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命の匂い立ち上る.ENDRECHERI.ファンクショー、10代未満から80代まで圧倒したツアー千秋楽

.ENDRECHERI.(撮影:冨田味我)
4か月前2024年07月04日 10:04

堂本剛のクリエイティブプロジェクト.ENDRECHERI.のライブツアー「.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2024『RE』」が、6月30日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホールで千秋楽を迎えた。

心と体を解放させるファンクサウンド

45歳の誕生日を迎えた4月10日に行ったバースデーライブ「Birthday Premium Live」を機に、新たなフィールドへと飛び込んだ堂本剛。5月5日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで開幕した.ENDRECHERI.のツアーでは、大阪、兵庫、奈良、宮城、京都を巡りつつ、音楽フェス「KOBE MELLOW CRUISE 2024」にも出演するなど、音楽三昧の日々を送ってきた。ツアーファイナルではバンドメンバーとともに研鑽を深めた盤石のグルーヴとファンクサウンドで、オーディエンスの心と体を解放させた。

水中を思わせる濃紺の照明に染まったステージに、頭上をゆっくりと行き来するエメラルドグリーンのレーザー光線。会場に入った瞬間から.ENDRECHERI.のライブは始まっている。そう思わせる演出を経て、暗転と同時に紗幕に水中へとダイブする堂本の姿が浮かび上がった。「RE ME」「FEEL」「LOVE」「YOU AND ME」「NOISE OUT」「HEART BEAT」「REAL」「DIVE DEEP」「美」「勃」…….ENDRECHERI.の“今”を象徴するキーワードが次々と観客の目に焼き付けられる中、迫力満点のアンサンブルが響きわたり「Super funk market」へ。マイクを手にした堂本はオーディエンスを歓迎するように、バンドが奏でる生命力にあふれたアンサンブルに身を委ねつつ「跳ねろ 命の匂いをさせろ」と情熱的に歌い上げた。

そこから、ホーンセクションを含むバンドメンバー、コーラス、ダンサーと密にコミュニケーションを取りながら、「MYND」「ENDRE IT UP WHO」「FUNK TRON」とファンクチューンをシームレスに連投した堂本。会場をファンクミュージックで満たした頃、「初めて.ENDRECHERI.を観に来た方ってどれくらいいらっしゃいますか? 10代の方、どれくらいいらっしゃいますか?」とリサーチを始めた。10代の観客の姿を確認すると、「刺激が強すぎる.ENDRECHERI.の音楽を、10代の方にぶちまけているわけですが(笑)。でもファンクミュージックは年齢関係なく自分を解放するだけです」と優しく語りかけた。ここで会場に70代、80代のファンも足を運んでいることが判明し、ファンの年齢層の広さに堂本自身も「10代の方から80代の方までファンクを聴きに来てるってすごいですね……」と驚くことに。そんな一幕を挟みつつ、「初めていらっしゃった方、10代の方々にファンクミュージックのドープなアプローチを楽しんでいただけたらと思います」という言葉から「お初さん」へ。堂本は会場の一体感を作り出すコール&レスポンスを交えつつ、ティーンエイジャーの頃を思わせる少年性を帯びた歌声で楽曲に込めたポジティブなメッセージを伝えた。

僕も70、80になっても……

「先日、45になりました。で、今日、70代、80代の方々が踊り狂ってる姿を拝見しますと、僕も70、80になってもこんなことしていたら楽しいだろうなとたくさんの力をいただいてます」「ファンクミュージックは関係ないんです。自分なりに動けば大丈夫。自分がノリたいように、動きたいように」と柔らかくほほえんだ堂本は、グルーヴを途切れさせないのがファンクミュージックにおける肝とばかりに、.ENDRECHERI.流のバースデーソング「HBYUML」を皮切りにファンクチューンをノンストップで畳みかける。その間には、袖で楽しげに踊りながら仕事に臨むスタッフの姿がスクリーンに映し出されたり、竹内朋康(G)とダンサーの間でダンスバトルが勃発したり、バンドメンバー間でラップの応酬が繰り広げられたり、堂本がスラップベースでグルーヴの中核を担ったりと、奔放なステージが展開されていく。本編終盤では、「Rain of Rainbow」「勃」「LOVE VS. LOVE」「Everybody say love」と堂本の特徴である艶やかなボーカルが堪能できるラブソングが連なる流れに。堂本は芳醇なアンサンブルをリードする情感たっぷりのボーカルをたっぷり響かせたのち、「LOVE(愛)」を表現する“Lサイン”を客席に向かって掲げた。

