを響かせてステージをあとにした。

ORANGE RANGE / YOUR SONG IS GOOD

SKY STAGEにORANGE RANGEが登場する頃に雨は本降りに。そんな中、彼らは「いいね快晴じゃん」という歌詞で始まる「上海ハニー」を1曲目に披露し、沖縄の踊り“カチャーシー”でオーディエンスを盛り上げる。その後も「以心電心」「ロコローション」「イケナイ太陽」などヒット曲を連発し、雨が降っていることを忘れさせるようなはつらつとしたパフォーマンスを展開した。YOUR SONG IS GOODはご機嫌なインストナンバーを芳醇なアンサンブルで奏でてオーディエンスを自由に踊らせる。MCではサイトウ“JxJx”ジュン(Organ, Vo)が初出演となる「YON FES」について「いろんなフェスに出てきましたけど、1つのバンドがやってるフェスとしてすごいと思いました」と絶賛。ラストにはGENが登場し、ユアソンの楽曲「THE LOVE SONG」でコラボ。ユアソンメンバーが奏でる演奏に乗せてしっとりと歌い上げた。

ハルカミライ / KOTORI

ハルカミライはジングル前に登場。「みんなばっかり濡れていて申し訳ないから」とペットボトルの水を頭から被り、「ファイト!!」をプレイするサービス精神を見せる。そのままジングルを挟んで「君にしか」へつなげると、橋本学(Vo)がさっそく客席エリアの柵前へ。大粒の雨を浴びながら伸びやかな声を響かせ、シネマティックなシーンを作り上げた。MCでは橋本が「『YON FES』来てるヤツらは“Squall”の中を“swim”するんでしょ?」と、フォーリミの楽曲タイトルを使用して観客を喜ばせた。ここで雨が止み、淡い光が照らすLAND STAGEにKOTORIが現れた。7月まで開催中のツアーをもって細川千弘(Dr, Cho)が脱退することを発表している彼ら。「RED」では、モリコロパークのある長久手市出身の細川が郷愁に浸るような表情で空を見つめながら、しっかりとした手つきでバンドの音を支えた。横山優也(Vo, G)が「この4人でステージに立てること、この曲を千弘の故郷で歌えることを誇りに思います」と感傷的に前置きしてから、KOTORIは「素晴らしい世界」を披露。4人で演奏できる喜びを噛み締めてアクトを終えた。

SiM / FOMARE

エモーショナルな時間を経て、SiMがSKY STAGEに足を運ぶ。“悪魔”と形容されることもあるMAH(Vo)が「世界が愛と平和で包まれて笑顔あふれるそんな世界になればいいな」と“らしくない”MCをしたあとに、SiMはハードなサウンドの「The Rumbling」を投下。またSiMは主催フェス「DEAD POP FESTiVAL」を6月に開催していることから、MAHが「『YON FES』、4月に戻さないかい? 戻さない? ヤダヤダヤダ!」とステージに寝そべり駄々をこねるひと幕も。茶目っ気のあるところを見せたあと、SiMはKoie(Crossfaith)を呼び込んで「f.a.i.t.h」を激しくプレイし、クールな一面も示してステージを降りた。LAND STAGEのトリを務めたのは、主催フェス「FOMARE大陸」の開催を10月に控えるFOMARE。先日喉に不調が生じたアマダシンスケ(B, Vo)が「声が出なくなってわかったんですけど、FOMAREはみんなの声と熱量に助けてもらってます」と噛み締め、バンドは「Lani」や「愛する人」を熱演。観客のシンガロングを響かせてLAND STAGEでのパフォーマンスを締めくくった。

04 Limited Sazabys

そして大トリのフォーリミがSKY STAGEへ。雨は止み、気持ちのいい風が吹く中で、彼らは清涼感のあるナンバー「Milestone」で滑り出し、客席エリアにはさっそくサークルピットが発生した。さらにバンドは「fade」「knife」と鋭いサウンドの楽曲で切り込む。GENが「2日間楽しかったね!」と朗らかに笑ったあとには、アッパーな「Kitchen」「My HERO」が続けられた。さらにフォーリミは「Galapagos ll」「Galapagos」と、めまぐるしく展開するユニークなサウンドに言葉遊びのようなフレーズを乗せた、フォーリミならではのナンバーを並べて観客を沸かせた。MCではGENが「本当に仲間に恵まれていて自分の人生の豊かさを痛感しています」とこの2日間に思いを馳せる。本編最後には、GENによる「どうせなら土砂降りでやりたかったな」というつぶやきから「Squall」が演奏された。

アンコールでは、GENが「新曲をやろうと思います。全然できてないけど、もうやっちゃおうかなと思って」と宣言しつつ、タイトル未定だというこの曲について「俺はたぶん友達が多いほうだからさ、毎年のように誰かと会えなくなるわけですよ。そういうときに、あのときに交わした言葉が最後だったのかと思うし、だったらもっとこういうことを言えばよかったとか、考えてもしょうがないことを考えちゃう。だから、かけがえのないいつもの日々を思い出したり、忘れたりしながらなんとか生きていくしかないよね、という曲です」と説明。フォーリミは明るい曲調のこの曲をのびのびと初披露し、最後に「swim」をパフォーマンス。GENの「『YON FES 2024』これにて閉幕です! 一緒に作ってくださった皆さん、ありがとうございました!」という挨拶で「YON FES 2024」は大団円を迎えた。

音楽ナタリーでは2日目公演の終演直後に、フォーリミのメンバーへ「YON FES 2024」を無事に終えた率直な感想を聞いた。GENは「カッコいいバンドを『YON FES』に呼べたことも誇りだし、何よりもいいお客さんが自分たちにはついてくれてるんだなというのがうれしくて、お客さんに助けられたなと思いました」と晴れやかな表情で語った。

04 Limited Sazabys 終演後コメント

GEN(B, Vo)

今日は1発目のCrossfaithから、毎回出るバンド出るバンド、「今日のベストアクトなんじゃないかな」と思わされるぐらい、みんなどんどん更新していたというか、やり合っていて。あとハルカミライやSiMのあたりとか、すごく雨が降ってる中でも本当にお客さんのテンションが高かった。バンド側もそれに触発されて熱いライブをしていて。各バンドが本当にカッコよくて、そんなカッコいいバンドを「YON FES」に呼べたことも誇りだし、何よりもいいお客さんが自分たちにはついてくれてるんだなというのがうれしくて、お客さんに助けられたなと思いました。ありがとうございました。

RYU-TA(G, Cho)

今年は初出演のアーティストが多くて、友達じゃなくても、KOTORIとかチリビとか、「なんかいいな」と思ってたバンドに出てもらって新しいバンドとの関わりができたのがよかったなと思いました。あと今日は、自分たちの出番のときに晴れたので、「なんか持ってるな」と。また来年以降も雨が降るかもしれないけど、“雨でも「YON FES」はできる”ということを示せたんじゃないかなと思います。

HIROKAZ(G)

雨が降ったりしたんですけど、雨の中でもお客さんがすごく上手に楽しんでいたというか、もう降り切っていましたね。僕らの出番のときもパワー全開で楽しんでくれてたので、心強かったです。これからもよろしくお願いします。

KOUHEI(Dr, Cho)

8年目で7回目の「YON FES」ということで、これまでで一番力を出しきれました。もちろんこれまでも出してたんですけど、気温のおかげもあって、 “やり切った感”が一番強かった気がした2日間でした。

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