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Perfumeと音楽ナタリーの18年――ライブレポートで振り返る、熱狂の日々の全記録

Perfume。2024年に東京・虎ノ門ヒルズ内のTOKYO NODEにて開催された展覧会「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」での様子。
7分前2025年12月30日 3:02

明日12月31日をもって、長い活動期間にひと区切りを打ち“コールドスリープ”に入るPerfume。音楽ナタリーでは2007年2月のサービス開始以来、彼女たちの活動について細かくニュースとして紹介してきました。そこで本稿では、これまで音楽ナタリーに掲載してきた膨大なPerfumeのライブレポート(大型フェスなど一部公演を除く)を中心とした記事を時系列に総ざらいし、ライブという側面から彼女たちの18年間の軌跡を振り返っていきます。

書き始めてから正直少し後悔するほどの大ボリュームのまとめ記事になってしまいましたが、それだけの長い間、Perfumeがずっと僕たちを夢中にさせてくれたのだと考えると、書き進めるごとに感謝の気持ちでいっぱいになりました。コールドスリープが明けてから、この記事の続きを書けることを楽しみにしています。

文 / 橋本尚平

2007年

音楽ナタリーが初めて掲載したPerfumeのライブレポートは、11月8日に東京・LIQUIDROOMで開催された「Perfume ~SEVENTH HEAVEN イイ気分♪~」でした。ステージの幕が振り落とされた瞬間からあ~ちゃんが感極まってボロ泣きしているシーンは、最近でもテレビ番組などでたびたび放送されているので、見たことがある人も多いのではと思います。

また、この日の盛り上がりを受けて、年末にはLIQUIDROOM公演を再現する初のカウントダウンライブ「Perfume まさかのカウントダウン!? ~リ○ッドルーム あの夜をもう一度 in Zepp Tokyo~」も東京・Zepp Tokyoで開催されています。

これはライブレポートではありませんが、11月27日には、スペースシャワーTVが運営する動画配信サイト・DAXにて生配信された、Perfumeが初めて合コンをするという企画も現場で取材しました。ちなみに男性陣は浜野謙太(在日ファンク、当時はSAKEROCKも)、ピエール中野(凛として時雨)、虎牙(レコードショップ勤務)という顔ぶれでした。

2008年

音楽ナタリーのライブレポートとして2本目となったのは、今はなき東京・SHIBUYA-AXで2月に開催された「Perfume ~ソックス フィックス マックス~」の記事。この日はインディーズ時代の曲を中心としたメドレー「Prima Mix」や、“ポリループ”パートを省略せずに初めてフルサイズで披露した「ポリリズム」が大きな話題になりました。

4月から6月にかけて、初の全国ツアー「Perfume First Tour『GAME』」が行われました。このツアーのオープニング演出および1曲目の「GAME」は、2020年のドームツアーや、コールドスリープ前最後のライブとなった2025年の東京・東京ドーム公演でもオマージュされています。

HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年記念イベント「BLACK AND BLUE」の第2夜として、6月21日に東京・Zepp TokyoでSPECIAL OTHERSとのツーマンライブが行われました。それまでも面影ラッキーホールをはじめ異色の対バンをいろいろと経験してきたPerfumeですが、この組み合わせには当時驚きの声が多く上がっていました。ちなみにこのレポートの最後のほうを読むと、現在まで続いている「男子!」「女子!」のコール&レスポンスは、この時期の「GAME」ツアーが最初だったことがわかります。

11月に初の東京・日本武道館公演「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」が開催されました。気合いが入りすぎた音楽ナタリー編集部は、まだオープン前の午前中から会場周辺の様子までレポートしています。

初の日本武道館は、アンコールで「Dream Fighter」が初披露されたことが印象的に語られていますが、のちにライブでの重要な役割を持つことになる「edge」がライブ初披露されたのもこの公演でした。

年末には、結成9年にして念願の「NHK紅白歌合戦」に初出場しました。出場歌手発表会見の記事には緊張気味に語られたコメントが掲載されていますが、Perfumeはこのあと、2023年まで16年連続で紅白に出場することになります。

2009年

5月には東京・国立代々木競技場第一体育館で2DAYSワンマン「ディスコ!ディスコ!ディスコ!」が開催されました。初期曲を大胆に再構築した「代々木ディスコMIX」という、この2日間しか観られないパフォーマンスが目玉。この公演はWOWOWで放送されたもののパッケージ化されていないため、「当時を思い出すためにこのレポートをたまに読み返している」という声も耳にします。

