堂島孝平と眉村ちあきが出演するツーマンライブ「ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき” ~星に願いを~」が10月21日に東京・Spotify O-nestで開催された。
「戻ってこれて本当によかった」「おかえりー!」
このツーマンは7月7日に開催予定だったが、堂島が声帯炎を発症し歌唱が困難だったため、実施が見送られていた。8月末、堂島の喉は無事に回復し、彼はライブ活動を再開。今回の公演は七夕から約3カ月後に実現することとなった。
七夕の笹飾りが置かれたO-nestのステージに勢いよく登場した堂島と眉村。お立ち台にぴょんと飛び乗った2人は「堂島です!」「眉村です!」と自己紹介し、「ドウジマユムラです!」と声をそろえる。ライブの幕開けを飾ったのは、堂島が眉村をゲストボーカルに迎えた楽曲「てんてん」。2人はライブ共演を重ねてきただけあって、息ぴったりのコンビネーションでオーディエンスを盛り上げていった。堂島は「1曲目、2人で歌えたことにジーンときちゃって。こうやって戻ってこれて本当によかったです」と感激した様子で胸に手を当てる。眉村も「夢みたいな気持ち」とうなずき、「おかえりー!」と堂島の復帰を喜んだ。
オープニングからしゃべりすぎ
堂島は季節外れの笹飾りを指差しながら「ライブナタリーさんから『10月はハロウィンがあるので、ハロウィンってことは何やってもいいんですよ!』って言われました」といたずらっぽく笑う。それに対して眉村は「ハロウィンは何やってもいい日だと思ってるんだ(笑)」とリアクション。笹飾りの短冊には、SNSでファンから募った願いごとの数々が記されていた。眉村が「素敵なラブソングをデュエットしてくれますように」という願いを読み上げると、堂島は「もう叶っちゃった」と笑みを浮かべた。
眉村が堂島のことを「生き別れの兄」と慕うほど、共通点が多いという2人。眉村は「小学生、中学生の頃の話をしたときも、あらゆるところが一致してるんですね。恐ろしいなと思って」と驚きながら語る。その後も2人の仲睦まじいトークは続き、堂島が「こんなにしゃべっていいの?」と心配するほどだった。
即興フレーズで堂島への思いを表現
オープニングトークが予定時間よりオーバーし、堂島は急ぎ足で舞台袖へ。「先攻、眉村ちあきです。よろしく」と十字を切った眉村はミュージカル調の楽曲「夢だけど夢じゃなかった」で自身のライブを始めた。この曲では「最初に出会ったの『ヤノフェス』のときやで すごくギラついた眼をされてたわ」という堂島との初対面を思わせる即興フレーズが飛び出した。瑞々しいラブソング「季節風」も大胆にアレンジされ、ヒップホップ調のダンスや「やっと会えたね 彦星様 やっと会えたね 織姫様 やっとやっとドウジマユムラ」という即興ラップなどこの日限りのパフォーマンスで観客を喜ばせた。
「秘密の恋(Band ver.)」でエレキギターを弾きながらクールかつ艷やかな歌声を放った眉村は、ライブ定番曲「顔ドン」では観客とのコール&レスポンスで大盛り上がり。2番になると堂島も舞台に現れ、ロボットダンスを披露したり、歌唱にも一部参加したりした。「あたかもガガ」がアコースティックギターで披露されたあとは、眉村パートのラストソング「Lovely days」へ。眉村はアカペラを交えながら清らかな歌声を届けて、堂島にバトンタッチした。
僕がバラードを歌ってることを眉村さんは知らない
堂島のライブは心温まるラブソング「PERFECT LOVE」でスタート。穏やかなボーカルと心地よいアコギのサウンドがじんわりと場内に広がっていった。「眉村さんの前でバラードやってないなと思って」と切り出した堂島は「僕がバラードを歌ってることを眉村さんは知らないんじゃないかなって。余計なことしてるところしか見たことないんじゃないかなと思って。最近は何かと心に染みちゃったり滲んじゃったりしがちなんですけど、自分の気持ちが一番表現しやすい曲です」と話し、「俺は、ゆく」を弾き語り。切ない別れを描いたこの曲を、情感込めて歌い上げた。
その後もアコギでオーディエンスを魅了していく堂島。「ベンジャミン、空を睨む」では彼が“ギターを弾いている堂島孝平”と“シンガーとしての堂島孝平”の間で揺れながら、なかなか歌わないという焦らしプレイで観客の心をもてあそび、情熱的なハーモニカのパフォーマンスでもフロアを沸かせた。「あのコ猫かいな」でポジティブなメッセージを届けた堂島は気分が乗ったのか、アリスの「チャンピオン」もサプライズで歌唱。出番の最後には、マイクを手に「きみのため」を伸びやかに歌う。サビからは堂島のお面で顔を隠した眉村も登場。最初こそ堂島のうしろを通り過ぎるのみだったが、しまいにはダンスや歌唱も繰り広げ、堂島のステージに華を添えた。
ドウジマユムラが歌う「恋だろ」
このツーマンには当初、ドウジマユムラが好きな橋口洋平(wacci)もゲスト出演する予定だったが、振替公演のスケジュールが合わず参加が叶わなかった。そこで堂島と眉村はwacciの代表曲「恋だろ」をカバー。橋口に捧げるよう、真摯に歌い上げて感動的なムードを演出した。
ライブナタリー主催者からの「ハロウィンってことは何やってもいいんですよ!」というメッセージを思い出したのか、堂島と眉村はラストソング「フリースタイルハンドメイド」で大暴れ。手の中にはたしかにマイクがあるものの、ハイテンションに踊り続けるのみで、なかなか歌おうとしない。こういったパフォーマンスは2022年8月開催の「ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき”」のエンディングでも展開され、ドウジマユムラ公演の様式美になりつつある。今回も2人は歌唱しないまま、この曲を終わらせてしまった。このままツーマンを終了してほしくないという観客の思いに応え、2人は2度目の「フリースタイルハンドメイド」でハツラツとした歌声を届け、オーディエンスを歓喜させた。ピースフルなムードが充満する中、ライブはにぎやかな幕引きとなった。
セットリスト
「ライブナタリー “堂島孝平 × 眉村ちあき” ~星に願いを~」振替公演 2024年10月21日 Spotify O-nest
堂島孝平、眉村ちあき オープニング
01. てんてん
眉村ちあき
01. 夢だけど夢じゃなかった
02. 季節風
03. 東京留守番電話ップ
04. 秘密の恋(Band ver.)
05. I was born in Australia
06. 顔ドン
07. あたかもガガ
08. Lovely days
堂島孝平
01. PERFECT LOVE
02. 俺は、ゆく
03. 月光地帯
04. ベンジャミン、空を睨む
05. き、ぜ、つ、し、ちゃ、う
06. あのコ猫かいな
07. きみのため
堂島孝平、眉村ちあき エンディング
01. 恋だろ(オリジナル:wacci)
02. フリースタイルハンドメイド
03. フリースタイルハンドメイド