奔放すぎる40分のフリーセッション

アンコールの冒頭で「.ENDRECHERI.のライブは、300キロカロリーくらい減りますんで」と語った堂本は、その流れで自身を救ってくれたというファンクミュージックの魅力を熱弁。「ファンクは平和やし、腹が立ったときや傷付いたときにユーモアを持って、自分の心の痛みや傷を表現するのがファンク」「自分がどこかに行けばネガティブに言われることが、違うところに行けばポジティブに捉えられたりする。ファンクをやってると自分を生きろ、自分のハートを鳴らせと言われてる気がする」と穏やかに述べる。続けて「モンスターたちを解き放ちますんで、僕にもどうなるかわからない」「(メンバーの)ソロ回しもありますが、皆さんにもソロパートを与えますので」と、観客を含めた会場にいる全員が.ENDRECHERI.であることを伝え、ファンクミュージックの醍醐味を堪能できるフリーセッションへと泳ぎ出した。

堂本がうねるようなグルーヴを奏でたことを合図にパワフルなビートが加わり、ステージ上のバンドメンバー、コーラス、ダンサーたちが楽しげに躍動。なお、会場に「cho_cho_chocol@te」のモチーフとなった「チョコらぶ」の発案者である9歳のMr.ちょこれーとが足を運んでいたことから同曲のワンフレーズがセッションの中盤に盛り込まれたり、堂本がドラムやキーボードもプレイしたりと、この日限りのシーンも続出。クライマックスで堂本が豪快なギターソロをさく裂させ、オーディエンスを圧倒する形で40分におよんだ大セッションに幕を下ろした。

大団円の雰囲気が漂うが、ライブはまだまだ続く。「楽しかったねえ。本当にいろんなジャンルが飛び交ってたわ」と満ち足りた表情で口にした堂本はまず、撮影を許可する形で「Super funk market」を“おかわり”。本編に比べリラックスした空気をまといながら、スマホを掲げるファンの前で生き生きとその歌声を響かせた。そして、残すところ1曲というところで、堂本はポリプテルス・エンドリケリーのぬいぐるみを掲げる男性ファンを客席に見つける。そのあまりのかわいらしさに「どこで買ったの?」問いかけると、男性ファンは「ネットで」と言いながらステージにぬいぐるみを差し出した。まさかの贈り物に堂本は驚きつつ、喜びのあまり被っていたニット帽にぬいぐるみを装着する予想外の行動に。エンドリケリー頭上で泳がせながら“ラストファンク”「Wedding Funk」を幸せそうに歌い上げて、「.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2024『RE』」をフィナーレに導いた。最後に「また一緒にファンクしましょう!」とファンとの再会を約束した堂本は、「皆さん、現実と自分らしく闘うために命を燃やし、一度きりの人生を描いてください。僕は今、生きてるからみんなとこうして出会えているんだ。だから自分の命を一生懸命生きてほしい」と観客全員にメッセージを送ってステージをあとにした。

なお堂本は8月30、31日、9月1日の計3日間にわたって京都・平安神宮で「平安神宮奉納演奏」を行う。チケット情報は特設サイトにて確認を。

セットリスト

.ENDRECHERI. LIVE TOUR 2024「RE」2024年6月30日 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

01. 「RE」
02. Super funk market
03. MYND
04. FUNK the power Fight the power
05. ENDRE IT UP WHO
06. FUNK TRON
07. お初さん
08. HBYUML
09. Erother listen LOVE
10. 4 10 CAKE
11. MIX JUICE / 愛のない 愛もない いまが嫌い / 愛を生きて
12. Rain of Rainbow
13. 勃
14. LOVE VS. LOVE
15. Everybody say love
<アンコール>
16. session
17. Super funk market
18. Wedding Funk

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