映画「傲慢と善良」のジャパンプレミアが本日9月11日に東京都内で行われ、主演を務める藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)と奈緒、キャストの倉悠貴、桜庭ななみ、監督の萩原健太郎、原作者の辻村深月が登壇した。
9月27日公開の「傲慢と善良」は発行部数100万部を突破した辻村の同名小説を原作とした恋愛ミステリー。藤ヶ谷演じる架はマッチングアプリで奈緒演じる真実と出会い婚約した直後、彼女が突然失踪してしまう。架は真実を探すうちに彼女の抱える過去と嘘を知り、思わぬ場所で再会する。
藤ヶ谷は奈緒にサプライズで白いバラの花束を贈呈。「架から真実への気持ちと、『大切な作品を作れてうれしいです』という感謝の気持ちを込めて」と思いを語ると、驚いた様子の奈緒は「すごいうれしいです」と満面の笑みを見せた。
「傲慢と善良」封切り前の心境について、藤ヶ谷は「夢が形になる瞬間ですので、ドキドキふわふわしてますけど、うれしい気持ちでいっぱいです」とコメント。「奥にいたら地響きのような皆さんの歓声が聞こえて、この映画は大丈夫だなと思いました」と切り出した辻村は「人に選ばれることとかを言葉を尽くして書いた小説です。だからこそ、実写にしたときに伝わらないものになってしまうんじゃないかという気持ちもあったんですが、私が見たかった架と真実の痛い部分やカッコ悪い部分を入れてくださって、原作を読んだ方もきっとこれが観たかったと思っていただけると思います」と強く語った。また原作の大ファンで人生で一番刺さった作品だと言う藤ヶ谷は「架を演じることができて心からうれしかったです。2019年に出会ったときはこの小説が面白いということだけを伝えていて、いつか自分がやりたいなという思いは1mmもなくて。原作がとにかく好きなので、小説で描かれている痛い部分とかも含めて原作の香りは残したいし、映画ならではのよさも入れなくてはいけないということで、監督や奈緒ちゃんとけっこう話し合いながらみんなで作っていきました」と本作へのあふれる愛を口にした。
クランクイン前に食事に行ったと言う藤ヶ谷、奈緒、萩原監督の3人。藤ヶ谷が「愛はどういうものなのか、優しくするってどういうことなのかをそれぞれ話して。恥ずかしいこと言ってたのかなって」と照れ笑いすると、奈緒は「うんうんうん」と強くうなずく。奈緒に対して藤ヶ谷は「奈緒ちゃんもけっこう言ってたよ?」とリアクションしつつ、「そういうやりとりが作品に生きたんじゃないかなと思います」と振り返る。一方、萩原監督は「なんでしたっけね……」と濁す。すると奈緒が「監督の夫婦関係とか、愛のお話がうらやましいなと思ったのを覚えてます。そんな監督の映画なら信頼しかないと思ってクランクインするのが楽しみになりましたね」と笑顔を浮かべた。今作の映画化にあたって、辻村は「原作を超えてほしいという気持ちを持っていて。映画では、私が見てなかったときに架と真実はこういうやりとりをしていたかもしれないという2人の続きを見たかったんです。私が合間にご挨拶にうかがうと『男性スタッフと女性スタッフで解釈が違うんです』と言われたんです。皆さんが『傲慢と善良』という小説を愛してくれて、それぞれ思うことを話してくださって。いろんなリクエストを監督が叶えてくださった結果なんだと思っています」と感激した様子で語った。
本作のストーリーにちなんで、登壇者は互いの意外な一面についてトーク。藤ヶ谷は奈緒について「『休みの日は何してるの?』と聞いたときに『最近、倖田來未さんのモノマネにハマってて、カラオケで練習してるんです』とおっしゃってて、そのインパクトが強すぎて、『ああ、そうなんだ』とだけ言って会話を終わらせました」と明かす。そんな奈緒は「お風呂場でちょっとやってみたら、濁点をつけると倖田來未さんになるって気付いて」と言い、「愛のうた」のワンフレーズを自ら歌唱。奈緒の度胸に藤ヶ谷は感嘆の声を上げた。一方、奈緒は藤ヶ谷に対して「何か暴露したいんですけど、2回目の共演でも変わらず優しくて、素敵な藤ヶ谷さんだったことがうれしかったです。意外な一面で言うと……めっちゃ食べる。とんかつ食べて唐津バーガーも食べて。しゃぶしゃぶも食べてたよね? 全部食べたいの食べる!と思いました(笑)」と楽しげに話した。
映画のキャッチコピーにかけて「一生に一度の選択は?」というトークテーマでは、藤ヶ谷が「架がつけてた腕時計を買いました。今日もお守りのような感覚でつけてます」と時計を披露する。これを見た辻村は「お二人が架と真実にしか見えなくて、思い入れを持って演じてもらえたことが著者としてホントにうれしいですし、書いてよかったなと思います」と感無量の様子。辻村の言葉を受けて藤ヶ谷は「え! すごくない?」と奈緒に視線を送りつつ、「記者の方、今のところ太文字でお願いします」と声を張り上げた。最後に藤ヶ谷は「とにかく原作が素晴らしくて、この映画も自信を持ってお届けできる作品になりました。この映画に出演できたことは自分の夢でもありますし、代表作になったらいいなと思ってます。人生の中で刺さる1本になるといいなと思います」と映画を楽しみにしている人々にメッセージを送った。
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