振付演出家・竹中夏海の企画 / プロデュースによる、アイドルのコントイベント「おもカワ~アイドルコントバトル」が7月19日に東京・座・高円寺2にて開催された。
“観客参加型”イベント
「おもカワ~アイドルコントバトル」は、“面白さ”と“可愛さ“を融合させた、ナタリー発のアイドル大喜利イベント「おもカワ 」のスピンオフ企画。「101名の練習生の中から勝ち上がってきた8名がコントで競い合う!」という設定のもと、練習生が4人ずつの2チームに分かれて3本の課題コントで対決する。各コントの判定は、客席の“お笑い国民プロデューサー”(観客)たちが掲げる、よかったと思うチームの色を点灯したペンライトの数で決められ、大会終了後には会場投票によりMVPとなる「コントガール」が選出されるなど、本公演は演者と観客がともに作り上げる“観客参加型”イベントとして行われた。
練習生は、茜空(ukka)、鍛治島彩(アップアップガールズ(2))、岸本ゆめの、小島はな(AMEFURASSHI)、齋藤有紗(ラフ×ラフ)、中江友梨(東京女子流)、minan(lyrical school)、律月ひかる(いぎなり東北産)の8名。コントの指導役である“コントトレーナー”はラブレターズ、コントの監修はせきしろが担当した。
場内が暗転すると、進行役を務める溜口佑太朗(ラブレターズ)が登場し、面白かったチームならび個人には「ベネフィット」と称するポイントが与えられることなど独自の大会ルールを説明。「練習生、入場!」という溜口の言葉をきっかけに、おそろいの制服を身にまとったコント練習生が次々に現れると大きな拍手が沸き起こった。8名は茜、鍛治島、齋藤、minanの「グリーンチーム」、岸本、小島、中江、律月の「ピンクチーム」の2組に分かれて対決。それぞれが意気込みを述べて、いよいよコント対決へ。
コント「お話会」
最初に両チームが挑戦する課題コントは、アイドルの個別お話会をテーマにした「お話会」。推しのアイドルと1秒でも長く会話をしたいファン、それを剥がそうとする運営スタッフ、というアイドル現場でおなじみの光景を描いた作品だ。先行を務めたのは「ピンクチーム」の岸本、小島、律月。岸本がハイテンションでファン役を演じ、律月は後半でシュールなモノボケを披露し、最後は小島がコントを凛々しく締めくくった。対する「グリーンチーム」は茜、鍛治島、minan。困惑の表情を浮かべるアイドル役の茜にマニアックすぎる話題を語り続けるminanと、そんな彼女を全力で剥がそうとする鍛治島の姿が絶妙なコントラストを描きだした。
コント「作詞」
2本目のコントは「作詞」。2人の女生徒が「♪キンコンカンコン×4」という学校のチャイムの音に、1節ごとに1人ずつ即興の歌詞を書き重ねていくという内容だ。このコントには「グリーンチーム」からminanと齋藤、「ピンクチーム」からは中江と律月が参加した。minanが繰り出した物々しいワードを受けて、斎藤がドラマチックなフレーズで美しくオチをつけた「グリーンチーム」。対する「ピンクチーム」は、1節にありったけの言葉を詰め込む中江のボブ・ディラン的な手法と、破壊力抜群のワンワードを放り込む律月のハードコアなスタイルが爆発的なケミストリーを生み出して観客を圧倒した。
コント「初詣」
最後のコントは3人の会話劇からなる「初詣」。「ピンクチーム」からは岸本、中江、小島が挑戦。延々ボケ倒す小島と岸本に、必死でツッコミを入れる中江の姿に会場は爆笑。このコントでは、自作の一発ギャグを連発するなど、岸本のギャガーとしてのポテンシャルが発揮された。対する「グリーンチーム」からは茜、齋藤、鍛治島が登場。鍛治島と齋藤が繰り出すWボケに、冷静かつ的確にツッコみ続ける茜の見事な立ち回りが観客を唸らせた。
コント対決終了後、ステージには8人の練習生と、竹中プロデューサー、コント監修者のせきしろが登場。練習生たちが思い思いに大会の感想を述べる中、大会に至るまで2回しかリハーサルが行われていないことが明らかになると、本番での見事な仕上がりを見せつけられた客席から感嘆の声が上がった。また「みんながリハーサルと全然違うことを言ってきて驚いた」というminanの言葉を受け、脚本を手がけたせきしろは、セリフに穴埋め箇所が複数あったことを明かし、練習生たちのアドリブ対応力と優れた言語センスに舌を巻いていた。
栄えある「コントガール」の座は?
審査員特別賞の発表を経て、この日のハイライトである「コントガール」の決定へ。“お笑い国民プロデューサー”である観客たちが、入場時に配られた投票用紙にこの日のMVPを書き込み、最も票数を集めた練習生が「コントガール」の座を射止めることとなる。会場全体が固唾をのんで見守る中、最多得票者として名前を読み上げられたのは、アップアップガールズ(2)の鍛治島彩。喜びが爆発した鍛治島の表情は、みるみる間に泣き顔に変わる。第1回から「おもカワ」に出場を続けている彼女は、毎回名勝負を繰り広げるも勝ち星に恵まれず、今回「おもカワ」シリーズで初めて勝利をつかんだ。
会場全体から祝福を受ける中、鍛治島は「今回、コントで1位を取ることができたんで、次に『おもカワ』が開催されたら大喜利でも優勝して2連覇したいと思います」と堂々宣言。続けて特技の鼻リコーダーを高らかに響かせた。最後は竹中プロデューサーの呼びかけで、8人の練習生がステージから客席に向けてキュートにウインク。初の「おもカワ~アイドルコントバトル」はハッピーな雰囲気の中フィナーレを迎えた。
なおTiGETでは、この日の模様を楽しめる配信チケットを8月12日23:59まで販売中。視聴期間は7月26日19:00から8月12日23:59まで。詳しくはTiGETの販売ページで確認を。