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SANDAL TELEPHONE最後の最後まで音楽で笑わせ、泣かせ、踊らせた6年間

「SANDAL TELEPHONE 6th Anniversary Live 'SAKURA'」の様子。
12分前2025年04月28日 10:01

SANDAL TELEPHONEが4月21日に東京・LIQUIDROOMでラストライブとなる結成6周年公演「SANDAL TELEPHONE 6th Anniversary Live 'SAKURA'」を開催した。

2019年4月に結成されたガールズグループSANDAL TELEPHONE 。「音楽で世界を笑わせたい、泣かせたい、踊らせたい」をコンセプトに掲げ、シティポップ、ファンク、ハウスなど多彩なジャンルを取り入れた良質な楽曲、観客の体を揺らすグルーヴィなライブを武器に独自の道を歩んできた彼女たちだが、3人がそれぞれの道へ進むことを理由に今年4月30日をもって活動を終えることを決断した。惜しまれつつも迎えたラストライブ当日は、会場に集まった大勢のオーディエンスによってフロアに特別な高揚感が充満。メンバーはその熱気に応えるように6年間の集大成とも言える渾身のライブを繰り広げ、これまで以上にダルファン(SANDAL TELEPHONEファンの呼称)を笑わせ、泣かせ、そして大いに踊らせた。

前のめりなライブに早くもフロアが沸騰

開演前、オーディエンスの頭上でミラーボールが回る中、SANDAL TELEPHONEの楽曲を数多く手がけてきたちばけんいちがDJ卓から曲を流すと早くも歓声が発生。場内の温度が目に見えて高まっていく。オープニングムービーとSE「Ready to Change」を経て、照明の光がまたたくステージに紅色の衣装を身にまとった夏芽ナツ、小町まい、藤井エリカが登場するとその熱気は一気に膨れ上がった。3人はダンサブルなナンバー「SHUTDOWN→REBOOT」でライブをスタートさせると、「ふざけんじゃねぇよ」などの前のめりなビートの楽曲を連発。ステージの後方では色彩豊かなVJ演出が目まぐるしく展開され、前方からはペンライトの光とコールが送られる。ラストライブならではの得も言われぬ高揚感が広がる中、小町は「今日が来るのが嫌で嫌で仕方なかったんですけど、盛り上がっているみんなを見ていたら最後まで楽しんでいけそうだなと思いました。最高の日にしましょう!」と笑顔をフロアに向けた。

最初のMCで自己紹介とともにライブへの意気込みを口にすると、SANDAL TELEPHONEは「碧い鏡」をはじめとするアグレッシブなアッパーチューンや、ニュージャックスウィング調の「SYSTEMATIC」などを次々に畳みかけてさらにアクセルを踏み込む。「恋の魔法使いにはなれない」「Magic All Night」「Be Free」の3曲をつなげたメドレーも披露し、オーディエンスの体を心地よく揺らした。

スクリーンに映し出された「ありがとう」

活動初期のオフショット映像が上映されたあとは、真っ白な新衣装でパフォーマンスが展開されていく。3人は2019年に1stシングルとしてリリースした「真夏の匂い」を皮切りに、「Follow You Follow Me」「Step by Step」といったシティポップ色の濃い初期のナンバーを連発。場内を爽快な空気で満たしたかと思えば、続く「微熱フェノロジー」ではEDM調の重低音に歌とダンスを乗せてフロアを刺激し、「Silent」では情熱的で大人びたステージングを繰り広げる。この6年間で培われた多彩な表現力とパフォーマンススキルを遺憾なく発揮した。

これが最後のステージであることを忘れさせるような、純粋に完成度の高いライブにオーディエンスは夢中になり、音の波に身を委ねる。しかし、メンバーが「やだー、まだ終わりたくないよ!」と口にし、温もりと切なさが同居する「かくれんぼ」が始まると、この特別な時間が残りわずかであるという実感がフロアに広がった。互いの絆を確かめ合うようにコール&レスポンスが繰り広げられたのち、ライブ本編終盤に披露されたのは「レビュープレビュー」と「Lightsurfer」。スクリーンに「ありがとう」という感謝のメッセージが映し出されたことにより、叙情的な歌詞がいつも以上に大きな意味を帯びて響くが、メンバーもダルファンもしんみりとした表情を浮かべずにライブに没頭する。ここまでで一番の声量と一体感でコールがこだました。

