JOYSOUND 音楽ニュース
powered by ナタリー
「JOYSOUND X1」公式サイトJOYSOUND公式キャラクター「ジョイオンプー」

スカートが「スペシャル」ツアー最終公演で完全優勝!“真のファン”と共有した濃密な音楽時間

澤部渡(Vo, G)
5か月前2025年07月05日 1:06

スカートのツアー「スカート ライヴツアー 2025 “スペシャル”」が、6月28日に東京・東京キネマ倶楽部でファイナルを迎えた。

今年でCDデビュー15周年を迎え、5年ぶり2度目の“優勝”を果たしたスカート。このツアーはメジャー5枚目、通算10枚目となるフルアルバム「スペシャル」が5月にリリースされたことを記念したもので、キネマ倶楽部にはこの特別な1日を祝うべく大勢のスカートファンが詰めかけた。

多彩な楽曲見る、スカートの15年

ジャケットスタイルの澤部渡(Vo, G)は、バンドメンバーである佐久間裕太(Dr)、シマダボーイ(Per)、岩崎なおみ(B)、森川あづさ(Key)とともに姿を見せると、1曲目に「スペシャル」収録曲の中でも異彩を放つ「トゥー・ドゥリフターズ」をセレクト。どこか不穏な立ち上がりから澤部の口笛や歪んだギターの音色を丁寧に重ねて観客を惹き付けると、感情を爆発させるように重厚なバンドサウンドを会場いっぱいに響かせる。そして「さよなら!さよなら! 」で演奏のギアを引き上げると、「緑と名付けて」「Aを弾け」といった短尺のポップナンバーを軽快にプレイした。

スカートは初期曲「セブンスター」やメジャー2ndシングル「君がいるなら」、最新アルバムから「ぼくは変わってしまった」「遠くへ行きたい」と、新旧を織り交ぜたセットリストを展開。音楽性の振り幅の広さと、15年というバンドの歴史を感じさせるステージで観客を魅了していく。ライブ中盤、どこか影のあるミディアムナンバー「駆ける」でセンチメンタルなムードを演出したかと思うと、数ある代表曲の1つ「ストーリー」では清涼感のあるボーカルで会場をさわやかな空気で満たした。

現在地示したクライマックス

MCでは澤部が15年の活動を振り返り、「普通だったら10枚目のアルバムって一番興味ないもんね(笑)。そんな中、こうやって皆さんが来てくれているのが本当にうれしいわけです」と観客に向けてひと言。佐久間は「インディーシーンとか言われてる頃はいろんな人がライブに来たじゃない? “真のファン”じゃない人が。そのいろんな人がいる感じもいいんだけどさ、15年も経つと“真のファン”しかいなくなってくる(笑)」と冗談を飛ばして会場の笑いを誘った。そして佐久間が「“真のファン”をふるいにかけるゾーンがやってきます」と告げると、最新アルバムから「四月怪談」の演奏がスタート。淡々と奏でられるメロウなグルーヴに、会場に集まった“真のファン”たちはゆったりと体を揺らしていた。

バンドメンバーの卓越した演奏スキルが光るダンサブルナンバー「回想」「返信」を経てライブは終盤へ。澤部は「本当に長く続けてきてよかったです。新しい曲から昔の曲まで、盛り上がっていただいて最高です!」と、ライブを見守ってきたファンへ改めて感謝を伝える。彼は「ラストスパートになってしまいますが、最後まで楽しんでいってください」と告げて、PUNPEEとのコラボ曲「ODDTAXI」や、2016年発表の1stシングル「静かな夜がいい」、エモーショナルな初期の人気曲「ガール」を次々と披露。5人の熱量の高いステージングに会場が沸き立つ中、澤部は「最後に1曲、どうしても聴いてほしい曲があります! 『スペシャル』!」と勢いよく宣言すると、スカートの現在地を象徴する「スペシャル」を駆け抜けるように演奏し、ステージをあとにした。

Zepp Shinjukuでの再会を約束

アンコールでは、澤部が優勝トロフィーを片手にステージに登場。そして彼の口から12月14日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)でスカート史上最大規模となるワンマンライブを行うことが告げられると、客席からは盛大な拍手が送られた。スカートは「火をともせ」「波のない夏」の2曲を届けたのち、ファンとZepp Shinjukuでの再会を約束してラストナンバー「月光密造の夜」を演奏。みずみずしいバンドサウンドで場内を満たし、大盛況の中で「スペシャル」ツアー最終公演の幕を降ろした。

セットリスト

「スカート ライヴツアー2025“スペシャル”」最終公演 2025年6月28日 東京キネマ倶楽部

01. トゥー・ドゥリフターズ
02. さよなら!さよなら!
03. 緑と名付けて
04. Aを弾け
05. セブンスター
06. 君がいるなら
07. ぼくは変わってしまった
08. 遠くへ行きたい
09. 駆ける
10. ストーリー
11. ミント
12. 期待と予感
13. すみか
14. 四月怪談
15. ひとつ欠けただけ
16. CALL
17. 回想
18. 返信
19. ODDTAXI
20. 静かな夜がいい
21. ガール
22. スペシャル
<アンコール>
23. 火をともせ
24. 波のない夏
25. 月光密造の夜

関連記事

ゴリラ祭ーズ

ゴリラ祭ーズが初全編ボーカル入りのアルバム発表、スカート澤部渡ら迎えたツアーも決定

5日
V.A.「はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム」ジャケット

小西康陽が発起人の細野晴臣トリビュートに直枝政広、澤部渡、金田康平ら参加

7日
スカート

スカート、初期音源の再録ver.収めたアルバム「アナザー・ストーリー」が初アナログ化

11日
フレネシ

フレネシが約11年ぶり活動再開、新曲「除霊しないで」配信&「キュプラ」アナログ化

20日
30周年記念で撮影されたyes, mama ok?の最新アーティスト写真。オリジナルメンバーで集合した高橋晃、金剛地武志、仲澤真萠(左から)。

掘り起こされる音楽家・金剛地武志の才能、yes, mama ok?デビュー30周年作品が続々

27日
Francis with Lily

小里誠ソロユニットFrancis主催イベントにyes, mama ok?、Neil and Iraizaら

約1か月
「超ウルトラハイパーウキウキスペシャル優勝パレード2025」メインビジュアル

スカートが過去最大規模ワンマン、新宿で超ウルトラハイパーウキウキスペシャル優勝パレード

約1か月
V.A.「移動遊園地~パラダイス・ガラージ / 豊田道倫トリビュート」ジャケット

パラダイス・ガラージのトリビュートに曽我部恵一、七尾旅人、澤部渡、後藤まりこ、川本真琴ら

約2か月
ムーンライダーズ、澤部渡、佐藤優介。

ムーンライダーズのデビュー50周年イヤーキックオフライブ開催決定

約2か月
左から松永良平、木下麦、橋本翼、荒内佑、高城晶平。(撮影:寺沢美遊 )

ceroと木下麦監督が映画「ホウセンカ」に込めたこだわりとは? 盛大な花火シーン彩るOPテーマの制作秘話語る

2か月