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NUANCE、あまりにストイックであまりに潔い110分間のノンストップライブ

「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」の様子。
12分前2025年04月15日 12:02

NUANCEのワンマンライブ「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」が4月11日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催された。

2017年に結成された神奈川・横浜発のアイドルグループNUANCE。彼女たちは過去にもKT Zepp Yokohamaでワンマンを行ったことがあるが、蓮水恭美、汐崎初音、城戸海月、椰子桃子の現体制に移行してからは初の開催となった。また過去のZepp公演がバンド編成で実施されたのに対し、今回はメンバーのみがステージに立つ100分間のノンストップライブとして行われ、4人はいつも以上に気合いに満ちた状態でこの大一番に挑戦。ライブ当日、動員の面では目標に届かなかったものの、彼女たちは小細工なしのパフォーマンスで真正面から勝負を仕掛け、ある種の狂気さえ感じられるような、ひたすらにストイックなライブで観る者に強烈なインパクトを残した。

ノンストップライブ1曲目は弾き語り

ライブの開演時刻を迎えると、ほの暗いステージにアコースティックギターを手にした蓮水が登場。そして椅子に腰掛けた彼女がバラードナンバー「wish」を弾き語り始めると、ほかのメンバーも1人ずつ姿を現す。等間隔に配置された椅子に座り、はかなさと温もりが混ざった歌声を響かせるメンバーを4本のスポットライトが照らし、さらに夕焼けのようなオレンジ色の照明が観客を情緒あふれる楽曲の世界観へと誘った。こうしてしっとりとした空気の中で幕を開けた「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」だが、演者も観客もゆったりと楽曲に浸れる時間はこれが最初で最後。ここからはMCも幕間演出も存在しない、一度走り出したらブレーキの効かない怒涛のノンストップライブが展開されていく。

序盤は蓮水の突き抜けるような伸びやかな歌声が響く「Mellow Dancer」、ラップをまくしたてる「ヒューマナイズド・ヒューマノイド」、甘くアンニュイな歌い方が特徴の初期曲「love chocolate?」と、NUANCEならではのポップネスと独創性が光る楽曲の数々が間断なく続く。「tomodachi」ではメンバーがステージを右へ左へとエネルギッシュに駆け回り、ライブの熱量と勢いを右肩上がりに増大させた。さらに彼女たちはミラーボールの光が場内をきらびやかに彩る中、情感を込めて「KaMoMe」を歌い上げたかと思えば、フロアをはつらつと煽りながらライブの人気曲「ミライサーカス」「セツナシンドローム」を歌唱。ただ一辺倒に曲を畳みかけるのではなく、緩急のついた多彩な表現力を発揮した。

汗で髪を濡らしながら歌い踊り続ける

その後もNUANCEは、大雨のような轟音の中で痛切な歌声を響かせる「雨粒」や、“愛のパワー”の存在を繰り返し強調するパワフルなナンバー「I know power」などのカロリーの高い楽曲を次から次へと繰り出していく。「I know power」の曲中に飛んだり跳ねたりとステージ上で躍動し、会場全体を巻き込んで観客を踊らせたメンバーは「ナナイロナミダ」でも場内の空気をひとつに。観客とともに拳を突き上げながら高らかに歌声を響かせた。この頃には4人とも汗だくになっていたが、彼女たちはそんなことを一切気にすることもなく、濡れた髪を舞わせつつも爽快な表情を浮かべて歌い踊り続けた。

「ai-oi」が始まると「後半戦まだまだいけるかー!?」と叫び、もう一段階アクセルを踏み込むNUANCE。今いったい何曲目で、あとどれだけパフォーマンスが続くのか。フロアから時間の感覚が薄れていく中、4人は疲れを見せることなく、それどころかゾーンに入ったかのように迫真の歌とダンスを届け、「last a way」や「highlight」を通してエモーショナルなムードを場内に充満させた。横浜の情景をナチュラルに絡めた歌詞もNUANCEの音楽の特徴で、続いて披露された「特急 元町・中華街行き27分」も横浜のローカルアイドルとしての色が濃く現れた楽曲の1つ。元町・中華街行きの電車が発進するように一列になって踊るメンバー、そのエネルギーを浴びて同じようにフロアを横移動し、テンション高く盛り上がり続ける観客により場内の空気がより一層熟成されていった。

熱狂後のMCは自己紹介のみ

ここで満を持して投下されたのは、NUANCEの代表曲「タイムマジックロンリー」。躍動感あふれるパフォーマンスを繰り広げる4人はフロアを煽ることを止めずに歓声を引き出し、NUANCEの一風変わった振付を象徴するような楽曲「ピオニー」では椅子の上に立ってキレのある機敏なダンスを披露した。そして「sky balloon」の冒頭でメンバーが発した「もうすぐ終わりが近付いてきました。まだ終わりたくない人、手を挙げて!」という言葉で観客はいよいよライブの終幕が迫っていることを知り、熱気が渦巻くフロアで腕を左右に振る。最後はセンチメンタルな空気感をまとった新曲「sign」により、前代未聞のノンストップライブがついにフィナーレへと導かれた。

NUANCEがこのライブで披露したの楽曲の数は計28曲。19時に開演し、すべてのパフォーマンスが終了した頃、時計の針は20時50分を指していた。予告していた時間を超えて110分にわたって全力で歌い踊り、パフォーマンスの“物量”で観客を圧倒した蓮水、汐崎、城戸、椰子。彼女たちはこの日初のMCに移るも、感慨深げにライブを振り返るわけでもなく、「皆さんこんばんは、NUANCEです!」といつも通りの自己紹介をするのみ。フロアをバックに記念撮影をしたのち、さわやかな笑顔を浮かべてステージをあとにした。あまりにも潔い終幕が、つい先ほどまで展開されていた110分間の濃密なライブとのギャップを感じさせたが、会場には得も言われぬ達成感と心地よい高揚感が漂っていた。

なお終演後には、NUANCEのX(Twitter)公式アカウントでニューアルバム「hole」のリリースが決定したことが発表された。

セットリスト

「NUANCE ONEMANLIVE -hamajo-」2025年4月11日 KT Zepp Yokohama

01. wish
02. Mellow Dancer
03. ヒューマナイズド・ヒューマノイド
04. love chocolate?
05. tomodachi
06. sekisyo
07. サーカスの来ない街
08. ハルシオン
09. KaMoMe
10. ミライサーカス
11. セツナシンドローム
12. 白昼ブランコ
13. 雨にうたってみれば
14. 雨粒
15. ルカルカ
16. I know power
17. 赤レンガ空中さんぽ
18. ナナイロナミダ
19. シャララ シャララ
20. ai-oi
21. last a way
22. highlight
23. 特急 元町・中華街行き27分
24. sanzan
25. タイムマジックロンリー
26. ピオニー
27. sky balloon
28. sign

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