YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月3日から7月9日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、59位に超学生による「未完成婚姻論」の“ご本人と歌ってみた”動画が登場。この動画で超学生は、オリジナルアーティストであるDannie Mayのマサ(Vo, G)とともに、今年国内外で話題となった同曲を歌唱している。YouTubeのコメント欄には「めっちゃ声の相性良くないすか?高と低が綺麗に交わってる」など、両者のハーモニーを絶賛する声が数多く寄せられた。
76位にはNiziUの「Make you happy(2026 ver.)」がランクインした。「Make you happy」は2020年に発表されたNiziUのプレデビュー曲。7月1日に初のベストアルバム「Portfolio」がリリースされたのに合わせてMVが再び撮影されることになった。MVは公開から2週間で1200万回再生を達成し、現在も加速度的に勢いを伸ばしている。
83位に登場したのは電ǂ鯨の「童話になったらいいのに(うた:琴葉姉妹)」だ。2025年にアルバム「くらしアソート」の収録曲として発表されてから1年を経て公開された全編アニメーションのこのMV。淡く優しい色彩で描かれながらも、姉妹の絆や喪失を想起させる描写が随所にちりばめられ、楽曲の世界観をより深く印象付けている。
ボーカリスト、アイドル、ボカロなど、多種多様な楽曲が並んだ今週は下記の3曲をピックアップする。
塩﨑太智「しおざきわんだーらんど」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場7位
今年4月に始動したM!LKの5カ月連続リリース企画「モー烈モー進!リリースプロジェクト2026」の第3弾シングルとして、塩﨑太智のソロ曲「しおざきわんだーらんど」が7月6日に配信リリースされた。
今作は、軽快なリズムと遊び心あふれるアレンジが印象的で、タイトルを繰り返すキャッチーなサビと跳ねるようなメロディが心地よい。聴いているだけで遊園地を巡るような高揚感に包まれ、楽曲の魅力を引き立てる表情豊かなボーカルも、自由奔放な雰囲気を伸びやかに表現している。
また、コール&レスポンスを意識した構成も取り入れられており、ライブでの盛り上がりを予感させる。MVでは塩﨑が水兵風の衣装に身を包み、ペンギン姿の子供たちと息の合ったダンスを披露。カラフルなセットやコミカルな演出が楽曲の世界観をより鮮やかに彩り、観終えたあとまで楽しい余韻が残る。
YOASOBI「オリオン」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場45位
YOASOBIの新曲「オリオン」は、世界的人気ゲーム「オーバーウォッチ」とのコラボレーションから生まれた楽曲だ。
「オーバーウォッチ」は個性豊かなヒーローたちが実在のロケーションをモデルにした美しいマップを舞台に戦いを繰り広げるチーム制アクションゲーム。YOASOBIの「オリオン」はゲームのシーズン3で新たに追加されたマップ・東京を背景とした、3人のキャラクターが登場する短編小説「地に堕ちた雀」を原作として書き下ろされた。物語性を巧みに楽曲へ落とし込むAyaseならではのソングライティングに加え、疾走感あふれるバンドサウンドとikuraの透明感ある歌声が、キャラクターたちの葛藤や希望をドラマチックに表現している。
MVもゲームとのコラボレーションによるアニメーション作品で、3人それぞれの心情を繊細に映し出すとともに、迫力あふれるアクションシーンも見どころ。ゲームと楽曲の世界観が調和し、互いの魅力を引き立てる一作だ。
BABYMONSTER「I LIKE IT」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場71位
BABYMONSTERの「I LIKE IT」は5月にリリースされたミニアルバム「CHOOM」の収録曲。カントリースタイルの軽快なギターリフを軸にしたさわやかなダンスポップで、BABYMONSTERの新たな一面を感じさせる。
恋心が芽生える瞬間のときめきを鮮やかに表現し、メンバーそれぞれの個性が際立つボーカルリレーも、楽曲の印象をより豊かにしている。また、これまでの彼女たちのパワフルなイメージとは一線を画すアプローチながら、サビのキャッチーさは健在。夏にぴったりの開放感をまとい、聴く人の心まで晴れやかにしてくれる。
MVでは青空の下、メンバーが飾らない笑顔を見せながらリラックスした空気感の中でパフォーマンスを披露。広々としたロケーションと等身大の表情が楽曲のポジティブなムードを際立たせ、彼女たちの魅力を存分に味わえる映像だ。


