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女王蜂が届けた感謝と慈愛、アヴちゃん復活ツアー「狂詩曲」で新たな世界を見せる

アヴちゃん(Vo)(撮影:森好弘)
8か月前2025年02月28日 12:05

女王蜂の全国ホールツアー「狂詩曲~ギャル爆誕~」が、本日2月28日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホールで終幕した。

昨年4月に結成15周年を記念したライブを東京・国立代々木競技場第一体育館で開催した女王蜂は、6月にスタートした全国ツアー「FINAL ANGEL」をアヴちゃん(Vo)の体調不良により中止。しかし11月には復活を遂げる今回のツアー開催を発表してファンを大喜びさせた。さらにツアー初日の1月18日には2年ぶりのニューアルバム「悪」のリリースも発表し、完全復活を印象付けた。

ひさびさのライブとなった今回のツアーで女王蜂が提示したのは、過去のライブでの鬼気迫るようなパフォーマンスとはまた異なる、慈愛に満ちた表現の数々。ファンとの再会やステージに立つことの喜びを噛みしめるかのようなライブを、観客は驚きと感動が入り混じった表情で見届けた。この記事では2月18日に行われた東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の模様をレポートする。

開演時刻を迎え、オープニングSEもないまま暗転したステージを逆光が照らす中、最初にやしちゃん(B)、ひばりくん(G)、サポートメンバーのながしまみのり(Key)、山口美代子(Dr)が現れた。静寂に包まれたホールにかすかな緊張感が漂う中、ひばりくんの鮮烈な「狂詩曲」のフレーズをなぞるギターイントロから「もう一度欲しがって」が始まる。そしてステージ下手からパステルグリーンのロングドレスに身を包んだアヴちゃんが登場。割れんばかりの歓声が起こる中、アヴちゃんは穏やかに語りかけるような歌声を客席に届けた。続いて赤いライトに染められたステージで、アヴちゃんの衣装はミニ丈に早替わり。「メフィスト」でおどろおどろしさと高潔さを兼ね備えた、女王蜂ならではの世界へと観客を導いた。

アヴちゃんが悠然と微笑みながら「どうもありがとう」とオーディエンスに伝えたあとは「MYSTERIOUS」が始まり、心地よいリズムに乗せて客席のジュリ扇が波打つ。「首のない天使」ではパワフルなビートに合わせてホールが大きく揺れ、「ハイになんてなりたくない」ではマイクを向けるアヴちゃんに応えて大合唱が起こるなど、会場の緊張も徐々に解きほぐされて高揚感が満ちていった。

「十二次元」のアウトロで12カウントを終えたアヴちゃんが鋭いパンチを繰り出すと同時に「BL」のイントロへ突入。アヴちゃんはこの日初めて、観客に向けて声を張り上げ「調子はどう?」と不敵な笑みを浮かべながら呼びかけた。ホール内の熱量が高まる中、10曲目の「火炎」ではステージ前に落ちた紗幕を赤やオレンジの多彩な照明が染め上げ、メンバーたちが炎に包まれながら演奏しているかのようなひとときに。幻想的な演出に観客が息を呑む中、アヴちゃんは再び「どうもありがとう」と礼を述べてステージをあとにした。

残るメンバーが奏で始めたのは「つづら折り」。繊細なピアノの音色がアンサンブルを牽引し、後半戦への期待を高めていく。そして再びステージに現れたアヴちゃんは、オレンジのチュチュにバレエシューズという出で立ちにチェンジ。メンバー1人ひとりとアイコンタクトを取ったあと、しっとりと穏やかな歌声で会場を包み込んだ。一方「杜若」は1人ステージに残ったアヴちゃんが椅子に腰を下ろし、重厚なストリングスの音色に乗せて熱く歌い上げる。曲の後半では黒を基調とした衣装に着替えた4人も加わり、ダイナミックなサウンドで客席を圧倒した。

「十」のアウトロでアヴちゃんはバレエシューズでどこかおぼつかないステップを踏み、4人の音に身を任せていく。「聖戦」の壮大な音像を届け、この日何度目かの「どうもありがとう」という言葉をつぶやいたアヴちゃんは「……行くよ!」と高らかに叫び、ここまでのどこか内省的なパフォーマンスから一転してエンタメ性に満ちたステージングを「HALF」で見せつけた。ラストナンバーの「狂詩曲」では真っ白なスモークがステージ一面に広がり、5人が紡ぐ情感のこもった音色ともあいまって、感動的な光景がオーディエンスに届けられた。

70分強のステージに今の女王蜂のすべてを詰め込んだパフォーマンスを終え、5人は熱い拍手を送る観客に深々と頭を下げる。最後にステージに残ったアヴちゃんは名残惜しそうに会場中を見渡し、感謝の思いを表すようにエアハグをしてみせた。

ニューアルバム「悪」は3月5日にリリース。その後5月からはアルバムを携えた全国ツアーの開催も発表されている。

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