7月に横浜アリーナで開催された、HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年イベント「Hot Stuff 30th Anniversary Special Live "out of our heads"」には、木村カエラとのスペシャルユニット「木村カエラ∞Perfume」として出演。オープニングアクトとして15分だけ登場し、カエラの曲「Jasper」でこの日限りの振付を披露しました。

10月には初のホール&アリーナツアー「直角二等辺三角形TOUR」のファイナルとして、神奈川・横浜アリーナで4DAYSライブを敢行。「Zero Gravity」や「Kiss and Music」といった、この時期特有のレア曲もセットリストに組み込まれていました。

12月には、SHIBUYA-AXで行われた木村カエラ主催の2DAYSライブ「木村カエラpresents ♀オンナク祭オトコク祭2009♂」のうち、2日目の「女性アーティスト&女性客限定公演」に出演しました。

2010年

11月3日に初の東京ドーム公演を開催。チケットは即日ソールドアウト、1日で5万人を動員しての大成功となりました。のちにPerfumeと深い関わりを持つことになるRhizomatiksが初めてライブ演出に参加した日でもあり、彼女たちにとって重要な転換点の1つと言えます。

11月28日、マカオで開催されたアジア最大級の音楽授賞式「2010 Mnet Asian Music Awards (MAMA)」で「Best Asia POP Artist賞」を受賞。このマカオでのパフォーマンスが、彼女たちの記念すべき初海外進出の舞台となりました。

2011年

この年の大きなトピックは、「ポリリズム」がディズニー・ピクサー映画「カーズ2」の全世界公開バージョンの挿入歌に決定したこと。これは本格的な海外進出を意識する大きなきっかけとなりました。

9月公開の映画「モテキ」に本人役で出演し、森山未來演じる主人公・藤本幸世の妄想シーンで「Baby cruising Love」を踊ったPerfume。映画と連動して東京・Shibuya O-EAST(現:Spotify O-EAST)で開催されたライブイベント「モテキナイト4」にサプライズ出演し、森山未來を交えてパフォーマンスを披露しました。当時のPerfumeがこのキャパシティのライブハウスに出演するとは誰も予想しておらず、3人が登場した瞬間のフロアの沸騰ぶりは筆舌に尽くしがたいものがありました。

10月に「Perfume ダンスコンテスト ~魅せよ、JPN!~」の決勝戦を東京・ステラボールで開催。これはその後も不定期で計4回開催された、Perfume楽曲を課題としたコンテストです。この年に決勝へ進出し、2013年の第2回で「極部門」グランプリを獲得するperfumenには、のちにMeseMoa.のメンバーとしてメジャーデビューした白服(2023年に卒業)が在籍していました。

2012年

「キリンチューハイ 氷結 Presents Perfume 3rd Tour『JPN』」の追加公演として、5月に日本武道館で4DAYS公演を開催。ライブのラストナンバーの定番となった「MY COLOR」で、「せーの!」の合図とともに会場中が一斉に手のひらを掲げるあの景色は、このツアーから生まれています。

6月にはMTV主催の音楽授賞式「MTV VMAJ 2012」で、安室奈美恵とともにPerfumeが2冠を達成。授賞式の冒頭、真っ赤な衣装でイベントのテーマ「舞~rhythm~」を表現したダンスパフォーマンスは、今なお語り継がれています。

7月に東京・渋谷ヒカリエで開催されたイベント「氷結 SUMMER NIGHT」は、Perfumeが自分たちのホログラフィックと一緒にダンスをするという内容。その時々の先端技術をライブ演出に取り入れる黎明期のパフォーマンスでした。実際に現場で観た際は混乱するくらいにホログラフィックと本人がそっくりで、ライブ序盤にステージにいたのが実物ではなく映像だったと知った瞬間、かなり驚いたのを覚えています。

10月には台湾、香港、韓国、シンガポールの4カ所を巡る初の海外ツアー「Perfume WORLD TOUR 1st」がスタート。海外公演では終演後に観客が合唱するのがお決まりになっていますが、それはこのツアーの初日、台湾公演が始まりでした。筆者も現地に取材へ飛びましたが、ホテルの客室Wi-Fiがつながらず、深夜までロビーでレポートを書いていたのが思い出に残っています。

