高野寛のデビュー35周年を記念したアルバム「Modern Vintage Future」が本日11月27日にリリースされた。これを記念して高野とゆかりのあるアーティストによるコメントが公開された。
全編打ち込み主体の「Modern Vintage Future」は、高野が影響を受けたYellow Magic Orchestraへのオマージュがちりばめられた1枚。コロナ禍の中、高野が新たに使い始めたソフトウェアやその前から作り溜めていた数々のピースをもとに制作され、演奏と録音もすべて彼自身が担当した。
今回公開されたコメントは、網守将平(QUBIT)、鈴木慶一(ムーンライダーズ)、砂原良徳(TESTSET)、高田漣、トッド・ラングレン、直枝政広(カーネーション)、畠山美由紀、原口沙輔、原田知世、Bose(スチャダラパー)、牧村憲一の11名によるもの。高野のオフィシャルサイトでは今後もコメントが追加される。
また明日28日には、アルバムの発売を記念したインストアイベントが東京・タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIOで実施される。イベントはトーク、ミニライブ、サイン会という内容で、高野のほかに、細野晴臣の孫であるベーシスト・細野悠太(Chappo、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN)が出演する。タワーレコード渋谷店で「Modern Vintage Future」または高野の著書「続く、イエローマジック」を購入すると、イベントの優先入場券の引換券が配布される。
網守将平(QUBIT)コメント
リリースおめでとうございます。時代の定点観測をその都度言葉と音に反映させ、進化と成熟のキャッチボールを一貫して続けているからこその完成度にため息が出ます。同時に、数十年後に自分はこんな風になれているだろうかと途方に暮れてしまいます。どうしても追いつけない先輩の背中を見て途方に暮れるのは大好きなので、このままあと50年くらいはよろしくお願いします。
鈴木慶一(ムーンライダーズ)コメント
最小限の音による縦横無尽の音像、
トリックを含むリズム、
そして歌とメロディと言葉が醸し出す寂寥こそ、35年の深みだと思う。
私は高橋幸宏氏をミニマリスト(ミニマリズムを極める音楽を作ると言う意味で)
と呼んだが、高野寛くん、いや鳥巣田辛男さんのミニマリズムは極上素敵だ。
生涯の悪友となろうよ。
追記
そう言えば、私は「スノッブが藪の中で諸行無常食ってる」と歌ったよ。最近。
砂原良徳(TESTSET)コメント
高野さんの打ち込みもの、とても良いと思います。
今回だけとは言わずに是非またやってください。
高田漣 コメント
「再生のエクリチュール」
…本作はそんな劣化しない現代社会の息苦しさを高野寛印の瑞々しさで紡いだ名作だと思います。
いずれ私たちも消えてなくなる。それでいい。
トッド・ラングレン コメント
And now he is Modern, Vintage, Future. The Present, The Past, What Is To Be. He still sounds young and curious. The music is about color and texture. It connects to the subconscious yet remains emotional. As if the past had not happened and we start all over again.
そして今、彼はモダンであり、ヴィンテージであり、未来的だ。現在、過去、あるべき姿。彼はまだ若く、好奇心旺盛だ。その音楽の本質は色彩であり、質感。それは潜在意識とつながりながらも、エモーショナルであり続ける。まるで過去がなかったかのように、すべてが再び一から始まるかのようだ。
直枝政広(カーネーション)コメント
今を生きる。その意思のもとに音は生まれ落ちる。何が起ころうと、制作の手を止めなかった同世代の仲間の、このような音楽的な意見と成果を頼もしく思うし、おれもやらなきゃという気にもなる。
「Modern Vintage Future」は最高のアルバム。そのタイトルどおり、時を俯瞰する「Play ▶ 再生」という曲の懐かしいヒスノイズと心情と詩情の狭間に、高野くんらしい人柄と誠実さが表れていて、めちゃくちゃしびれた。
畠山美由紀 コメント
高野さん、どんどん進化なさっているというか、元来の高野寛になっていっているというか...
どの曲にも引き込まれます、歌詞にも非常に共感しますし、サウンドの構築が圧巻ですね。
ちょっとアディクトしてしまいそうな感じすらありますが、
内省、瞑想する感覚にもなってずっと聴いてしまいます。
原口沙輔 コメント
アルバムのリリース、おめでとう御座います。
高野さんの新しい作品を聴き続けられるというのは、自分にとって大変嬉しいことです。
常にルーツを示し続けてくださるという所にも、感謝でしかないです。
サウンドの遊び心が詰め込まれており、逆にそれによって際立つ主旋律。
やはり高野さんの歌われるメロディは本当に素敵だなと度々思います。
原田知世 コメント
高野寛さん 35周年記念アルバム発売おめでとうございます。
高野さんの爽やかさと誠実さは出会った頃のまま、いつお会いしてもその印象は変わりません。
そんな人はなかなかいないと思います。
「Modern Vintage Future」のアルバムジャケット、藍色の空に浮かぶ月へと伸びる塔。澄んだ空気の気配。とても美しい。
音楽と向き合う高野さんの姿と重なって見えました。
これからも素敵な音楽を作り続けてください。
Bose(スチャダラパー)コメント
あのスタイリッシュでスマートな見た目や声質とは裏腹に、
音楽オタクで宅録マニアの先頭を走っていた当時の高野少年のパッションはそのままに、
さらに35年の経験と知識が加わって、我々のような厨二ミドルにとっては、
CDボーナストラックまで聴き逃せない、グサグサと刺さりまくるアルバムになっている。
牧村憲一 コメント
好きな音楽を巡っていくと、ああそうだったのか!と気づく瞬間があります。その最も新しい体験は、いち早く聴かせていただいた高野寛さんのアルバムでした。
一つ一つ緻密な、それでいて柔らかな曲面のように聴く者の心に寄り添い、なによりも拒絶ではない、聴く者を参加させてくれる音楽なんです。
高野寛「Modern Vintage Future」リリース記念インストアイベント
2024年11月28日(木)東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
<出演者>
高野寛
スペシャルゲスト:細野悠太