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Jokerは誰だ?超特急が豊かな表現力で描いた壮大なミステリー、ツアー最終公演で明かされた衝撃ラスト

超特急
1年以上前2025年01月29日 23:03

超特急が1月28、29日に神奈川・横浜アリーナにて、アリーナツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 "Joker"」の最終公演を行った。

物語の幕開け

「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 "Joker"」は、2024年12月20日の大阪・大阪城ホール公演を皮切りに4カ所のアリーナ会場で全8公演が行われたツアー。昨年12月25日に迎えた結成13周年の記念日をまたぐ形で行われたこのツアーのタイトルには、“13枚”のカードで構成されるトランプの切り札である「Joker」の名が冠された。9人体制で踏み出した“新しい世界”を8号車(超特急ファンの呼称)に提示した2022年の「新世界」、“時間”が育んだ9人の絆と色鮮やかな個性が輝いた2023年の「T.I.M.E」を経た、9人では3度目となる年末(年始)恒例のアリーナツアー。「Joker」で彼らが見せたのは、“ジョーカー探し”の謎解き要素を盛り込んだ、過去のライブに類を見ないエンタテインメント。超特急の多彩な楽曲群と9人の豊かな表現力が織り成す、シネマティックなダークミステリーだった。

横浜アリーナの広いステージに再現されたのは、“ゴッサム・シティ”を思わせるような異国の都市の風景。寂れたネオンサインは不規則に点滅し、車道を模した花道に立つ街灯は仄暗い光を宿している。これから始まる物語への期待感が高まる中で開演時刻を迎えると、ステージ左右に設置されたビジョンには「Joker」のタイトルが浮かび上がり、そのままメンバー紹介のオープニングロールへ。ドラム缶に隠れ銃撃をかわしたアロハ、革張りのソファでキャンディを舐めるシューヤ、ステッキを手にドアから姿を見せたリョウガ、電話ボックスの中でトランプのカードを見つめるユーキ……。順に映されるモノクロの映像が最後のカットで舞台セットに実在しているメンバーの生映像に切り替わっていくというトリッキーな仕掛けに、客席からは何度も驚きの声が上がる。幾重にも組み上げられた街のセットの高層から姿を見せたカイに、フェンスを荒々しく蹴破るタカシ。バーカウンターにもたれるマサヒロはカクテルを一気に飲み干す。ハルが時計の針を巻き戻して不適な笑みを浮かべた次の瞬間、最後に姿を見せたタクヤはアリーナの客席通路をさまよい歩いてステージへ。こうして集まったメンバーは、未発表曲「POKER FACE」で物語の幕を開けた。

“このトリックがわかるかい?”と聴衆を挑発しながら「僕らの理想郷へ」と歌い上げる「POKER FACE」。「Wow wow wow」のフレーズに合わせて道化師のようなステップを踏むメンバーの佇まいは軽やかだが、その表情からはシリアスなムードが伝わってくる。中でもツアー初日に足を負傷したため以降の公演で踊ることが叶わず、この横浜アリーナ2DAYSで完全復帰を果たしたアロハが一挙手一投足に宿す気迫はすさまじいもの。またシューヤも、体調不良のため2DAYS公演を欠席することになったボーカルの相方・タカシの分まで握ったマイクに力を込め、冒頭からフルパワーのがなりやシャウトでオーディエンスを圧倒する。ステージ上から放たれる覇気に場内の熱が一気に高まったところで、流れるように2曲目の「Re-Booster」へ。9人体制では初披露となる「Booster」は、ダンサーメンバーもマイクリレーを繰り広げるラップナンバーだ。冒頭、1桁号車のメンバーがメインステージでオリジナルバージョンの1番を歌い上げると、センターステージに姿を見せた2桁号車のシューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルは新たに作り上げられた2番パートをアグレッシブなフロウで歌いつなぎ「刻む新たな歴史!」と宣言する。9人の軌跡を凝縮したような演出に、彼らがゴシップ紙の一面を飾る映像やフラッシュのようなライティングも相まって、物語の主人公たちのセンセーショナルな“お目見え”が印象付けられたオープニング。アロハのスクラッチポーズと「ツアーファイナルだ、ついてこいよ!」という声から「No.1」へと展開すると、街のあちこちに散らばったダンサーメンバーはテクニカルなソロダンスのリレーを見せ、シューヤはパワフルなフェイクを聴かせる。それぞれの個性の輝きを、客席の8号車は色鮮やかなペンライトの光と大きなコールで彩っていた。

