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椿(ザ・シスターズハイ)が固定観念をぶち壊された曲は

椿(ザ・シスターズハイ)
9か月前2025年01月17日 8:05

楽曲のリズムやノリを作り出すうえでの屋台骨として非常に重要なドラムだけど、ひと叩きで楽曲の世界観に引き込むイントロや、サビ前にアクセントを付けるフィルインも聴きどころの1つ。そこで、この連載ではドラマーとして活躍するミュージシャンに、「この部分のドラムをぜひ聴いてほしい!」と思う曲を教えてもらいます。第25回は、1月に最新シングル「シン・臨界Nerdる」をリリースし、全国6カ所を回るリリースツアーを行っている “ネオパンクロックバンド”ザ・シスターズハイのドラマー・椿さんが登場です。

構成 / 丸澤嘉明

ドラムフレーズが好きな曲とその理由

Red Hot Chili Peppers「Dani california」(ドラム / チャド・スミス)

このコラムのお話をいただいたときに一発目に出てきたのがこの曲です。
僕が一番敬愛しているドラマー、チャド・スミスが長年在籍しているバンドの曲ですが、スネアのゴーストからのシンプルなドラムインで、最後まで聴いても派手なフィルだったり複雑なビートだったりを叩くわけでもなく、ただひたすら土台に徹する。なのに常に存在感があって、前述したドラムインはなぜか真似したくなる。
初めて聴いた当時はまだドラムを始めて1~2年のときで、ツーバスで速いフレーズを叩く派手なドラムが正義と信じていた時代だったのでその固定観念をぶち壊されました。
縁の下の力持ちに徹しているのに存在感がありすぎてみんなが縁の下を覗いちゃうみたいな、よくわかんないですがそんな骨太なドラムを聴いてほしいです。マジで曲の出だし5秒だけでもいいので。

ジェフ・ベック「scatterbrain」(ドラム / リチャード・ベイリー)

打って変わって複雑で渋いドラムソロから始まる曲です。
この曲を初めて聴いたときのことは正直あまり印象に残ってなくて。というのも上で書いたように派手なドラムが正義だと思っていた少年の日の僕にはちょっとドラム偏差値が高すぎて理解できなかったんですね(ほかの曲の偏差値が低いって言うわけじゃないですが! ニュアンスで!)。
だけどなぜかふとしたときに聴きたくなって何回か聴いてくうちに「あれ? なんかよくね?」って思うようになって。
自分も練習を重ねて難しいことが理解できるようになってよさがわかったってことだと思うんですが、その後はもうこの曲のソロを基礎練に入れるくらい大好きなソロになりました。
思い出込みでの選曲です。

ザ・シスターズハイ「絶望MAQUIA」(ドラム / 椿)

この流れで自分のバンドの曲を挙げるのけっこう勇気が要りますね。
自分がシスハイに入って初めて作った曲っていう思い入れもあるんですが、この曲のサビではハイハット裏打ちのときのキックを前半と後半で変えていて、前半はAメロと同じキック、後半は四つ打ちにしているんですね。
あえて四つ打ちじゃないサビを前半に持ってくることによって2周目からのノリ感が高まっていくみたいな、平坦よりは右肩上がりでみたいなドラムになってます。
こんな感じでけっこう思いを込めたビートだしライブのとき自分で叩いててめちゃくちゃ鳥肌ポイントなのですが、コピバンしてくれてる人の動画を観るとほぼ前半から四つ打ちにされてるのだけが腑に落ちないですね。これのドラムをもっと聞け!

RADWIMPS「DADA」(ドラム / 山口智史)

冒頭のスネアが最高ですね。歌詞に合っていてどこか冷たさというか、飄々としてて話が通じない感、なんか顔は笑顔なんだけど一番痛いところをグサグサ刺してくるみたいな……そんなスネアからバンドインで厚みのある演奏に入るのが最高です。よく音出しのときとかにスネアの端っこ叩いて真似したくなる大好きなフレーズです。

自身でドラムフレーズをプレイする際に意識していること

バンドで叩くときはとにかくボーカルかリードギターに合わせて叩きます。作曲段階から関わってる場合はその2つができてからフレーズを作ったり変えたりすることが多いです。
ライブのよさってクリック通り音源通りの演奏を観ることじゃなくてそのときにしか感じられない生の迫力を感じられることだと思っているので、各々がテンション感だったり感情が高ぶって前に出たときにしっかり寄り添って支えて成立させてあげる意識で叩いてますね。
ソロのときは自分が気持ちよくなることだけ考えてます。

自身のプレイスタイルに影響を与えたドラマー

曲紹介でも触れましたがRed Hot Chili Peppersのチャド・スミスですね。
チャドのドラムを知らなかったら間違いなく今の僕のドラムはないと言い切れるくらい多大な影響を受けていて、あの大きな振りを真似して手首が腱鞘炎になって一時期ドラムが叩けなくなったくらい大好きなドラマーです。
プレイ的な面でも、ライブでは音源と全然違うやりたいことやっちゃうみたいな、1つ上の質問で言ったライブに対する意識みたいなところでもかなり参考にしてます。

椿

新潟発パンクロックバンド、ザ・シスターズハイのドラマー。2023年1月からサポートとして加わり、同年9月に正式加入。バンドは2024年1月にシングル「シン・臨界Nerdる」をリリース。1月から2月にかけてリリースツアーを行っている。ツアーファイナルは2月26日の東京・渋谷CLUB QUATTRO公演。

椿/ザ・シスターズハイ (@tsubaki_drums) / X
ザ・シスターズハイ (@TheSistersHigh) / X
ザ・シスターズハイオフィシャルウェブサイト

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