ツアーファイナルとなったシンガポール・SCAPE公演では、初めてライブビューイングを実施。日本全国の映画館67館や台湾のシネコンで同時生中継されました。英語と日本語が話せる観客にマイクを渡してMCを通訳してもらうという、その後しばらく海外公演の恒例となったくだりはこの日に始まっています。

2013年

Perfumeにとって初の海外フェス出演となったのは、6月に韓国・ソウルで開催された「ULTRA KOREA 2013」。ダンスミュージックフェスであることを意識して、ダンサブルな曲を間髪をいれずに畳みかける構成でライブに挑みました。結果、当時は「『本当のアウェイってこういうことなのかな』っていう感じ」「歌いながら目とか耳、口の中に入っちゃうんじゃないかってくらい虫が飛んでて。それでうまく力を出し切れなくて、けっこう圧倒されて帰ってきちゃったんです」とインタビューで振り返っていましたが、ここでの苦い経験と反省が、のちの海外フェスでの立ち回りに生かされていきます。

5月から6月にかけて、斉藤和義、奥田民生、マキシマム ザ ホルモンとともに初の対バンツアー「ずっと好きだったんじゃけぇ~さすらいの麺カタ Perfume FES!!」を開催。取材に入った大阪・Zepp Namba公演では、マキシマム ザ ホルモンのナヲを交えて4人で「チョコレイト・ディスコ」を踊るひと幕も。Perfumeとナヲはこのあともたびたび一緒にダンスを披露することになります。

6月には世界最大の広告祭「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」に日本人アーティストとして初めてゲスト招待され、Rhizomatiks真鍋大度のプレゼンテーションでパフォーマンスを披露。プロジェクションマッピングを用い、メンバーの白い衣装に映像を投影する演出は強烈なインパクトを残しました。「Perfume=最先端技術」という印象を決定付け、グループの転機となった極めて重要なステージの1つです。

7月に開催された初のヨーロッパツアー「Perfume WORLD TOUR 2nd」。その3公演目となったイギリス・ロンドンのO2 Shepherd's Bush Empire公演のレポートです。この公演は、国内のみならず世界各地でライブビューイングが実施され、日本では朝4:00に中継がスタートしたにもかかわらず、早朝から劇場が熱気であふれていました。

ヨーロッパからの帰国後すぐ、Perfumeはアミューズの設立35周年を記念して初開催された野外フェス「BBQ in つま恋」2DAYSに両日とも出演。

この年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」では、会場内で最大キャパシティを誇るGRASS STAGEの3日間の大トリをPerfumeが務めることに。最大6万人を収容できる広大なフィールドを満員にしたステージからの景色は壮観のひと言でした。

初のドームツアーの東京公演として、クリスマスの2日間に2度目の東京ドームワンマンを開催。大規模な会場の課題である「客席との距離」を解消し、広大な空間でも3人だけで不足なくパフォーマンスするための工夫が凝らされたライブでした。初めて東京ドームに立ったときには緊張を口にしていた3人が、3年後のこの日はその場を完全に支配し、心から楽しんでいたのが印象的でした。

2014年

前年に続き2度目となった対バンツアー「Perfume FES!!」。音楽ナタリーにレポートを掲載したのは広島での9nine、鹿児島での高橋優とのツーマンでしたが、筆者は個人的に東京・NHKホールでの東京スカパラダイスオーケストラ、石川・本多の森ホールでのRHYMESTERとのライブにも足を運びました。Perfumeにフィーチャリングするように「マカロニ」でRHYMESTERがラップをした瞬間は、今でも鮮明に記憶に残っています。

2年目の「BBQ in つま恋」では、Perfumeは新藤晴一(ポルノグラフィティ)、杉本雄治(当時WEAVER)、辻村有記(当時HaKU)とのコラボバンドでTRF「survival dAnce ~no no cry more~」をカバー。フィナーレでは、あ~ちゃんが新藤晴一と歌詞を共作したイベントテーマソング「それを強さと呼びたい」を出演者全員で歌いました。