華やかなオープニングパートを終えてのMCでは、1桁号車のメンバーが自己紹介口上をひさびさに披露。タカシに順番が回った際には、メンバーが彼の口上を代わりに担当した。28日の公演では、メンバーと8号車に復帰を祝福されたアロハが「ちょっと待って!」とこみ上げる涙をこらえ、リーダー・リョウガから「初手で!?(笑)」とツッコミを受ける場面も。また29日の公演ではシューヤがタカシからの手紙を取り出し「8号車のみんな、タカシやで! 今日はツアーファイナル、思いっ切り楽しもうな! U-NEXTから観てるで!」と読み上げた。

いつもと変わらない、にぎやかで笑顔あふれるやりとりが繰り広げられたMCタイム。しかしながら、28日公演ではハルが、29日公演ではアロハが足元に落ちていた手紙を拾ったその瞬間にムードが一変する。「やあ、元気だったかい? 君たちがこの街にやって来るなんて。この街で僕と遊んでいかないか?」。そんな誘いがつづられたこの手紙の送り主は“ジョーカー”。ジョーカーは、8号車が迷い込んだこの“街”が閉ざされた世界であること、ここから先は“4つの世界の扉”を開けさえすればいいことを伝え「もしこの世界を早く抜け出したいのなら 僕を見つけるといい。僕は君たちの中にいる」と告げた。

SCENE 1:#Closed circle 閉ざされた世界

“ダイヤの扉”が開くと、舞台中央に立っていたのはハル。グリッチノイズがビジョンを覆い、スピーカーからはノイジーなリール音が響く中、彼が丁寧にお辞儀をして指を鳴らすと、残るメンバーが“逆再生”の後ろ歩きで姿を見せ、「On & On」をスタートさせた。これまでとは明らかに異なるパフォーマンスを見せる8人の姿に、熱い眼差しで注目するオーディエンス。その違和感は間奏パートでも現出し、まるで時空が歪んだようなテンポチェンジの中、8人は操り人形のようなゆったりとした動きで観る者のざわめきを誘う。ハルの再びの合図によってテンポが元通りになるも、「この街はいつだって不思議な出来事で溢れている。時が止まり、逆さまになる事さえ不思議とは思わない」というジョーカーの言葉が具現化したようなひとときは、普段のライブとは違う「Joker」の世界観を強烈に印象付けた。続く「UNKNOWN...」では8つの光る箱が舞台上に浮かび上がる。その閉鎖空間に閉じ込められたメンバーは行き場のない苦しさを表情や身振りに宿して楽曲を表現。静寂に響く鼓動のようなビートに合わせて彼らが見せた切迫感あふれるダンスのリレーを、8号車は息をのむように見つめた。ステッキを手にしたリョウガを筆頭に、葡萄色のレザーのセットアップに身を包んだ8人が“ストリート”を闊歩したのち、センターステージでドロップされたのは「Fantasista」。グルーヴィなサウンドに乗り、統制の取れた華麗な群舞を見せる彼らは、踊りながら四方に正面を切り替えていくテクニカルなステージングで全方向を囲む8号車にアピールしたのち、暗闇へと姿を消した。

