女王蜂ホールツアー「悪」開幕、遊び心も取り入れたステージで魅せる最新アルバムの世界

女王蜂「全国ホールツアー2025『悪』」の初日公演が5月7日に東京・NHKホールで行われた。この記事では初日の模様を一部ネタバレとともにレポートするので、これから各公演を観覧する人はご注意を。

3月に約2年ぶりのフルアルバム「悪」をリリースした女王蜂。最新アルバムを携えた今回のツアー初日では新作の収録曲や4月30日にリリースされたシングル「強火」を含めた多彩なセットリストが展開された。

ライブの幕が開きステージに現れたメンバーの衣装は、昨年よりライブグッズとして販売されている「qb BEAST」シリーズをモチーフとしたもの。アヴちゃん（Vo）をケルべロス、やしちゃん（B）をパンダ、ひばりくん（G）を鹿のキャラクターに落とし込んだ「qb BEAST」を、今度はメンバー自らの衣装に取り入れるという遊び心たっぷりの演出で満員の観客を大喜びさせた。

前回のホールツアー「狂詩曲～ギャル爆誕～」では復活の喜びや感謝を噛みしめるかのようにシンプルかつ温かみのあるステージを届けた女王蜂だが、今回のツアーでは衣装以外にも観客の想像力をかき立てるようなステージセット、映像や照明を駆使した立体的な演出を通じて「悪」の世界を届けていった。アヴちゃんのシアトリカルなパフォーマンスが光った表題曲「悪」、生命力に満ちた力強いリズムがホールを揺らした「首のない天使」「狂詩曲」。女王蜂の熱演にオーディエンスも即座に引き込まれ、「メフィスト」では壮大なアンサンブルに乗せて今回のNHKホール限定となったオリジナル紙扇子が大きく波打った。

アヴちゃん、やしちゃん、ひばりくんとサポートメンバーのながしまみのり（Key）、山口美代子（Dr）はときにパワフルに、ときに軽快にそれぞれの音を奏で、アヴちゃんとやしちゃんは楽しそうに何度もアイコンタクトを交わす。最新シングル「強火」ではアヴちゃんが客席をまっすぐに見据えながら情感豊かな歌声を響かせ、その思いに観客も力強く扇子を振って応えた。

今回のツアーは7月12日の岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ 大劇場まで全13公演にわたり開催。その後7月23日には東京・東京ガーデンシアターにて単独公演「強火」を開催する。女王蜂の公式サイトでは5月18日まで「強火」公演のチケット先行予約を受付中。