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Eveにとってライブは「代えがたい大切な時間」、有明アリーナでアジアツアー追加公演

Eve(Photo by Takeshi Yao)
約1か月前2024年08月22日 12:04

Eve初のアジアツアー「Eve Asia Tour 2024『Culture』」の追加公演「文化」が8月20、21日に東京・有明アリーナで開催された。

公演概要

テレビアニメ「呪術廻戦」のオープニング主題歌「廻廻奇譚」をきっかけに、国内のみならず海外からも注目を浴びているEve。チケットが即完となった「Culture」でEveは5月から6月にかけて香港、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、台湾、そして国内では神奈川を回り、ミュージックビデオやオリジナルのアニメーションなど多彩な映像とともにステージを繰り広げた。この記事では2日間にわたる「文化」のうち昨日21日の公演の模様をレポートする。

1曲目はあの大ヒット曲

21日の有明周辺は突然の雷雨に見舞われたものの、客席は若い男女や親子連れで埋まり、Eveの音楽が幅広い層に受け入れられていることがうかがえる。定刻を迎えると巨大なLEDビジョンでは豊な自然や都会のビル群などさまざまな風景を描くオープニングムービーがスタートし、「Culture」のロゴが大きく映し出される。映像が終わると真っ赤なレーザー光が場内を駆け巡り、観客の制御型ライト「LEDライトバンド」が一斉に点灯して赤や緑に変化する。ライブの幕開けを飾ったのは、社会現象を巻き起こしたEveの大ヒット曲「廻廻奇譚」。轟音のバンドサウンドに突き抜けるようなボーカルが重なり、瞬く間にアリーナの熱気を高める。「帰ってきたぜ、東京! 行けるかー!」というEveの声をきっかけに「ファイトソング」へなだれ込むと、Eveは軽やかな足取りでサブステージへと移動し、満員の客席を見回しながら、解放感たっぷりに歌声を届けた。

「インソムニア」では高低差と疾走感のあるメロディを歌いこなし、そのうえクールにラップも繰り出し、ボーカリストとしての実力を遺憾なく発揮するEve。「会心劇」「sister」ではギタープレイでも鮮烈なインパクトを残して、オーディエンスを沸かせた。特別なアレンジでディスコチューン「逃避行」が披露されたあとには、「フラットウッズのモンスターみたいに」へ。重低音の効いたサウンドとまくし立てるようなボーカルが相まって、会場に不穏なムードが漂った。

Eveが珍しく座ってじっくり歌う

怒涛の勢いでパフォーマンスしてきたEveはイスに腰を下ろす。暗がりのステージで「僕のライブはすごく駆け足であっという間に終わっちゃうので、こういうことをあまりしたことがないんですけど、座りながら何曲か歌おうと思います」と伝えると、「トーキョーゲットー」をアコースティックアレンジで、「闇夜」をピアノに乗せて歌い上げた。Eveの繊細な歌声がよりダイレクトに響くこの時間を、オーディエンスはじっくり堪能した。

青いライトがゆっくりと場内を照らし出し、幻想的なムードが広がる中、ステージにはオーケストラの姿が。Eve曰く「絶対にやりたいと思っていた」という「スイートメモリー」や「花嵐」といった近年の楽曲が、壮大なオーケストラのサウンドと、大海原や海底を思わせる美しい映像とともに届けられ、ファンは上質な音楽体験を味わった。

植物が芽吹き、花が咲き誇るモノクロの映像を経て、ライブは終盤に突入。「ラスト、踊ろうぜー!」というEveの声をきっかけに、「ナンセンス文学」「ドラマツルギー」といった2017年発売のアルバム「文化」に収録されているアッパーチューンが連投されると、ファンのシンガロングやハンドクラップで場内が再び熱気に包まれる。その後、ZINGAIが脱力感のあるダンスを見せるアニメーションとともに「アウトサイダー」「ラストダンス」がドロップされ、本編は終了した。

みんなと一緒に歌いたかったのは

ファンの熱烈なアンコールに応えて、バンドメンバーともに再登場したEveは最新曲「巻物語」を軽快にパフォーマンス。「まだ体力は残っているか?」と声をかけると、瑞々しいサウンドの「ぼくらの」でオーディエンスを勇気づけるようにパワフルな歌声を放つ。曲が終わるとステージのライトが虹色に光った。

フィナーレを目前にEveは胸の内を語り始める。「ライブの数はよそと比べたら少ないかもしれないけど、こういう場が僕にとっての居場所であり、みんなにとっての居場所になったらいいなと。バンドのメンバー、オーケストラの皆さん、スタッフの皆さんだけじゃなくて、ここにいるみんながいないとライブは成立しないし、みんながいるからこそこの時間が代えがたい大切な時間になっています。どうもありがとう」と思いを口にした。アコースティックギターを持ったEveは「君に世界」を一緒に歌いたいとファンに提案。すると観客は点灯させたスマートフォンを左右に揺らしながら、Eveのボーカルに合わせて温もりのある歌声を響かせた。これでライブは終わるかに思われたが、「逃避行」で歌い出しを間違えたお詫びをしたいという本人の希望で、もう1曲「お気に召すまま」がにぎやかにパフォーマンスされた。「ありがとうございました」と深々とお辞儀したEveはファンに再会を誓い、ステージをあとにした。

Eveは11月27日にメジャー4thアルバム「Under Blue」をリリース。2025年8月23、24日には神奈川・Kアリーナ横浜で本作のリリースを記念したワンマンライブを行う。

セットリスト

「Eve Asia Tour 2024 追加公演『文化』」2024年8月21日 有明アリーナ

01. paradigm(instrumental)
02. 廻廻奇譚
03. ファイトソング
04. インソムニア
05. 会心劇
06. sister
07. あの娘シークレット
08. 逃避行
09. フラットウッズのモンスターみたいに
10. ラブソング feat. Eve(キタニタツヤ )
11. トーキョーゲットー
12. 闇夜
13. 心海
14. スイートメモリー
15. 群青讃歌
16. 花嵐
17. fanfare(instrumental)
18. ナンセンス文学
19. ドラマツルギー
20. アウトサイダー
21. ラストダンス
<アンコール>
22. 巻物語
23. ぼくらの
24. 君に世界
25. お気に召すまま

Eve Live 2025 「Under Blue」

2025年8月23日(土)神奈川県 Kアリーナ横浜
2025年8月24日(日)神奈川県 Kアリーナ横浜

「Eve Asia Tour 2024 追加公演『文化』」ツアーファイナルの様子。

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