SCENE 2:#Red Herring 見定めるべき事は他にある

「美しい世界こそが僕の理想だ。僕にとっては美しいものが全て。その美しさを奪う者が僕の前に立ちはだかるのなら。心臓を激しく鼓動させていく」。そんな導入から開かれたのは“ハートの扉”。清らなベルの音に導かれ、色鮮やかなメンバーカラーのウインターファッションに着替えてステージに現れた8人は「Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~」でパフォーマンスを再開させた。雪の夜の恋物語をハートウォーミングな歌とダンスで紡いでいくメンバーの姿に笑顔の輪が広がるも、直前にジョーカーが吐き捨てていた「この街の、汚れたゴミのような匂いは美しくない。雨が降ると余計に鼻につく。雪が降る夜にもその匂いがするから不思議だ」という言葉が観る者の心に小さな影を落とす。しかしながらステージ上の8人の表情は晴れやかで、今ツアーで初披露された「Love Song」では多種多様なハートマークを形作って8号車に届けるメンバー。彼らは歌詞に登場する“蝶”のように優雅な身のこなしで舞い、「Synchronism」「Billion Beats」などの過去曲をオマージュした振りでも温かなムードを醸成していく。ラストサビでシューヤが8号車の声を求めると会場からは大きなシンガロングの声が上がり、これを聴いたシューヤは「みんなの歌、俺らに届いてるし、タカシくんにも届いてるよ! ありがとやで!」と、笑顔でタカシの決めポーズである“やでポーズ”を決めた。

山下達郎の名曲をカバーした「クリスマス・イブ」では、雪降る街に電車で降り立ったタクヤのアクティングをきっかけに、ダンサーメンバーが街のあちこちで聖夜の情景を描き出す。シューヤの豊かな歌声が優しく切ないムードを高める中、街灯の下に立つアロハがムービーカメラを相手役にステップを踏むと、マフラーを巻いてステージを駆け出したハルはステージ中段で待つユーキに抱きついて8号車の黄色い歓声を誘った。「美しい歌声も、僕の心を癒やしてくれる。人が人を愛する事も、美しい」。そんなジョーカーの言葉どおりの愛に満ちた美しい光景が広がった“ハートの世界”の最後に届けられ、観る者の度肝を抜いたのは「Steal a Kiss⇄Kiss Me Baby」と銘打たれたパフォーマンス。ステージ下手に陣取ったリョウガ、タクヤ、シューヤ、マサヒロが「Steal a Kiss」で8号車を艶やかに挑発すれば、ステージ上手に立つカイ、ユーキ、アロハ、ハルは「Kiss Me Baby」で「Only you」と8号車にまっすぐ訴えかける。“Kissつながり”のキラーチューン2曲をマッシュアップした「Steal a Kiss×Kiss Me Baby」というリミックスナンバーが昨年9月に配信されていたが、そのマッシュアップを生のパフォーマンスで再現するという離れ技をここで見せた8人。曲が進むにつれて曲の切り替わりが激しくなる中、ステージセンターに集った彼らは鮮やかなスイッチングで2曲を踊りこなし、さっそうとステージをあとにした。

SCENE 3:#mislead 見えている物全てが真実とは限らない

ジョーカーの「君には真実が見えているかい?」という挑発的な言葉、そして「隣で笑っている奴こそが僕なのかもしれない」という小さな手がかりとともに開いたのは“クローバーの世界”の扉。ジョーカーは、クローバーには「幸運」「約束」「私を思って」「復讐」という4つの花言葉が存在していることを伝え「人はその中の一つの意味を信じていく必要があるのだろう」と続けた。すると、超特急はシューヤの高らかな歌い出しを合図に「星屑のダンスフロア」を披露。きらめくデジタルサウンドが高揚を誘う中、メンバーのうち5人は最上層のスタンド席をトロッコで進み、8号車の間近で手を振って会場全体を巻き込んだ盛り上がりを作っていく。29日公演ではセンターステージに残ったユーキ、シューヤ、アロハがダンスバトルを繰り広げ、シューヤが片手バク転を見せてダンサー2人を驚かせる瞬間も。続く「Burn!」ではユーキが「タカシに届けるぞ~!」と客席に声を求め、これに応じた8号車は大きな声で落ちサビを歌い上げてみせた。メンバーがステージに再集結したところでドロップされたのは、9人体制では今ツアーが初披露となった初期楽曲の「Shake body」だ。メンバーが繰り広げるエキセントリックなダンスエクササイズを、8号車が息の合ったコールで盛り上げるこの曲。1番で「ガリガリグッバイ!」「ドジっ子わっしょい!」というおなじみの声がリョウガとユーキに送られると、2番で同じパートを担当することになった2桁号車のアロハとハルにも「真っ直ぐ来たぞー!」「怪獣エンジョイ!」という声が送られる。ツアー期間の中で育て上げられた新たなコールが示した8号車の結束力には、ステージで踊るメンバーも破顔。さらに、この曲のセンターを務めるタクヤは「キレてるキレてる!」という新たなコールを送るよう8号車に要求する。28日公演ではリョウガの腕立てとハルの“一点倒立”に、29日公演ではカイとアロハが見せたアグレッシブな腕立てパフォーマンスに「キレてるキレてる!」と声が飛び、熱狂がぐんぐんと高まっていった曲の最終盤、タクヤは振り切れたテンションで「なんだよ、俺らこんながんばってるのに! アロハの足が治ったと思ったらタカシがこんなんなって、おかしいだろ~! タカシやで!」と激昂しながら“やでポーズ”を決めるという奇想天外なムーブを見せ、周囲のメンバーを「違う意味でキレてる……」とざわつかせていた。