2005年のメジャーデビューシングル「リニアモーターガール」からちょうど10年目にあたる9月21日、アリーナツアー「Perfume 5th Tour 2014『ぐるんぐるん』」の最終公演が国立代々木競技場第一体育館で行われました。メジャーデビュー10年目突入を祝うべく、ライブのラストにはメンバーへのサプライズで満員の観客が人文字を作り、3人を涙させました。

10月から11月にかけては「Perfume WORLD TOUR 3rd」を開催。2012年のアジア、2013年のヨーロッパに続いて3度目となったこの海外ツアーでは、初上陸のアメリカ(ロサンゼルス、ニューヨーク)を含む世界各地を巡回しました。この模様は翌年公開された映画「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」にも記録されています。

2015年

日本時間3月18日、アメリカ・テキサス州オースティンの世界最大級のフェス「SXSW」に出演。インタラクティブメディアの祭典「SXSW Interactive」の最終日、ヘッドライナーとしての登場でした。YouTubeで生配信されたステージは、実際のライブ映像とCGで描かれたバーチャル空間が継ぎ目なく合成され、それまで見たことのない映像表現に世界中の視聴者が驚きました。

結成15周年&メジャーデビュー10周年を記念して、記念日の9月21日から計10日間におよぶアニバーサリー企画「Perfume Anniversary 10days 2015 PPPPPPPPPP」を開催。検定試験の成績上位者限定ライブや、3人組グループ限定対バン「Perfume FES!! 2015 ~三人祭~」、ダンスコンテスト、ドキュメンタリー映画先行上映会、そして日本武道館と広島・広島グリーンアリーナでのワンマンと、怒涛のスケジュールを完走しました。前日の記者発表会では金屏風を背に餅つきを実施。3人とも、餅は砂糖醤油につける食べ方が好きなんだそうです。

10DAYS企画の2日目、日本武道館で行われた「Perfume FES!! 2015 ~三人祭~」には、Negicco、空想委員会、WEAVER、凛として時雨、フジファブリックが出演。ラストはみんなで「Puppy love」を踊り大団円を迎えました。ちなみにこのイベントでの出会いがきっかけとなり、NegiccoのNao☆と空想委員会の岡田典之(B)は2019年に結婚しています。

3日目は日本武道館を舞台に第3回ダンスコンテストを開催。終了後にはテレビ朝日系特番「MUSIC STATION ウルトラFES」と中継をつなぎ、出場者たちと一緒に生放送で「ポリリズム」をパフォーマンスしました。

10DAYS企画後半戦は、9月26日から30日の日本武道館、10月6日と7日の広島グリーンアリーナで行われたワンマンライブ「LIVE 3:5:6:9」。目玉となったのは10面体のサイコロの出目でセットリストが決まる「3:5:6:9(すごろく)コーナー」で、公演ごとにすべて内容が異なるという、それまでの緻密に計算された単独公演とはひと味違うスリリングなライブとなりました。

2016年

アルバム「COSMIC EXPLORER」を携えたツアーは、5月から7月にかけて国内のアリーナ会場を回ったあとで、北米4都市で開催。帰国後に大阪、愛知、福岡のドーム会場を回りました。このときの北米ツアーではそれまでの海外ツアーとは異なり、日本の「COSMIC EXPLORER」リリースツアーをそのままアメリカのファンに届けることに挑戦。国内公演はセンターステージで、宇宙船に見立てた巨大な可動ステージが見せ場になっていましたが、アメリカの一般的なステージ形態でもその世界観を表現してみせました。

ドームツアー「Perfume 6th Tour 2016『COSMIC EXPLORER』Dome Edition」からは、10月22日の大阪・京セラドーム大阪の初日速報と、11月12日に福岡・福岡ヤフオク!ドームで行われた最終公演のレポートを掲載。福岡に取材に行った際に、地下鉄のホームに到着した車両の全面にPerfumeの写真がラッピングされているのを見て、感慨深くなったことを覚えています。

ちなみに、のっちがパフォーマンス中にハイヒールをすっ飛ばしたという伝説のハプニングが起きたのは、このツアーの11月4日、ナゴヤドーム公演2日目のことでした。

2017年

2013年から2015年まで静岡・つま恋で開催されていたアミューズ主催フェス「Amuse Fes BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~」が、千葉・幕張メッセ国際展示場に場所を移して「Amuse Fes in MAKUHARI」としてリニューアル。この年は、Perfumeの「Spending all my time」のパフォーマンスにさくら学院の12人が参加して、息の合ったダンスを披露しました。

