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渋谷の路上から渋公へ…Omoinotakeが夢を叶え、新たな夢への一歩を刻んだ夜

「Omoinotake One Man Tour "Pieces"」LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の様子。(Photo by Daikichi Motouchi)
7分前2025年05月04日 9:07

Omoinotakeがライブツアー「Omoinotake One Man Tour "Pieces"」の最終公演を、5月2日に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行った。

渋谷の路上から渋谷公会堂へ……

ドラマ主題歌としても話題を呼んだ「幾億光年」の大ヒットを機に、「NHK紅白歌合戦」初出場のチャンスをつかむなど、2024年はバンドとして最も多忙で充実した1年を過ごしたというOmoinotake。今回のツアーは2025年に入って早々に発表したメジャー2ndアルバム「Pieces」を携えてメンバーの地元島根にある安来市総合文化ホールを皮切りに各地で展開され、現在の彼らのホームである東京で大団円を迎えた。

かつて渋谷の路上でもライブを行なっていた彼らにとって、渋谷公会堂は思い入れの深い会場。ツアーファイナルであると同時に、凱旋公演とも言えるライブには雨の中、多くのファンが集まり、開演前から熱気を立ち上らせていた。

ライブの始まりを告げたのは、最新アルバムのオープニングナンバーでもある「P.S.」。藤井怜央(Vo, Key)、福島智朗(B)、冨田洋之進(Dr)は、スケール感あふれるナンバーを伸び伸びとプレイし、たちまちホール内を高揚感で満たした。2曲目が始まるタイミングで、ファンにもおなじみのサポートメンバーのぬましょう(Per)、後藤天太(Sax)の2人がステージに合流し、Omoinotakeが結成から現在に至るまでに発表してきた楽曲に、時に大胆かつアグレッシブ、時に繊細で豊かな音色で彩りを添えていく。アップリフティングなポップチューンが続いた前半を経て、藤井の「心の深いところに刺さっていく曲を届けていければと思います」という言葉から、生々しい葛藤や狂おしい思いを歌うディープな側面を見せるブロックへ。人間の感情の機微を細やかに表現したナンバーにオーディエンスは聴き入りつつ、1曲1曲を丁寧に、思いを込めて紡ぐメンバーに熱い視線を送った。

これからもお客さんの大切なピースに

ツアータイトルに冠している「Pieces」への導入となるMCでは、福島が「3人であのとき、路上に立とうという小さな勇気がなかったら、この景色はなかった。そう思うと感動しっぱなしです」と感無量の表情に。さらに「Pieces」を各地で披露する中で曲に対する思いが変化していったことにも言及。「お客さんの人生のピースに僕たちに加えてくれてありがとうという気持ちになりました。これからもお客さんの大切なピースになれるよう……。3人も、スタッフも、お客さんも同じ夢を見られると信じています」と新たな夢に向かっていくこと示唆した。

「灰色の 街の中で モノクロの 夢を見てた」という1節で始まる「Pieces」だが、3人が逆光の中で温かなアンサンブルを紡ぐ中、ステージに掲げられたドレープ幕に“青”“赤”“緑”の3色をベースにした美しいグラデーションが浮かび上がる。ラストフレーズの「どんな色の 夢さえも 描き続けながら きっと生きていける」が高らかに響いた瞬間、希望にあふれた晴れやかな空気がホール内を包み込んだ。本編のラストに届けられたのは、Omoinotakeの存在をお茶の間に広めるきっかけとなった「幾億光年」。藤井が「いろんな人が僕たちを知ってくれて、僕たちをつないでくれたこの曲でお別れです」と告げると残念そうな声が上がるが、曲が始まるとオーディエンスは笑みを浮かべ、体を気持ちよさそうに揺らした。

次なる夢の地は念願の「日本武道館」

アンコールは、テレビアニメ「薬屋のひとりごと」第2期第2クールのエンディングテーマとしてもオンエア中の新曲「ひとりごと」で幕開け。冨田の叩くトライバルなビートが特徴の「By My Side」では演者と観客による息ぴったりのコール&レスポンスが繰り広げられ、会場がひとつに。ライブの締めくくりに欠かせない「トニカ」のクライマックスでは、藤井がメンバーを代表して「ありがとーう!」と天井を突き破らんばかりの勢いでシャウト。その声には、ツアーを完走した充実感と安堵がにじんでいた。

東京での初ホールワンマンという1つの夢を完遂したメンバーに向けて観客が拍手を送る中、ステージに登場したスクリーンにスタッフロールが流れ出す。しみじみとしたライブ終わりの余韻を誰もが噛み締め、いざ帰り支度を……と思っていたであろうとき、目の前に飛び込んできたのは「2026年3月15日(日)日本武道館公演 開催決定!」の報せ。メンバーの長年の悲願ともいえる日本武道館公演決定の発表に、悲鳴混じりの歓声が巻き起こり、この日一番の拍手がホール中にこだました。

本編で「ここに立てているのは、生き続けてきたから。(Omoinotakeを)やめないで続けてきたから」と噛み締めるように口にしていた藤井。Omoinotakeはこれからも自分たちの夢を叶え続けていく。彼らにとって初の渋谷公会堂公演は、ファンにそんなことを予感させるような一夜となった。なお、Omoinotakeのファンクラブ・オモタケラボでは5月15日まで日本武道館公演のチケットの先行予約を受付中。

公演情報

Omoinotake Live at 日本武道館

2026年3月15日(日)東京都 日本武道館
OPEN 17:00 / START 18:00

セットリスト

Omoinotake「Omoinotake One Man Tour "Pieces"」2025年5月2日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. P.S.
02. トロイメライ
03. アイオライト
04. 幸せ
05. 心音
06. ホワイトアウト
07. この夜のロマンス
08. Ammonite
09. フラジャイル
10. ラストノート
11. モラトリアム
12. Pieces
13. Better Half
14. 折々
15. 蕾
16. EVERBLUE
17. 幾億光年
<アンコール>
18. ひとりごと
19. By My Side
20. トニカ

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