「あんなにピュアで純粋でいい子のタカシがなんでこんな目に遭うんだと。もう、キレてる!」。“怒り”が収まらないタクヤのまっすぐな思いにその場の誰もが和んだところで、今ツアー恒例となった“近況トーク”へ。挙手制で他愛もない近況を報告し合うこのコーナーでは、タクヤが28日の終演後に被害に遭ったという“弁当泥棒”の犯人探しが行われ、全員のアリバイ証明の結果アロハに疑いの目が向けられるという顛末に8号車の笑い声が響く。メンバーの飾らない素顔と仲のよさに笑顔の輪が広がった束の間の休息を経て、8人はユーキの号令から最新シングル曲「AwA AwA」でパフォーマンスを再開。「まあ、カッコつけさせてよ」というタカシの決めゼリフはシューヤが担い、8人が“泡”を形作った両手を高く掲げ飛び跳ねると、彼らが立つセンターステージもゆっくりと上昇していく。ふわふわと舞い上がるスモークバブルが幻想的なムードを創出する中、ステージの中央に立つハルは「よーし! ちょ、今から本気出していくわ」と自身の決めゼリフを言い放ち、最後に主導権をリョウガに手渡した。そのリョウガが自身でタイトルコールを担うセンター曲「ジュブナイラー」では、曲振りまでの時間を極力伸ばそうとする彼の独壇場が恒例となっているが、ツアーファイナルで彼はなぜか焦った様子で超高速の“安全確認”をしたのち「ジュブナイラー!」と即座に告げる。予測不能な笑いの引き出しで仲間や観る者を楽しませるリョウガのリードのもと、8号車は「ばっちこいや!」と全力のコールを送り、“クローバーの世界”はにぎやかなムードの中で閉ざされた。

SCENE 4:#Challenge your readers Jokerからの挑戦状

“最後の扉”が開くのを前に、ジョーカーは「真実を見定めることはできただろうか。僕が誰なのか。穴が開くほど僕たちを凝視していた君達なら、おぼろげな真実が見え始めているだろう」「僕はどんな時も、僕が僕である事を示していたはずだ」と観る者を挑発し、やがてこの街に嵐が訪れることを告げる。「真実へのカウントダウンが始まる」という手紙の末尾に、一気に緊張感が高まる中で開いた“スペードの世界”の扉。不穏な空気感漂うダンスナンバー「Spice」を踊る8人がまとうシリアスなオーラはそれまでとは明らかに異なるもので、グレーのスーツに着替えた彼らが見せる細かなニュアンスとダイナミックなムーブの鮮やかなコントラストもオーディエンスを惹き付ける。「僕だけにしか暴けないstories 張り詰めた糸 確かめてみたい」と歌われる歌詞が聴衆の心情とシンクロする中、マサヒロの「Time!」という声を合図に「Typhoon」へと展開すると、タイトル通りの激しい雷雨がステージ奥のビジョンを覆った。スピーディなマイクリレーを見せるラップパートからダイナミックな群舞を見せるドロップパートへ、ハイエナジーなパフォーマンスで焦燥と期待を煽る8人。その体に宿る気迫は加速度的に高まっていき、続く「Countdown」ではファイヤーボールが噴き上がる中で圧倒的熱量の歌とダンスを8号車に叩き付ける。いつもはタカシと目を合わせて「楽しみたいじゃん」というフレーズを歌うシューヤも、この日は「全員で行くぞ~!」と歌い替え、最後にはすさまじい声量の“3段ブースター”からの極太ファルセットをアリーナの広大な空間に轟かせてみせた。