3人が手紙につづった正直な胸の内

3人がステージから立ち去ったあともSANDAL TELEPHONEの楽曲が流れ続け、フロアは興奮状態のまま。フロアで踊る観客をスクリーンに映し出すコーナーが展開され、2021年末にグループを卒業した元メンバーの西脇朱音がカメラに捉えられると大きな歓声が沸き起こった。

そしてステージに再び姿を現したSANDAL TELEPHONEは、「Shape the Future」でアンコールのパフォーマンスを開始。曲が終わってひと息つくと、事前にしたためてきた手紙を1人ずつ順番に読み上げた。夏芽は「私はたくさんのオーディションに落ちてようやくアイドルになりました」とアイドル活動の始まりを振り返り、「SANDAL TELEPHONEが私の青春です」「今日、アイドルを最後までやり切ることができたと心から言えます」と達成感を表情ににじませる。続いて「私はアイドルへの憧れから、完璧なアイドルでいなくてはいけないという気持ちが人一倍強く、プレッシャーで潰れてしまうことが何度もありました。でもそんなとき、完璧じゃない私でもみんなが受け入れてくれて、私は私のままでいいんだとみんなに教えてもらいました。そのおかげで、ありのままの自分に自信を持つことができました」とダルファンへの感謝の気持ちを述べた。

藤井も「6年前、私はアイドルになりたいと思ってこの世界に入ったわけじゃなく、たまたま行ったオーディションがSANDAL TELEPHONEでした。何もわからないまま始めたアイドルだったのに、ここまで自分が夢中になれて続けられるなんて思わなかったです」と加入時を回顧しながら感慨深い思いを口に。「私は飛び抜けて歌がうまい、ダンスがうまい、MCができるなど、自分の強みが何1つなくて、このグループにいる意味ないよなと何度も挫けながら活動していました。でもそんなとき、少しずつ増えていくファンの皆さんは、自信のない私を好きになって応援してくれて、それが力となり今日この素敵な景色を見ることができたので、あきらめないでよかったです」と言葉を続けたのち、「アイドルになって私はとても性格が明るくなったし、自信がついたし、とても強くなれました。この先、何か壁にぶつかってもみんなが味方でいれると思うと絶対に乗り越えられる気がします」と頼もしい表情を浮かべた。

小町は「小町まいを応援してくれた皆様、本当は大好きなのに嫌なことばっかり言ってしまってごめんなさい。そういう天邪鬼な私を愛してくれてありがとう。メンタル、鍛えられましたか? ほかの女じゃ物足りなくなってると思います。『小町まいやっぱりいいな』とこれからもときどき思い出してくれたらうれしいです。私はずっと忘れません。出会えてよかったです。大好き」とダルファンに愛を伝え、歓声を浴びる。さらに彼女は「ここにいる皆様にもっと上の景色を見せることができなくて、本当は悔しさや申し訳なさでいっぱいです。でも、今目の前の景色を見たら、6年間がんばってこれてよかったなって、楽しかったなって思います。これから先も私たちの大切な音楽で笑って泣いて踊ってください」と柔らかな声でフロアに呼びかけた。

悔いのないように胸の内をしっかりと言葉に紡いだ3人は、今年2月にラストシングルとしてリリースしたポップチューンで、デビュー曲「真夏の匂い」との対比になっている「サクラクラ」を晴れやかに歌唱。楽曲を通して6年間の成長を堂々と示した。そして次に「コーリング」を披露して会場のテンションを再び引き上げたのち、彼女たちが6年間の活動を締めくくる楽曲として歌ったのはシティポップダンスチューン「Sparkle」。ミラーボールの光がまばゆくきらめく中、夏芽、小町、藤井はオーディエンスとともに腕を左右に振って強固な一体感とグルーヴを生み出し、「音楽で世界を笑わせたい、泣かせたい、踊らせたい」というコンセプトを最後まで貫いてみせた。

セットリスト

「SANDAL TELEPHONE 6th Anniversary Live 'SAKURA'」2025年4月21日 LIQUIDROOM

SE Ready to Change
01. SHUTDOWN→REBOOT
02. ふざけんじゃねぇよ
03. NICE NICE NICE
04. 碧い鏡
05. SYSTEMATIC
06. 最大風速
07. Allegro
08. Medley(恋の魔法使いにはなれない~Magic All Night~Be Free)
09. 真夏の匂い
10. Follow You Follow Me
11. Step by Step
12. 微熱フェノロジー
13. Silent
14. BLACK DIAMOND
15. ワンダーランド
16. かくれんぼ
17. レビュープレビュー
18. Lightsurfer
<アンコール>
19. Shape the Future
20. サクラクラ
21. コーリング
22. Sparkle

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