なお、リニューアル後の「Amuse Fes」はこれを皮切りに3年連続で行われ、スペシャルバンドの演奏に合わせてゲストボーカルが入れ替わるカバーコーナーが恒例化。Perfumeもさまざまなアーティストとともに、2018年はサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」、2019年はポルノグラフィティの「ハネウマライダー」とBEGINの「島人ぬ宝」を歌いました。また2019年はs**t kingzのステージにPerfumeが登場し、息の合ったフォーメーションで「ナチュラルに恋して」でコラボしたことも話題になりました。

6月にはPerfume主催の対バンライブイベント「Perfume FES!! 2017」を幕張メッセ国際展示場にて2DAYSで開催。初日は対バン相手のチャットモンチーが楽曲提供した「はみがきのうた」が初披露されました。

2日目は電気グルーヴとのツーマンライブ。「Perfume FES!!」では毎回、対バン相手とのコラボパフォーマンスが恒例となっていましたが、この日は電気グルーヴに次の予定があったとのことでコラボは実現ならず。このときあ~ちゃんは「悔しい思いは次の目標を作ります。諦めないでまだまだ活動します」と宣言していたので、コールドスリープ明けにいつかこのリベンジが果たされる日を待ちたいと思います。

そして今度はPerfumeが対バン相手として呼ばれる側に。フジファブリックの企画ライブ「フジフレンドパーク2017」のうち6月26日に大阪・Zepp Osaka Baysideで行われた初日公演に出演。フジファブリックは「Baby cruising Love」をカバーしたり、3人をボーカルに迎えて「若者のすべて」を演奏したりしました。

6月に幕張メッセで行われた「Perfume FES!! 2017」は、追加公演として9月にツアーとしても開催。愛知・愛知県体育館ではスガシカオとレキシ、大阪・大阪城ホール公演では星野源とマキシマム ザ ホルモンを迎えてPerfumeとのツーマンライブが行われました。

12月には石川・石川県産業展示館4号館にて開催された、中田ヤスタカ(CAPSULE)がプロデュースする音楽フェス「OTONOKO」に出演しています。Perfumeのステージでは、中田ヤスタカがバックDJとして登場して「FUSION」をライブ初披露するというサプライズが。さらにトリの中田ヤスタカのステージで「If you wanna」がプレイされると、再びPerfumeが現れて共演。長年タッグを組んで音楽制作を続けてきた2組ですが、ライブでコラボしたのは2025年時点でこれが最初で最後の機会となっています。

2018年

3月にNHKホールで「Reframe」を初開催。これはPerfumeの過去のデータを最新技術で解析・再構築して新たな視点で見せる、全席着席型のコンセプトライブです。いつもの熱狂を生むライブとはだいぶ趣の違った、アート性の高い内容でしたが、ここでの実験的な試みはのちのさまざまなライブ演出に大きく還元されており、振り返ればPerfumeの表現の幅を広げる重要な位置付けの公演だったことがわかります。

8月には台湾・台北最大級のフェス「SUPER SLIPPA 9」に出演。「P.T.A.のコーナー」では、主催者であるMaydayのヒット曲「Do You Ever Shine?」を観客とともに大合唱し、国境を超えた一体感を生み出しました。

3年ぶり4回目となるダンスコンテストの課題曲は「TOKYO GIRL」。Panasonic主催の、洗濯機の温水泡洗浄をダンスで表現する「AWA DANCE CONTEST」も同時開催され、ユニークかつハイレベルな戦いが繰り広げられました。

メジャーデビュー日の9月21日には、アリーナツアー「Perfume 7th Tour 2018『FUTURE POP』」がスタート。床の一部がメンバーを乗せたまま高くせり上がり、背後の巨大スクリーンに東京の夜景を映し出すことで、3人が夜空を飛び回っているかのように見せる「TOKYO GIRL」の演出が印象的でした。

そしてその追加公演の一環として、12月31日に横浜アリーナでファンクラブ会員限定のカウントダウンライブも実施。会場から「NHK紅白歌合戦」に中継で出演したり、渋谷のスクランブル交差点近くに設けたパブリックビューイング会場と相互中継したり、メンバーからの問いかけに観客が自分のスマートフォンで回答して、その集計結果をビジョンにリアルタイムで映すというアンケートコーナーをやったり、この日限りのことがいろいろと行われました。ある時期からアンコールを行わなくなっていたPerfumeですが、この日はひさびさにアンコールに応え、ファンを歓喜させました。