SCENE 5:#Mystery 最後の手がかり

「最後の手がかり」というタイトルが掲げられた物語の最終章は「Beasty Spider」に乗せて描かれた。けたたましい警告音と赤いサーチライトが危険を知らせる中、闇に紛れるように大きなフード付きのコートを羽織った8人はステージに大きく散らばってダンスを踊る。「誘惑のPoker Face 謎めく正体」。歌詞とリンクさせたメッセージ性は曲が2番に進むといっそう深まり、彼らはフードで顔を隠して正体をカムフラージュ。そして間奏のダンスパート、ステージセットの最上段に1人の“ジョーカー”の影が浮かび上がると、彼は自らの正体を知らせるかのように鮮烈なソロダンスを舞い、そのシルエットをオーディエンスの目に焼き付けてみせた。「Who is the joker?」。再び掲げられた問いかけの中でメンバーがラインナップし、届けられたラストナンバーは「JOKER FACE」。“あなた”を思うあまり哀しきジョーカーに成り果てた1人の叫びを歌で、身振りで伝える8人の表現はあまりに雄弁で、その鬼気迫るほどの一挙手一頭足、表情に宿る機微に会場中の注目が注がれた。すると、楽曲のハイライトでは実際の“雨”が彼らの頭上から降り注ぎ、8号車の驚きをさらう。強く打ち付ける雨に苦悶の表情を浮かべる8人が夢中で歌い踊り、「Joker」の歌詞に合わせて口角を引き上げてみせる、衝撃的なクライマックス。「I'm a Joker」というラストフレーズとともに光の中に浮かび上がったのは、28日公演ではアロハ、29日公演ではユーキの姿だった。

ほかのメンバーが去りゆく中、1人ステージに残ったジョーカーは雨音の中で迫真の“ラストダンス”を踊った。全身に柔らかな悲しみを宿したアロハは傘を使って優雅な舞いを見せたのち、一瞬の狂気を表情に浮かべる。8号車の悲鳴を背におぼつかない足取りでメインステージへと戻ると、彼は手にしたジョーカーのカードを引き裂いて姿を消した。また、29日公演でユーキが見せたのは、“見えない何か”に怯え、感情のコントロールもままならないジョーカーの切ない末路。“雨の匂い”をかき消そうと振りかけた香水も意味をなさず、ダンスのステップもままならない彼もまた、最後にジョーカーのカードを引き裂いてエンドロールを導いた。

ツアーファイナルで明かされた“真のラスト”

28日公演までの7公演はここでジョーカーの物語が結ばれていたが、29日公演には“真のラスト”が用意されていた。それぞれの公演でジョーカー役を担っていたカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシ、シューヤ、マサヒロ、アロハがカードを引き裂く姿がビジョンに映し出されたのち、時間が巻き戻って姿を見せたのはそのカードを配ったもう1人の人物。仮面を被ったその男がゲームマスターのようにこの物語を操っていたことが映像の中で明かされると、その男は傘を手に観衆の前に現れる。8号車の驚きの悲鳴が響く中、仮面をそっと外したのは14号車のハル。“14枚目の切り札”が真のジョーカーだったことが明かされたその瞬間、ハルは「The End」のクレジットとともに不敵な笑みでジョーカーのカードを掲げてみせた。

思いも寄らぬラストシーンの衝撃に負けることなく8号車が大きな「超特急!」コールを巻き起こすと、超特急は「Rail to Dream」でアンコールをスタートさせた。この楽曲はひさびさの披露だったが、8号車からはそのブランクを感じさせないほど熱いコールが8人に送られ、スタンド席を再びトロッコで進んだメンバーの笑顔を誘う。また、28日公演のアンコール1曲目に届けられた「My Buddy」では、シューヤが「タカシはMy Buddy!」と相方に強い思いを叫ぶ場面もあった。

