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KANA-BOONが縁を結んだフロアライブ、マーシーの目に涙

谷口鮪(Vo, G)(撮影:ハタサトシ)
18分前2025年01月21日 14:02

KANA-BOONの360°フロアライブ「円縁宴会」が1月14日に東京・新宿LOFTで開催された。

KANA-BOONが新宿LOFTの歌舞伎町移転25周年を祝し、メジャーデビュー以降初となる360°フロアライブを行った本公演。チケット争奪戦を勝ち抜いたファンたちが小さな円を形成し、KANA-BOONはその中心で全16曲を披露した。

開演時刻になると客電が落ち、拍手喝采に迎えられて谷口鮪(Vo, G)、遠藤昌巳(B)、サポートメンバーのヨコイタカユキ(G)、関優梨子(Dr)が登場。谷口が「思い切り楽しみましょう! あけましておめでとうございます!」と口にすると、「ディストラクションビートミュージック」でライブの幕が開けた。ハンドクラップが鳴り響く中、谷口はギターを弾きながら周囲を見回し、ファンとの距離の近さに「すごいね!」とほほえむ。続いてKANA-BOONは「タイムアウト」「ウォーリーヒーロー」で息の合ったバンドアンサンブルを披露。小気味よく響く谷口の歌声と、四つ打ちのビートが観客を踊らせ、場内のボルテージは急上昇していく。

「近いですね! KANA-BOONは身長低いって知ってた?」とフロアライブならではのMCで笑いを誘う谷口。遠藤が背後を見回して「こんなことするの初めてやからな」と感慨深そうに話すと、谷口は「電源とか引っこ抜かんといてな」と観客を笑わせた。「ラブアンドマスターピース」ではカラフルな照明がフロアを駆け巡り、ダンサブルなバンド演奏に彩りを加える。野太いベースリフから始まったのは「talking」。谷口はフロアを歩き回りながらギターをかき鳴らし、「超ひさびさな曲をやってもいいですか!」と声を張り上げて「LOL」を投下する。楽曲のキメを完全に把握したファンたちは高く手を掲げ、的確なタイミングで合いの手やクラップを挟み込み、KANA-BOONを中心とした円がまるで大きな球になっていくかのように、場内にすさまじい一体感が生まれた。

「ばけもの」では骨太な8ビートに乗せて、谷口がまっすぐなリリックを響かせる。彼はファンと目を合わせてほほえみながら快活な歌声を届け、「最前の人にはセットリストが丸見えやな。下見んといてな!」と口にして場内を笑いで包む。遠藤は「すごくうれしいよ。普段は横見てもメンバーやスタッフしかおれへんけど、メンバーごしに好きな人たちがおるって、俺得!」と笑顔を浮かべ、谷口が「苦しい思いしてる人いないですか? 大丈夫やな?」と周囲を気遣ったのち、「新年一発目! めちゃくちゃレアですよ! 皆さん!」と高倍率のチケットを勝ち取った観客を称えた。ビブラートを効かせた谷口のボーカルがこだました「見たくないもの」「MUSiC」に続き、「シルエット」では高く掲げられたファンの腕が屋根を作るようにKANA-BOONを取り囲む。谷口は往年の名曲をまっすぐに歌い上げ、シンガロングを巻き起こした。

「ステージだとバレへんねんけどさ、意外とハーハー言うてるのよね」と、息を切らしながら話し始める谷口。新宿LOFTにまつわる思い出を振り返って彼は「もともと俺はアジカンとフジファブリックが大好きなんですよ。10代の頃からすごく憧れていて。志村正彦さんの日記がつづられた『東京、音楽、ロックンロール』っていう本があって、そこに新宿LOFTの名前がよく出てくるの。その中でブッキングの樋口寛子さんの名前が出てきて。LOFTってどんなところなんだろう、フジファブリックが愛してやまない樋口さんってどんな人なんだろうっていう気持ちから始まって、20歳くらいの頃、LOFTに出たときに、『実はフジファブリックが好きで、本も読んでいて』って言ったら、すごくあったかく迎えてくれて。そこからよく出演させてもらっていました。今回は約8年ぶりの出演なんです。どうせなら日頃KANA-BOONの曲を聴いてくれてる人と、近い距離でライブできたらなあと思って」と語る。さらに本公演のタイトル「円縁宴会」について「サークルという意味の“円”、新年一発目という意味で“宴会”。そして何よりやっぱり“縁”ですよね。俺たちとLOFTの縁をここでもう一度結ぶ。あなたとも縁を結びましょうと。今日はそういう会でございます」と説明した谷口は「ちょうどそういうテーマにハマる曲があるからやります」と口にして、「きらりらり」を歌い上げた。

4人に向かって大歓声が降り注いだのち、谷口はサポートメンバー2人を迎えたKANA-BOONの現体制に触れ、「プライベートな時間も、この4人で集まったりしながら、バンドをやっております。また夢を見ようと思って。燃え尽きたような感覚とか、そういうのは俺にはいらないなあと。爪先まで燃え尽きるくらい、KANA-BOONで売れたいなと思って。確実に一歩一歩、進んでいこうと思ってますので」とファンに明るい未来を予感させる。遠藤が作曲を手がけた新曲「日々」がスタートすると、遠藤は鮪を支えるように、KANA-BOONを支えるように、頼もしい音色を轟かせた。歌い終えた谷口が「いい曲やな! この曲ができて、MVを作って、本当に変わったのよ。この曲に救われた人、多いと思う。ありがとう」と遠藤に向かってまっすぐに感謝を伝えると、会場から一斉に「マーシー(遠藤の愛称)、ありがとう!」の声が響く。感極まった遠藤は「俺が、この曲に救われました。好きな人たちに囲まれてさ、自分が作った曲を、歌ってくれて、叩いてくれて、観てくれて」と涙目に。“弾いてくれて”という要素が含まれていなかったことに谷口が「ヨコイは?」とすかさずツッコむと、場内は大爆笑に包まれた。

ライブはラストスパートに突入し、おなじみのギターリフが「ないものねだり」の始まりを告げる。遠藤とヨコイはフロアを歩き回りながら演奏し、群集に紛れながらコール&レスポンスに参加。谷口は観客やスタッフにマイクを向けて歌わせるなどしながら、最後には「ロフロフロフロフロフロフロ、フ、トー!」の応酬を炸裂させる。「ソングオブザデッド」を経て、ラストナンバー「ネリネ」が演奏されると、シャッフルビートに乗せて谷口とファンのシンガロングが高らかに響き渡り、フロアで過ごす特別な1時間半が終了した。

セットリスト

新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念 KANA-BOON 360°フロアライブ「円縁宴会」 2025年1月14日 新宿LOFT

01. ディストラクションビートミュージック
02. タイムアウト
03. ウォーリーヒーロー
04. ラブアンドマスターピース
05. talking
06. LOL
07. ばけもの
08. 見たくないもの
09. MUSiC
10. スターマーカー
11. シルエット
12. きらりらり
13. 日々
14. ないものねだり
15. ソングオブザデッド
16. ネリネ

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