2019年

2月から4月にかけて長期間におよぶアジア&北米ツアー「Perfume WORLD TOUR 4th『FUTURE POP』」を開催し、その終盤となる4月14日と21日に、カリフォルニア州インディオで行われたアメリカ最大の野外音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」への初出演を果たしました。1週目の終了後、「Rolling Stone」誌がベストパフォーマンス16組に選んだ影響もあってか、2週目は観客動員数が大幅に増加しました。

東京・LINE CUBE SHIBUYAのこけら落としは、前年に初開催された「Reframe」の2019年バージョン。アンコールでは、かつて中田ヤスタカがPerfumeのプロデュースを手がけるきっかけになった曲のリメイク「Challenger」がライブ初披露されました。

2020年

2月に初の4大ドームツアー「Perfume 8th Tour 2020 "P Cubed" in Dome」が開幕。ところがツアー中に新型コロナウイルスの感染が急拡大し、最終日となるはずだった2月26日の東京ドーム2日目公演が、政府の方針に従い当日の開場直前に中止となりました。このことはメンバーやファンにとって忘れられない出来事になったのと同時に、長いコロナ禍の始まりを告げる象徴的なニュースとして世間に刻まれました。筆者は東京ドーム初日を観覧し、レポートの執筆を進めていましたが、状況を鑑みて掲載は見送っています。

コロナ禍でライブ活動が制限され、無観客ライブ配信を多くのアーティストが導入する中で、Perfumeが導き出した答えは「オンラインフェス」でした。メジャーデビュー記念日の9月21日に開催された「"P.O.P" Festival(Perfume Online Present Festival)」は、Web上の特設会場に複数のブースを設置し、丸1日かけて多彩なコンテンツを配信するというもの。音楽ナタリーも、のっちのソロ番組「のっちは◯◯とゲームがしたい!」と、Perfume好きの著名人が集結するトーク&クイズ番組「ライブナタリー Presents RESPECT! トークライブ ~Perfume~」、Perfumeにまつわる知識を問う体験型コンテンツ「P.T.A.検定」の企画に関わらせていただきました。フェスの最後には「Perfume Imaginary Museum "Time Warp"」にて、バーチャル空間を舞台にPerfumeが7カ月ぶりのパフォーマンスを披露。あの日あの場所で凍りついた時間を、自らの手で動かしました。

2021年

8月14日と15日、東京ドーム以来約1年半ぶりの有観客公演「Perfume LIVE 2021 [polygon wave]」を神奈川・ぴあアリーナMMで開催しました。アリーナの客席を廃して全面ステージ化し、床一面にLEDモニタを設置した特殊なステージ構造、バックダンサーを起用したパフォーマンスなど、これまでにない試みに挑戦したこのライブ。コロナ禍で観客の発声が禁止されていた状況下ながら、客席は静かな興奮で包まれていました。ラストに当時まだ未発表だった「マワルカガミ」がサプライズ的に披露されたことも強く印象に残っています。

11月から12月にかけては「Reframe」を全国に届けるツアー「Reframe Tour 2021」を開催。「Reframe」はもともと着席・歓声なしで観覧するスタイルの公演だったため、規制の多いコロナ禍においても親和性が高く、全国のファンに生のパフォーマンスを届ける貴重な機会となりました。

2022年

「Reframe Tour」を除けば2年半ぶりとなったツアー「Perfume 9th Tour 2022 "PLASMA"」を8月から10月にかけて開催。小ぶりなセンターステージの上で、映像演出を控えめに、全編を通して生身の3人に観客の視線を集約させるようなライブが行われました。

ちなみにこのツアーの宮城公演1日目は、当初は新型コロナウイルス飛沫感染防止のため声出しが禁止されていましたが、事前に想定された観客収容率が低かったことから、開催2日前に急遽「大きな声出しが可能な公演」への変更を発表。ほかの多くのライブでまだ歓声が上げられない時期に、結果としてPerfumeが声出し解禁の口火を切る形となり、この公演は当日のMCで「革命の日」と名付けられました。

