YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月12日から7月18日にかけて集計されたミュージックビデオランキング、および急上昇ランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、5位に大塚愛が「プラネタリウム」を一発撮りでパフォーマンスした「THE FIRST TAKE」の映像が登場。YouTubeのコメント欄では「2005年のリリースから約20年が経っても、いまだに色褪せない名曲」と絶賛する声が上がっている。
17位にはSnow Manの「君は僕のもの」のパフォーマンスビデオがランクインした。彼らの卓越したダンススキルを楽しめるのはもちろん、冒頭での微笑ましいやり取りや、パステルカラーの衣装に身を包んだキラキラした姿を堪能できる。
11位はTOKYO MX、BS日テレほかで放送中のテレビアニメ「神之塔 -Tower of God- 王子の帰還」第2期のオープニングテーマに起用されている、NiziUの「RISE UP」。NiziUが初めて日本で撮影したMVとしても話題を呼んでいる。7月20日には同曲のダンスパフォーマンスビデオが公開されているので、こちらも合わせてチェックいただきたい。
26位にはENHYPENの「XO(Only If You Say Yes)」がランクイン。7月12日にMVが公開されて、10日間で2200万回再生を突破した。
往年の名曲や人気グループの新曲が並んだ今週は下記の3曲をピックアップ。
西野カナ「EYES ON YOU」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場8位
2019年2月から活動休止していた西野カナが、6月25日に活動再開することを報告。同日から「トリセツ」を始め過去曲のフルサイズMVを順次公開していった。そんな彼女が7月12日に復帰後初となる新曲「EYES ON YOU」のMVを公開すると、10日間で600万回再生を突破した。
Instagramにて西野が「この曲は、恋人への想いが強いからこそ、相手のちょっとした言動で不安になってしまう、そんな真っ直ぐな恋心を描いています。はい、重いです。激重です」と自ら解説しているように、歌詞には「『愛してる』だけじゃ嫌だ / 曖昧な言葉だから / この手離さないで / 約束をして / もっと強く愛して」など、言葉以上の愛を求める様が描かれている。かつてのヒット曲から、“重い女性”の気持ちを描かせたら右に並ぶ者はいないと言われてきた西野だが、当時を思い起こさせるような変わらない魅力を持った新曲に、多くのファンが喜びの声を上げている。作曲を担当したのは「会いたくて 会いたくて」「if」「Best Friend」など、これまでに多くの西野カナ楽曲を手がけきたGIORGIO CANCEMI。切なくも美しいピアノのサウンドと、彼女の力強い歌声が見事に融合している。
西野は9月18日に、「EYES ON YOU」も収録されるEP「Love Again」をリリース。11月13、14日には神奈川・横浜アリーナでワンマンライブ「Kana Nishino Love Again Live 2024」を開催することが決定している。完全復活を遂げた彼女の活動から目が離せない。
ONE OK ROCK 「Delusion:All」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場12位
ONE OK ROCKの2024年第一弾シングル「Delusion:All」のMVが7月12日に公開された。こちらは現在公開中の映画「キングダム 大将軍の帰還」の主題歌。2019年公開のシリーズ1作目「キングダム」でも、ワンオクは「Wasted Nights」で主題歌を担当しており、5年ぶりに夢のタッグが復活したことでも大きな話題を集めている。
「Delusion:All」についてTakaは「シリーズ1作目用に書き下ろした『Wasted Nights』から時間は経っていますが、今回このような形でカムバックさせていただき、僕らとしても非常に光栄に思っております。『世の中の色々な争いや今の時代背景』をしっかり僕らとしても汲み取りながら、キングダムにふさわしい楽曲を作ったつもりです」とコメント。その言葉の通りこの曲は、聴いていると重厚かつ壮大な演奏と歌に魅了され、3分の尺とは思えないほどの満足感がある。映画館で流れたときにどのような感動を得られるのか、ぜひ劇場でも確認してほしい。
FAKE TYPE.「Zillion playerZ feat.nqrse」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場75位
今年2月に公開された「Dryad」以来、5カ月ぶりとなるFAKE TYPE.の新曲「Zillion playerZ feat.nqrse」が到着した。これはアクションRPG「ゼンレスゾーンゼロ」のイメージソングとして書かれた楽曲で、トラックを手がけたDYES IWASAKIはYouTubeのコメント欄で「ゼンゼロの楽曲のメロを少し取り入れて(イントロとか間奏部分)、FAKE TYPE.らしいElectro Swingで『ゼンレスゾーンゼロ』イメージソングを作りました!」と解説している。
客演はメジャー2ndアルバム「FAKE SWING 2」の収録曲「アングラ劇場」でもゲストボーカルを務めたnqrse。TOPHAMHAT-KYOの高音とnqrseの低音のボーカルが見事なコントラストを生んでいる。この曲を聴いたリスナーは「FAKE TYPE.とnqrseの相性がよすぎる これに尽きる」「このコラボを俺らは待ってたんだnqrseとFAKE TYPEのラップはいつも心が踊る」と名コンビの共演に盛り上がっている。