迫真のパフォーマンスで歌い、踊り描いた「Joker」の世界観を抜け、メンバーはここで順に思いを伝えていく。28日公演では、初めて1人でボーカルを担ったシューヤに鳴り止まない拍手が送られ、シューヤは「僕が超特急に入ってきたとき、あのステージで言った『タカシくんを支えたい』という言葉を、今日少しは叶えられたんじゃないかなと思ってます」と安堵の表情を見せた。するとマサヒロは「僕はシューヤといる時間が一番長いと思うんですけど」と切り出し「旅行に行った帰りの飛行機でも、コイツは寝ずに動画を観て歌の練習して、俺は寝たいのに振りの確認をしてくるんです。チャラチャラ担当とか言ってますけど、一番真面目だと僕は思ってます。それくらい彼の熱心な姿を僕は間近で見ているので、その姿が今日は8号車に伝わったんじゃないかなと思います」とシューヤを称えた。

そして、29日の公演ではユーキが「率直にひと言。俺はタカシがいねえと踊れねえー! やっぱりタカシとシューヤの2人の歌声があってこそダンサーが生きるので、お前がいねえとやっぱなんか足りねえわと思いながらステージに立ってました!」と素直な思いを打ち明ける。「今回のツアーはすごい僕を大人にしてくれたツアーだと思ってます」と振り返ったアロハも「9人で早くパフォーマンスしたいなとすごく思うので、タカシくん早く帰って来てくださーい!」と呼びかける中、最後に順番が回ったリョウガは「ホンマに今日は乗車してくださった方々ありがとうございますう」「タカシやで、見てるかい? お主のおかげで関西弁うまくなりました」とタカシを意識した関西弁で挨拶を行い「似てないからな!?(笑)」とシューヤから怒られていた。

9人の豊かな表現力によって、壮大な物語が紡がれた「Joker」公演のラストを飾ったのは、ハルがセンターを務める「バッタマン」。「真のジョーカー、ぶちかませ!」とユーキに背中を押されたハルは曲が始まるなり「俺が、俺様がジョーカーだ~!」と絶叫し、文字通りの大暴れでステージをかき回す。「真のジョーカー」の“真の姿”をメンバーが楽しそうに見守る中、花道を激走したハルは「タカシくーん! 俺、タカシくんのこと好きでーす!」とタカシにラブコールを送り、さらにはタカシの顔がプリントされた布を8号車に見せつけ「このイケメンが目に入らぬか~!」とアピール。9人の強い絆と愛を持って、公演は笑顔で結ばれた。

29日公演 メンバー挨拶全文

シューヤ

(大きな拍手に)気持ちいい、拍手の雨って! 「Joker」、全員は最後までそろわなかったですけど、こうして完走することができました。まさか自分の相方がラスト2公演いないことになってしまって。正直言うと、「俺ならイケるっしょ!」と思ってて。でもやっぱさ、昨日ライブ直前に不安に襲われたんですよ。(今まで)あんまなくてさ。自分の相方がいないって大変なんだなって思い知らされたんですね。でも昨日を経て、今日は。俺の中のタカシくんがいるんです。耳の中、頭の中、目の中に。聞こえてくるんですよね、歌が。ずっと隣で聴いてるからさ。その声に合わせてハモったりとかユニゾンしたりとかしてたんだけど、今日はタカシくんの声を想像しながら歌ってたらめっちゃ気持ちよかったです。でもやっぱりさ、想像じゃなくて、俺の隣にはタカシくんがいてほしいし、タカシくんのことを支えたくて(超特急に)入ってるしさ。これからも支えて支えられて、守って守られて、最強のバディで歌っていこうと思います! タカシくん! これからもよろしくね! 早く帰ってこいよ~!