2023年

5月末からスペインの2都市で開催されたヨーロッパ最大級の音楽フェスティバル「Primavera Sound 2023 Barcelona / Madrid」に出演。Perfumeは6月1日のバルセロナ公演と6月8日のマドリッド公演に出る予定でしたが、マドリッド公演は悪天候のため残念ながら中止になりました。

スペインでのフェス出演の合間となった6月3日、Perfumeはイギリス・ロンドンでワンマンライブ「Perfume LIVE 2023“CODE OF PERFUME”」を開催。この日は“Perfumeの掟”を意味する「CODE OF PERFUME」というライブのタイトルの通り、2023年版となる「Perfumeの掟」が披露されました。さらに事前に一切アナウンスされていなかった未発表曲「ラヴ・クラウド」をサプライズでお披露目。同曲はこの日からライブでの新たな定番曲として活躍することになります。

年末のライブのMCであ~ちゃんは、ロンドン公演を振り返り「Perfumeの歴史をたどってベストだと思える曲目を全部詰め込んだこのライブが生まれたことで、Perfumeの新たな未来を見れた」と語っていました。

11月3日から5日にかけて幕張メッセ国際展示場で行われたテレビ朝日主催イベント「テレビ朝日ドリームフェスティバル」。3日目は「Perfume FES!!」とのコラボ企画で、ピエール中野(凛として時雨)、GENERATIONS、女王蜂、きゃりーぱみゅぱみゅ、マキシマム ザ ホルモン、スキマスイッチという豪華な顔ぶれがそろいました。Perfumeのライブではナヲ(マキシマム ザ ホルモン)と一緒に「だいじょばない」を踊ったり、きゃりーぱみゅぱみゅとともに「PONPONPON」と「ポリリズム」のマッシュアップをパフォーマンスしたり、貴重なコラボが繰り広げられました。

ファンクラブ「P.T.A.」の発足15周年、海外ファンクラブ「WORLD P.T.A.」の発足10周年を記念して、9月から11月にかけて行われた10公演のFC限定ツアー「P.T.A.15th&10th Anniversary “Perfumeとあなた”ホールトゥワー2023」。「セラミックガール」がひさびさにセトリ入りしたり、最初期にレパートリーに入っていたカバー曲「スーパージェットシューズ」が15年ぶりに披露されたり、メドレーの一部にされることが多い「透明人間」「Sweet Refrain」がフルサイズで披露されたりと、コアなファンであればあるほど「コレハユメ?」と疑うような、レア曲連発のライブになりました。

12月30日と31日には、ぴあアリーナMMで「Perfume Countdown Live 2023→2024 “COD3 OF P3RFUM3” ZOZ5」を開催。ロンドン公演をさらにアップデートして国内に持ち帰るというコンセプトのもと、2日目は年またぎのカウントダウンが行われました。30日公演のラストに、あ~ちゃんが高らかに宣言した「ここからPerfumeはゴールデンタイムが始まります!」という言葉。今振り返れば確かに、ここから先のPerfumeは間違いなくゴールデンタイムだったと思います。

2024年

2月13日と14日に東京・LIQUIDROOMで、Perfume検定試験「P.T.A.検定試験2023」の成績上位者のみが参加できる、9年ぶりのライブハウス公演「Perfume P.T.A.発足 16周年へのカウントダウン 猛者だけのLIVE ~リキッドルーム あの夜をもう一度 2024 ~」を開催しました。タイトルにある“あの夜”とは、2008年2月13日の「P.T.A.発足前夜祭『パッと楽しく遊ぼうの会』」のこと。その日に披露されたセットリストが16年の時を経て再現されました。ちなみに筆者は、焦りから「わからない問題を検索する」という発想に至らず、スピード勝負かのように急いで回答し、制限時間をかなり余らせて提出してしまったため、検定に落第して現場に行くことができませんでした。本当に後悔しています。

横浜でカウントダウンライブとして行われた「COD3 OF P3RFUM3 ZOZ5」はアジアツアーに発展し、6月から7月にかけて4都市で開催。香港でのライブは実に12年ぶりとなり、現地のファンとの温かな再会を果たしました。

アジアツアーのファイナルは初上陸となったバンコク。基本的にはアンコールを行わない近年のPerfumeですが、ファンからの熱いコールに心を動かされ、「どうしてももう一度出てきたくなった」とメンバーが再登場。予定外だった「The Light」をパフォーマンスしました。

