tonunとFurui Rihoが初ツーマン、グルーヴィなサウンドがフロアをひとつにした夜

3か月前2024年08月01日 10:04

tonunとFurui Rihoのツーマンライブ「ライブナタリー “tonun × Furui Riho”」が7月29日に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGEで開催された。2人がツーマン形式で競演するのは今回が初。なお本公演にはオープニングゲストとして乃紫も出演した。

乃紫

ステージに姿を現した金髪の乃紫。ギターを手に取った彼女は、すぐさま「ヘントウタイ」を歌い上げる。強烈なチョーキングが炸裂した「先輩」、青春ロックナンバー「A8番出口」を経て、「東京依存性」がスタート。乃紫は軽快なステップを踏みながら、ハンドマイクで憂いを帯びた歌声を響かせた。

「杯杯」ではシャッフルビートが観客の体を揺らし、乃紫の紡ぐ言葉の羅列とギターのカッティングが絡み合う。「接吻の手引き」では四つ打ちのビートに乗って、フロアから手拍子が沸き起こった。印象的なギターリフで始まったのは「初恋キラー」。鮮烈に点滅するライトに照らされながら、乃紫は早口で歌詞を捲し立てる。TikTokの楽曲総再生回数が19億回を突破した楽曲「全方向美少女」を最後に届けて、圧倒的な存在感を放った。

Furui Riho

「I'm free」で幕を開けたFurui Rihoのライブ。彼女はさっそく伸びやかな歌声をこだまさせ、コール＆レスポンスで会場のボルテージを急上昇させる。「PSYCHO」ではタイトなスネアが高らかに響き渡る中、Furuiが切れのあるダンスを披露した。

観客が飛び跳ねて盛り上がった「青信号」に続き、「Till The End」がスタート。哀愁漂うギターフレーズが爪弾かれると、そこにFuruiのボーカル、キーボード、ベース、ドラムが重なり、徐々に音圧と熱量が増していく。波がたゆたうようなスローチューン「でこぼこ」が披露されたのち、Furuiは前日にTWICEのライブを観たことを明かす。「かわいかったよねー！あんなにきれいな人間が存在するんだってくらいかわいかった」と話した彼女は、「ヘアメイクとか今日、TWICEを意識していて（笑）」とはにかんだ。

「Super Star」で再びBPMが上がり、それと比例するようにフロアの熱量も増加。ど派手なギターソロが炸裂し、フロアに大歓声が巻き起こる。「We are」ではFuruiと観客の間で「イェー！」の応酬が繰り広げられ、Furuiファンとtonunファンの区別なく、会場がひとつになった。彼女が妹のために作ったという楽曲「LOA」を経て、ラストナンバー「Purpose」へ。アウトロでは観客が大きく手を振りかざす中、Furuiはパワフルかつグルーヴィな歌声を届け、場内を圧倒的な幸福感で満たした。

tonun

開演前、喉の不調を告げたtonun。普段の甘くスモーキーな歌声は控えめに、「東京cruisin'」が届けられる。「思考回路はmellow」を経て、「バージンヘア」で切れのあるカッティングを披露するtonun。そこから華麗なギターソロを炸裂させてフロアを沸かせた。

tonunが突如ステージをあとにすると、バンドメンバーたちはジャムセッションでその場をつなぎ、観客は手拍子でそれを歓迎。しばらくして再び姿を現したtonunはワウのかかった音色で流暢なギターソロを奏でた。

演奏が終わると「すみません……めっちゃ申し訳ないんですけど、やっぱり声が出そうになくて……」とライブの中止を切り出すtonun。フロアからは「気にしないでー！」「お大事にー！」という温かい声援が送られる。急遽ラストナンバーとなった「琥珀色の素肌」はインストで披露され、tonunを励まし、快復を願うかのような、温かな手拍子が沸き起こる。明るいコード進行に乗せてギターの即興演奏を届けた彼に、観客は惜しみない拍手を送り続け、不思議な一体感を帯びたメモリアルな公演が終演した。