HANAのメジャーデビューに先がけた単独公演「HANA デビュー直前イベント」が、3月23日に大阪・グランキューブ大阪 メインホール、31日に埼玉・大宮ソニックシティ 大ホールにて行われた。この記事では31日の昼公演の様子をレポートする。
HANAは、ちゃんみながプロデュースする7人組ガールズグループ。BMSGとちゃんみなによるオーディションプロジェクト「No No Girls」を経て1月11日に誕生し、4月2日に「ROSE」を配信リリースしてデビューする。メンバーはCHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7人。確かな実力と強い個性を持つ面々がそろった。
「今日、大宮に“花”が咲きますよ」
「No No Girls」は、YouTubeで配信された最終審査が同時接続56万人超え。そしてHANAはすでに多くの大型フェス・イベントへの出演が決まっており、デビュー前から熱い視線を集めている。イベントの開演時刻が近づくにつれて、客席に集まったファンの期待は膨らむばかり。ステージ上には、プレデビュー曲「Drop」のミュージックビデオに登場したエレベーターのようなボックス型のセットが配置された。その扉が開いてブラックの衣装に身を包んだHANAが登場すると、オーディエンスは地鳴りのような大歓声で迎え入れる。
YURIの「what’s up OMIYA! 今日、大宮に“花”が咲きますよ」という堂々とした煽りが開幕の合図となり、HANAはまず、「No No Girls」最終審査の課題曲であり、1月末にリリースしたプレデビュー曲「Drop」をパフォーマンス。重低音に乗せた激しいダンス、腹から響くような低音ボーカルが特徴で、ちゃんみなが“鬼”と表現するほど高難度の楽曲だが、7人はライブらしいアレンジを加えながら自信たっぷりに歌い上げていく。JISOOからMAHINAへの「マヒッ!」というお馴染みのトスでは、ひときわ大きな歓声が起こった。
続けて7人は、オーディション5次審査の課題曲「Tiger」を披露。椅子のみならずステージの階段も活用して奥行きのあるフォーメーションで魅了し、舞台に立てる喜びを爆発させるように、エネルギッシュにダンスした。
桜の季節、JISOOがファンに見せたい花
最初のMCでは、KOHARUが音頭を取り「こんにちは、HANAです!」とはつらつと挨拶。歌唱中の覇気をまとった姿とは対照的に、トークでは親しみやすい空気を放っていく。7人はファンと対面した喜びをそれぞれに語り、MOMOKAは「皆さんとこの日を迎えることができて、本当に本当にうれしいです! イベントをするにあたって、皆さんにとってHANAとは何なのかをすごく考えて。このライブで少しでも、つらさをYESに変えたり、楽しかったという思い出を作れたらと思います」と思いを伝える。
またJISOOはちょうど1年前、2次審査で韓国から東京にやってきたと振り返り、「桜のシーズンと聞いていて期待していたけど、全然咲いてなくて(笑)」と笑わせつつ、「皆さんは今年桜を見れましたか? 見れていなくても、今日はここに“HANA”がいっぱい咲いていますよ」とメンバーを指してアピール。さらにメンバーは、いつもHANAを見守るボイストレーナー・りょんりょん先生こと佐藤涼子直伝の声出しを観客と実践。ステップを踏みながら「おおおおー」「いひひひひ」と声をそろえて和ませた。
「ノノガファイナル」からの進化見せたソロステージ
ここからは「No No Girls」最終審査で披露したソロ楽曲を、メンバーが1人ずつパフォーマンス。最終審査ではそれぞれちゃんみなの楽曲から選曲し、演出や楽曲のアレンジまでを自身でプロデュースした。トップバッターは、最終審査と同じくMOMOKA。「PAIN IS BEAUTY」を得意の低音ボーカルでエモーショナルに歌い上げ、ダンスブレイクも披露。終盤にはロングトーンで歌うアレンジで魅了した。
続くMAHINAはスタンドマイクの前に登場。オレンジの光が優しく光る中で「花火」を歌い上げ、観客と一緒に左右に手を振り、温かい空間を生み出す。学生服をまとった最終審査ではフレッシュな魅力が際立っていたが、すっかりアーティストらしい貫禄が見えるパフォーマンスに進化させた。スクリーンに蝶が舞うと、客席通路にKOHARUが現れて観客の度肝を抜く。KOHARUはそのまま通路を進みながらしなやかに舞い、オーディエンスの至近距離で高らかに「ディスタンス」を歌う。そしてステージに上がり、15年間磨き上げてきたダンスの実力を存分に披露。最後は一度倒れ込んでから起き上がって笑顔を向け、まるでショーの一節のような表現を繰り広げた。
JISOOはロックサウンドの「I’m Not OK」に乗せて、エレキギターを手に弾き語り。ギターをかき鳴らしながら堂々とした歌声を響かせて、楽しそうに音楽への愛を炸裂させる。CHIKAの「美人」は歌唱から切実な思いが滲み出し、最終審査でも感動を誘っていたが、とどまることを知らずさらにパワーアップ。CHIKAは曲中で「絶対負けねえぞ」と咆哮し、強い意志を感じさせる眼光を携えて、気迫に満ちたパワフルな歌唱とダンスで圧倒した。
華やかな「ハレンチ」のイントロが鳴ると空気が一変し、静寂の中、YURIがアカペラでゆっくりと歌い始める。オーディション中に彼女が課題としていた表情の乏しさはもうどこにもなく、豊かな表現力で楽しませた。ソロステージのトリは“実力の暴力”の称号を持つNAOKO。客席通路から登場し、カリスマ性に満ちたオーラで「^^」をブレないダンスと歌唱でパフォーマンスする。NAOKOはステージを自由自在に飛び回って、会場のボルテージを最高潮に上げた。
真っ赤な花びらが降り注いだ「ROSE」初披露
イベントは早くも終盤へ。「No No Girls」のテーマソング「NG」では、YURIの「生まれ持った顔 ポーカーフェイスで人生謳歌」、NAOKOの「ピーチクパーチクうっさいねん パクチー無理ならだまれい」など、それぞれがオーディションで考案したリリックの一部を、観客と声をそろえて楽しむ。そして最後にはリリースに先がけて、メジャーデビュー曲「ROSE」が初披露された。「ROSE」は「どんな姿でも、どんな環境でも、自分を力強く生き抜きたい」という思いが込められた楽曲。7人は強さと繊細さを内包したこの楽曲を全身全霊でパフォーマンスし、最後にはステージに真っ赤な花びらが降り注いだ。初披露の衝撃を物語るように、観客からはしばらく拍手が鳴り止まない。
充実感に満ちた表情を浮かべたHANAは、何度も感謝の気持ちを口にする。KOHARUは「どんどん成長していって、皆さんをいつか救える人になりますので、そのときまでどうかよろしくお願いします」と宣言。そして生のパフォーマンスを大事にするグループらしく、最後はマイクオフで「ありがとうございました!」と大きな声で叫び、全員で手をつないで深く礼をした。
「ROSE」は4月2日に配信リリースされたのち、CDが4月23日にリリースされる。CDには「ROSE」のほか、「Drop」と「Tiger」の全3曲が収められる。
セットリスト
「HANA デビュー直前イベント」2025年3月31日 大宮ソニックシティ 大ホール
01. Drop
02. Tiger
03. PAIN IS BEAUTY / MOMOKA
04. 花火 / MAHINA
05. ディスタンス / KOHARU
06. I’m Not OK / JISOO
07. 美人 / CHIKA
08. ハレンチ / YURI
09. ^^ / NAOKO
10. NG
11. ROSE