2024年から2025年にかけてPerfumeは、ほかのアーティストと対バンをしたり、フェスでコラボパフォーマンスを披露したりということを、これまで以上に積極的にするようになりました。3月に横浜アリーナで開催されたイベント「DayDay. SUPER LIVE 2024」では互いにリスペクトし合うNiziUとのコラボパフォーマンスが実現。

6月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された「EIGHT-JAM FES」では、SUPER EIGHTの村上信五と丸山隆平とともに5人でダンスを披露しました。

10月には東京・Zepp Haneda(TOKYO)でフレデリックとのツーマンライブを実施。フレデリックのアンコールでは、「オドループ」のミュージックビデオでのダンスをPerfumeが再現しました。

このほか、音楽ナタリーにはレポートを掲載していませんが、11月にはback numberの対バンツアーの広島グリーンアリーナにPerfumeが出演しています。

そして12月28、29、31日のぴあアリーナMM公演をから、アリーナツアー「Perfume 10th Tour ZOZ5 “ネビュラロマンス” Episode 1」がスタートしました。このライブは2部構成となっており、前半「SIDE A」はアルバム「ネビュラロマンス 前篇」の全曲を収録順にパフォーマンスし、その世界観を忠実に再現するという、これまでになくコンセプチュアルで挑戦的な内容。後半「SIDE B」は公演ごとに選曲が異なるため、何度も会場に足を運ぶ“追いネビュラ”をするファンが続出しました。

2025年

4月2日に、NTTが提唱する次世代情報通信基盤「IOWN」を使用したライブパフォーマンス「IOWN×Perfume」を生配信。このパフォーマンスは4月13日に開幕した大阪・関西万博のNTTパビリオンにおけるメインコンテンツとなり、万博閉幕の10月13日まで、目の前に3人がいるかのような臨場感を多くの来場者が体験しました。

全国11カ所23公演に及んだ「Perfume 10th Tour ZOZ5 “ネビュラロマンス” Episode 1」は、4月19日と20日の千葉・LaLa arena TOKYO-BAY公演をもって終了。2日目のラストには「ネビュラロマンス」が観客の前で初披露されました。

前年から始まった対バンのラッシュはこの年も続き、7月には東京・Zepp Haneda(TOKYO)でヤバイTシャツ屋さんとのツーマンを開催しました。ヤバTが「Dream Fighter」をパンクアレンジで演奏すれば、PerfumeはヤバTのありぼぼ(B, Vo)に捧げるセットリストで応戦。お互いへの愛情が滲むツーマンになりました。

8月には、TOKYO MXの音楽トーク番組「70号室の住人」によるイベント「70号室の住人 LIVE!!!! ~ チョコレイトポテトサラダ ~」で、ZAZEN BOYSとツーマンライブを実施。番組MCの遠山大輔(グランジ)が最も愛するアーティストがこの2組だということで、異色すぎる対バンが実現しました。ライブ終演後に番組セットを舞台上に設置して行われた公開収録での、2組のカオス極まるトークも話題に。

「チョコレイトポテトサラダ」での「『P.T.A.』のコーナー」ではPerfumeは、ZAZEN BOYSの「ポテトサラダ」にオリジナルの振付をして歌い踊りました。どうやらメンバーはこれを相当気に入ったようで、翌週に行われたオールナイトフェス「SONICMANIA」でも「ポテトサラダ」を披露。出演者でもない向井秀徳のシャウトが幕張にこだましました。

9月22日と23日には東京ドームで単独公演「Perfume ZO/Z5 Anniversary “ネビュラロマンス” Episode TOKYO DOME」を開催。アリーナツアー「Perfume 10th Tour ZOZ5 “ネビュラロマンス” Episode 1」がアルバム「ネビュラロマンス 前篇」の世界観を表現するものだったのに対し、この東京ドーム公演は「ネビュラロマンス 後篇」のライブだと位置付けられていました。しかしPerfumeはこの直前の9月21日に、年内をもって活動をひと区切りして、コールドスリープに入ることを発表。この東京ドーム公演は急遽、コールドスリープ前の最後のライブという特別な意味を持つことになりました。

<コールドスリープ明けにつづく>

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