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TOMOOがライブハウスツアーで作り出した“水たまり”「私に共有できるのは超何気ない眼差しだよ」

「TOMOO LIVE HOUSE TOUR 2024 "Puddles"」豊洲PIT公演の様子。(Photo by Kana Tarumi)
3か月前2024年07月17日 9:03

TOMOOの東名阪ツアー「TOMOO LIVE HOUSE TOUR 2024 "Puddles"」が7月10日に終幕を迎えた。

この会場は道端の水たまり

「TOMOO LIVE HOUSE TOUR 2024 "Puddles"」は東名阪のライブハウスをめぐるツアー。 東京・Zepp Haneda(TOKYO)、大阪・Zepp Namba(OSAKA)、愛知・Zepp Nagoyaでライブが行われたほか、豊洲PITにて追加公演が開催された。この記事ではツアーファイナルとなった豊洲PIT公演の模様をレポートする。

開演を知らせるSEが流れるのを合図に、オーディエンスがハンドクラップを打ち鳴らす。そこへTOMOOとバンドメンバーの大月文太(G)、勝矢匠(B)、幡宮航太(Key)、河村吉宏(Dr)が和気あいあいとした空気で入場。5人はステージの地べたに座って観客に一礼し、それぞれの立ち位置に着いた。TOMOOは月明かりのような黄色い照明の光を浴びながら「夜明けの君へ」を電子ピアノで弾き語り。バンドの奏でるアンサンブルが加わり、会場はやがて眩い光に包まれた。軽快なサウンドにコーラス隊が彩りを添えた「雨でも花火に行こうよ」、ハンドマイク片手にしなやかな歌声を響かせた「あわいに」と、上質なポップチューンを次々と届けていくTOMOO。MCでは「この会場はライブの間は道端の水たまりです。空とか人とか建物とか木とかいろんなものが写り込んだりするのを、見たり飛び込んだり飛び越えたり一緒にしたいと思ってます!」と、「水たまり」を意味する「Puddles」を冠したこのツアーに込めた思いを言葉にした。

ライブハウスで活動していたあの頃

TOMOOはライブハウスで活動していた頃を回想し、「年代もいろいろ、ジャンルもいろいろな人たちと一緒にライブをするのが当たり前で。その人たちの独特な音楽からちょっとずつ影響をもらいつつできた曲とかもあって。せっかくライブハウスツアーなので、そんな曲も今日は届けたいと思います」と宣言。「初期の曲のこととかを“泥臭い”とかよく言うじゃないですか。確かに地面を感じる曲は多いかも。地面を向きながら、曲を思いついてたのかなあ」という言葉に続けて、活動初期の楽曲「地下鉄モグラロード」を歌い上げた。「shiosai」では「光の粒を 辿って行くだけ」というフレーズと呼応するように、無数の光線がステージから放射され、幻想的な空間が作り上げられる。その後も彼女は「スコール」「泳げない」と10代の頃に作ったという楽曲を力強く歌い上げた。続けて「雨粒をつけたまま」が弾き語りで披露されると、オーディエンスは息を飲むように、そのパフォーマンスにじっと聴き入った。

「Grapefruit Moon」「Cinderella」で壮大なサウンドスケープを描き出したのち、TOMOOが贈ったのは「Present」。カラフルな照明やオーディエンスのハンドクラップの音色が加わり、会場にはたちまちにぎやかなムードが満ちていく。さらに「Ginger」「オセロ」がたたみかけられると、場内の熱気は最高潮に。パワフルなサウンドやTOMOOの凛としたボーカルに突き動かされるように観客は思い思いに体を動かした。

「何気ない眼差しみたいなものを共有したい」

怒涛のパフォーマンスを経てひと息ついたTOMOOは「このツアーをやることが決まって、今似合うムードとか景色って何かなと考えてたんです。そしたら、道端とか身近なイメージがいいなと思ったんですね」「私って、どんなふうに見えてるかなって今一度考えたりしたんだけど、今の私の気分は並んで歩いてるみたいな感じ? 何気ない眼差しみたいなものを共有したいなと思ったんです。人は放っておくとビルドアップすることを求められるけど、私に共有できるのは超何気ない眼差しだよって。そんな『Puddles』ツアーでした」とこのツアーを振り返る。「何か届いてたらうれしいです! ありがとうございました!」という言葉のあとに、おもむろに場内が暗転。「Super Ball」の冒頭のフレーズが歌われたところで、場内にパッと明かりが灯り、ミラーボールが素早く回り出す。サビの歌詞とシンクロするような虹色のライティングで会場中がカラフルに染め上げられ、高揚感あふれるムードの中でTOMOOはステージをあとにした。

アンコールを求める手拍子に応えて姿を現したTOMOOは「Green Days」を弾き語り。さらに「もう1曲やるって言ったらあり?」と尋ねつつ、今回のツアーでは封印していたという「ベーコンエピ」を歌唱し、伸びやかで優しい歌声を響かせた。バンドメンバーも再び登場し、彼女たちは「HONEY BOY」を軽快に演奏。オーディエンスが手を左右に振り、チアフルな空気が会場に広がっていく。ラストナンバー「POP'N ROLL MUSIC」ではタオル回しが発生し、ステージと客席が一体になったところで、ツアーは大団円を迎えた。

セットリスト

「TOMOO LIVE HOUSE TOUR 2024 "Puddles"」2024年7月10日 豊洲PIT

01. 夜明けの君へ
02. 雨でも花火に行こうよ
03. あわいに
04. 夢はさめても
05. 恋する10秒
06. 地下鉄モグラロード
07. shiosai
08. スコール
09. 泳げない
10. 雨粒をつけたまま
11. Grapefruit Moon
12. Cinderella
13. Present
14. Ginger
15. オセロ
16. Super Ball
<アンコール>
17. Green Days
18. ベーコンエピ
19. HONEY BOY
20. POP'N ROLL MUSIC

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