カイ

ライブはすごく楽しいですし、9人でツアーファイナルを迎えられなかったことは悔しいし心残りなんですけど、この寂しさをしっかり持ち帰って、次また9人でのライブを楽しみにしてほしいなと思います。僕たちのライブを次に観るときまでの思い出として持ち帰ってもらって、また違った形のパフォーマンスとして届けられたらと思います。僕たちは9人だけじゃなくて、たくさんのスタッフさんに支えられてこのステージに立てているということを実感しますし、ここにいるみんな、誰1人置いていかないでもっと進んでいきたいなと思っています。ぶっちゃけ、会場が大きくなくてもいいんです。なんですけど、やっぱりこうしてたくさんの方に観てもらうと、どうしても欲が出てくるというか。絶対にみんなをもっとデカい所に連れて行って最高のパフォーマンスをしたいと思うので、これからも超特急と一緒に歩いていってほしいなと思います。

マサヒロ

話すことをずっと考えていたんですけど、今僕たちの(ステージの)下にある水が排水作業を始めまして、すべて忘れました!(笑) 8公演、皆さんがいてくださったおかげで僕たちのライブは成り立ってます。スタッフさんの支えがあるからこそ今僕らがこうしてステージに立てているので、タカシくん合わせて9人だけじゃない、皆さんの支えがあってのステージなので、皆さんに感謝の気持ちを持ってこれからも活動していきます。

タクヤ

ツアーファイナル、楽しかったですか? もっと! 楽しかったですか!? 絶対に、また、会いましょう! ありがとうございました~!

ユーキ

率直にひと言。俺はタカシがいねえと踊れねえー! やっぱりタカシとシューヤの2人の歌声があってこそダンサーが生きるので、お前がいねえとやっぱなんか足りねえわと思いながらステージに立ってました。けど、タカシの思いを引き継ぎながらみんな全力でパフォーマンスしたと思うので、それが8号車の皆様に伝わっていたらうれしいです。みんなタカシのこと待ってるし、次はもっともっと。9人で大きくなっていきたいと思うので、皆さんこれからも応援よろしくお願いします!

アロハ

僕もひと言だけ言わせてください。今回のツアーはすごく僕を大人にしてくれたツアーだと思ってます。9人で早くパフォーマンスしたいなと思うので、タカシくん早く帰って来てくださーい!

ハル

すごく楽しくて、幸せな期間を過ごさせていただきました。9人そろわずというのはいろんな感情が出てきてしまうんですけど、タカシくんを僕ら待ってますし、誰も悪くないので、みんなで温かく待っていただけたらうれしいなと思います。楽しんでいただけましたか? 僕もすごくすごく楽しかったです。考察とか見るのも楽しかったです(笑)。ありがとうございます、皆さんと一緒に過ごせてすごく楽しかったです、また会いましょう!

リョウガ

ホンマに今日は乗車してくださった方々ありがとうございますう。ホンマいろんなことがありましたけれども、すべてに意味があると思てますし、今日も大変だろうにタカシやでからメッセージ来やさってさかいにホンマに、「無理せんと」言うて。こんなときまで言ってくれるんやなあと思て、ホンマに。でもそれはみんなも思うべきやし、いろいろ深いライブやったなと思てます。(シューヤが)タカシに言うてたけど、俺からも言わせてください。タカシやで、見てるかい? お主のおかげで関西弁うまくなりました。あ、ごめんなさい、ちゃんと俺からも言わせてください。(声色を変えて)「この物語は終わるけど、夜の余韻は続いていきます。またどこかで続きをやろう」……あっ、ChatGPTから教えてもらいました。(ChatGPTへ向けて)ホントに最後までお世話になりました、ありがとうございました!

セットリスト

「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2024-2025 "Joker"」2025年1月28日、29日 横浜アリーナ

01. POKER FACE
02. Re-Booster
03. No.1
04. On & On
05. UNKNOWN...
06. Fantasista
07. Fantasy Love Train~君の元までつながるRail~
08. Love Song
09. クリスマス・イブ
10. Steal a Kiss⇄Kiss Me Baby
11. 星屑のダンスフロア
12. Burn!
13. Shake body
14. AwA AwA
15. ジュブナイラー
16. Spice
17. Typhoon
18. Countdown
19. Beasty Spider
20. JOKER FACE
<アンコール>
21. My Buddy(28日公演) / Rail to Dream(29日公演)
22. 超えてアバンチュール(28日公演) / バッタマン(29日公演)

撮影:米山三郎 / 笹森健一

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